ドラクエの主人公の故郷って、なんとなくひどい目に合っている気がする。
ので、独断と偏見で不幸度ランキングを作ってみたいと思う。
前編はこちら
主人公の故郷で、残っているのはこちら
ドラクエ4 山奥の村
ドラクエ5 サンタローズ
ドラクエ10 エテーネの村
ドラクエ11 イシの村・ユグノア
前編も天使界などなかなかに不幸な地元はあったが、ここから不幸度がぐっとあがる。こころしてかかろう
では早速!
まずは似たような境遇のこの二つ!
イシの村
サンタローズ
言わずもがな。
イシの村もサンタローズも、一度は滅びの道をたどっている。無実の罪で襲撃されている。
イシの村はデルカダール兵が攻め込んできて襲撃にあう。その理由が、勇者を育てた村だから。理不尽。いやこの理由で魔物に襲撃されるならわかる、というか実際はウルノーガの指示だから間違ってはいないのだが、そんなことイシの人たちは知る由もない。なぜか大国であるデルカダールが攻め込んできたというはてなしか浮かばない状況。なんなら勇者を輩出した村として歓迎されるとワクワクしていたのに、この仕打ちである。結果的にグレイグのおかげで誰も死ななかったわけだが、ホメロスは殺す気満々だったわけで、殺されるという恐怖は確実に味わっている。無理。しかも村壊滅してるし。自分ちが身に覚えのない暴力によってなくなるの、想像しただけで辛い。天使界は天使たちが星になるのでいいのだが、イシの村の人々はこれからも生きていく。それなのに住居を壊すのはダメー。
サンタローズは、ラインハットのヘンリー王子がさらわれたことをパパスの責任とした皇太后が兵士を送り込んできたことで壊滅。パパスのせいにしたというのがもうひどいが、そもそもヘンリー王子をさらうよう命令したのが皇太后本人なのだから救いようがない。平和に暮らしていた罪のない善良な人々が、身の覚えのない理由で襲撃され、その恐怖はいかほどのものだったろうか。村の焼き討ちに関わったラインハットの兵士が、何年経ってもそれを悪夢に見ていることから相当ひどいありさまだったに違いない。現に恐らくだが犠牲者が出てしまっている(村の入口当たりに墓があるため)。そう、死人出ちゃってる。死人出ちゃってるのよ。ここに来るまでの間、恐らくは明確な死人というのは出ていなかったのだが、出てしまった。もうだめ。そういった意味では、イシの村とサンタローズの間には高い壁がある。
ただエンディングで復興した姿を見ると、けっこう生き残っている人もいるので、というかほぼ生き残ってない?と思うので、この順位にとどまった。
では、いよいよ第三位から!
エテーネの村
死人出ちゃってるのよ。それも、サンタローズのときみたいに恐らく、とかじゃなくて、確実に。確実に死人が出だしたら、それはもう不幸レベルも一気に上がるというもの。
人々が平和に暮らす村だったが、ストーリー冒頭で巫女のアバが滅びの予言を伝える。その予言通り村は冥王ネルゲルによって滅ぼされる。いや~。気持ちいいほど滅びる。滅びの予言は伊達ではない。何がショッキングって、滅びる様子を目の当たりにさせてくること。これはなかなかない。さっきまで平和に暮らしていたのに、急に炎に包まれる村。衝撃。ばかやろう。あの炎に巻かれて死んだ人がいるのかと思うと辛さしかない。
一応バージョンが進むと復興もできるようなので、それは救い。でも復興したからとて人が死んだ事実は変わらない。
ユグノア
エテーネと迷うところはある。
こちらもストーリーの冒頭、魔物の襲撃にあい滅びる。オープニングでその様子が見られるが、王子の誕生祝い及び四大国の王が集まり会議をするということで、国民たちはいつもより浮足立っていたことだろう。そこに突如現れる魔物たち。
一部の人は生き残ったが、冒険中に出会うモブキャラの話などを考えるとユグノアの人々はほぼ皆殺しだったと思われる。えっぐぅ。王子の誕生、しかも勇者の誕生、それによって滅びるとか辛い。喜びからの失墜に弱いんだ私は。村に比べると規模感もでかい。大国が一夜にして滅びるの辛い。
唯一の救いは、王子である勇者と、先代の王であるロウが生き残っていることか……。難しいとは思うが、復興ももしかしたらできるかもしれない。でも村ならまだしも、あの規模の国をまた作るのは、無理だろうな……。
そして最後は、第一位!!
山奥の村
不動の一位。どうあがいても他の主人公たちの故郷は山奥の村に勝てない。主人公の故郷、地元がひどい目にあうというイメージ、大体こいつのせい。
勇者が隠れ住む村ということで、ピサロがそれを発見し襲撃する。
勇者を残して他全員が魔物に殺されてしまう。ひえ。
ただここまでに書いている通り、人が死んでしまうことはままあった。それなのになぜ一位なのか。たしかにここまでの地元たち、特にエテーネやユグノアもなかなかにひどい。だって皆殺しだもの。それでも山奥の村が一位だと思う。
エテーネは滅びるんだなというのがあらかじめわかっていたし、ユグノアは勇者がそれと認知したときには滅びていたというのがある。山奥の村は、本当になんの前触れもなく魔物が来て、全員殺していく。その意外性は理由としてあると思う。勇者の故郷なのにこんな目にあうの!?と、今なら特に珍しくもないことだが当時は驚いたのもある。
あとはもう、
そういうイメージだから
がでかい。結局これ。結局これである。ひどい目にあった主人公の故郷、地元、といえば山奥の村なのである。
そのイメージを取っ払って考えると、ユグノアの方が上かもしれない。山奥の村の人々は、勇者を育てることのリスクを考えていつかそういう日が来るというのを覚悟していたので、その点では何の覚悟もなく皆殺しにあったユグノアの方が不幸か。
でもやっぱり山奥の村の不幸度が個人的には高く感じてしまう。これはもはや刷り込みのようなものである。
主人公の地元不幸度ランキングは以上。
何を持って不幸とするかは個人の価値観に寄るので、人によっては一位から最下位までがらっと変わることもあるだろう。そこに住んでいたらどうか、人は死んでいるか、問題の事件が起こるまでの過程などを加味してみたが、結局最後はイメージ先行になった部分もある。幸福も不幸も、理屈だけでは語れないということだ。
なんだかいい感じに締められた気がしなくもないので、この記事はここで終わりとする。
最後にどこに住みたいかだが、もろもろ全部終わった後のフィッシュベルかトロデーンかな。
(文・やなぎアキ)
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