ギガジャティスも使ったことない。
マジャスティスとはナンバリング作品ではドラクエ7にのみ登場する呪文で、スピンオフ作品を入れてもヒーローズ2くらいにしか登場していない特殊な呪文だ。
覚える際も、レベルアップや職業などではなく、イベントで覚えることになる。そのため、この呪文を使えるのは主人公のみだ。
効果は、対象の呪文効果を消し去る。いてつくはどうの呪文だけ消してくれるバージョンだ。
ストーリー中は、もっと重要な役割を担っている。
この呪文を会得する場所は過去のマーディラス。
幼馴染を救えなかった後悔の念から、何物にも負けない絶対的な力を手に入れたいと望んだ王ゼッペルは究極呪文マナスティスを完成させる。しかしそれは古の賢者が封印した禁忌の呪文だった。この呪文を使ったものはその溢れ出る力に支配され、大陸をも吹き飛ばしたのちに自身をも破滅させてしまう。
この呪文に対抗するために生み出された呪文が、マジャスティスだ。マナスティスという呪文効果を消し去り、対象の者を元に戻す効果が期待された。
残念ながらこの時点では未完成だったが、その後も研究は続けられ、現代に戻った主人公がその研究結果を読むことでこれを習得する。
何とも壮大な物語である。
マナスティスによって変貌したゼッペルの力は、メルビンに言わせれば未熟ではあるが魔王そのものとのこと。それほどまでに強力な呪文だ。
その呪文効果を、唱えるだけで打ち消す。未熟とはいえ魔王の力を有しているものを、その一発で倒すことができるのだから、マジャスティスもまた究極の呪文。マホカンタすら打ち消すというのだから、マナスティス側には防ぐ手段がない。どちらかといえばマジャスティスの方が強力な呪文だろう。
それほどまでの力を秘めた呪文。イベントで習得するため主人公にしか使えない呪文。
さぞかし出番があるのだろう、と思いきや
使ったことねぇなぁ????
正確に言えば、どんな感じなのかな~?と思って一回使ったことくらいはあるだろうが、実戦でこの効果を期待して使ったことは
一度もねぇなぁ?????
使うタイミング、一切ねぇなぁ????
ないのである。マジャスティスを使うタイミングは一切ないのである。魔法効果にしか効果はないとはいえ、要はいてつくはどうのようなものだし、マホカンタを打ち消せるのだから出番はありそうなものである。ドラクエ5にはマホカンタを使用するボスがいたり、スカラで防御を固めてくるブオーンもいるため、そういう場合にいてつくはどう(というか天空の剣)を使った。ドラクエ6でも、マッチョ形態のミルドラースがバイキルトなんて使うもんだから、いてつくはどうを覚えていれば積極的に使用した。
どれも魔法効果である。であれば、わざわざ転職せずとも使えるようになるマジャスティスにも出番があるはず。
なかったなぁ????
多分、マジャスティスを覚えていこうの敵で、魔法効果打ち消した~いと思わせる強敵はいなかったと思う。なんせ、使おうと思ったことがただの一度もない。くそ~マホカンタ使われた!とか、スカラがかかりすぎて物理が通らねぇ!とか、そういうのはなかった。MPを15も消費するというのも、わざわざ使ってもなぁという気にさせる。
そのため、マジャスティスの出番、一切なかった。
そりゃ私も、初めてマジャスティスを覚えたときは「あのマナスティスを弱体化させた魔法の完全版!名前もかっこいいし、使って行きたい!」と思ったわけだが、今となっては「はい、はいはいは~い」としか思わない。
マジャスティス、あまりにも不憫。
効果がいまいち使いづらいせいか、ナンバリング作品ではその後まったく登場しないこともお察し。むしろヒーローズ2で出番が与えられて良かったねという。ヒーローズ2をプレイしていたとき、「マジャスティスって忘れられてなかったんだ」と思ったものだ。
哀れマジャスティス。
ちなみに上位呪文であるギガジャティスもイベントで習得することができる。こちらは対象が敵味方全員。呪文効果を打ち消し、1~2ターンの間全ての呪文効果をなくすことができる。エビルスピリッツが使うあやしいきりの、ターン制限版だ。
なんとなく使う機会がありそうな気もしないが、こちらも使ったことがない。ターン制限とはいえ、すべての呪文効果を消すというのは何とも魅力的だが、味方側にも効果があるため微妙に使い勝手が悪い。いくら特技が豊富な本作であっても、この2ターン全く魔法を使わないぜ!という絶対の確信を持つ場面は少ないのではなかろうか。これをうまく使いこなせれば、楽になる局面もあるのかもしれないが、それを考えるくらいなら普通に戦った方がいい気がする。
小説版だとかっこよく使用されていたので、まだマシかもしれない。
かっこいいけど使わない魔法といえばミナデインだと思っていたが、マジャスティスもなかなかのものだ。
(文・やなぎアキ)
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