ドラクエにはドラクエ1の頃から鍵のかかった扉が存在する。
今はまだ入ることができない場所があるというワクワク感。鍵を手に入れることで、これまでの旅路にそのような扉がなかったかと、一つ一つ確認して回る時間はとても楽しい。自身の旅がここまで進んだかという気にさせてくれる。
ドラクエで鍵といえば色々とあるが、一般的には3つの鍵を思い浮かべる人が多いだろう。
盗賊のかぎ・魔法のかぎ・最後のかぎ。
この三つがセットで登場したのはドラクエ3から。
以降、ドラクエ11に至るまでコンスタントに登場する(一部の鍵が登場しない作品もある)。
今回主題にした最後のかぎは、先端がマネマネ銀というあらゆる形状になることができる金属でできており、それゆえに世界中の扉を開けることができるという最強の鍵だ。
ただ、それまでの扉は盗賊のかぎ、魔法のかぎで開けられるようになっているため、ゲーム中では、もっぱら牢屋の扉を開けることに使われることが多い。
この最後のかぎ。名前の通りストーリーの終盤に手に入れることが多い気がするが、各作品とのようなタイミングでどんな方法で手に入れるのか。見ていこう。
ドラクエ3
かわきのつぼを使って入ることができる浅瀬のほこらで手に入れることができる。
ドラクエ3は船を入手後は各イベントを好きな順番で進めてよいので、知っていれば船を手に入れてからすぐに手に入れることができる。そのため、ストーリーの終盤というイメージはあまりないかもしれない。
それでなくともドラクエ3はバラモスを倒した後も、アレフガルドの冒険へ続くので、ストーリー全体で見れば間違いなく中盤に手に入れるアイテムである。
とはいえ、アレフガルドの存在を知らずにバラモスがゴールだと思っていれば、プレイ中は「ようやく手に入れた!」という達成感はあるのではないだろうか。
ちなみにFC版の場合は必ずしも手に入れなくてもいいアイテムだ。
ドラクエ4
ガーデンブルクの女王がくれる。
シスターのロザリオを盗んだバコタを捕えたことで、人質として捕まっていた仲間を助けるために女王がくれる。扉を開けておけよと思わなくもないが、そのまま鍵をくれるのでまぁいいだろう。多分世界に一つしかない大事な鍵なわけで、下手したらガーデンブルクの家宝だと思うのだが、気前よくくれる。これも勇者の御加護か。
時期的にはこれもわりと中盤か。
その後の王家の墓や魔人像に入るために必要な鍵。最後のかぎは、その後に登場するダンジョンに入るために必要なことが多いので、活躍させるために意外と終盤ではないのかもしれない。
ドラクエ5
ブオーンを倒した後に落とす宝箱から手に入れることができる。
システム上宝箱と言っているが、後述する話から、体内から出てきている。吐き出したのか、倒した後霧散してその場に残っていたのか……。汚いな。
なぜブオーンが最後のかぎを持っているかについてだが、これはポートセルミにて話が聞ける。最後のかぎは元々太古の大盗賊ゴロステの持ち物で、彼がブオーンに飲み込まれてしまったというのだ。それゆえに、ブオーンを倒すことで手に入れることができる。太古の時代からずっと(封印されていたとはいえ)ブオーンの腹の中に残っていたのは、さすがマネマネ銀か。
ブオーンはエルヘブンで魔法のかぎを手に入れた後であればいつでも挑めるため、中盤に手に入れることも可能。とはいえ、初見ではブオーンは強すぎるため、万全を期するのであれば魔界突入前に倒すことも多いだろう。であれば終盤か。
ドラクエ6
海底の沈没船で入手。
沈没船にはお宝がある!と思い探すと最後のかぎが!これはちょっと嬉しい。海に沈んでいるのも、伝説感があっていい。
こちらはあわあわ船を使えるようになってからであれば、すぐにでも手に入れることができる。そのため、中盤に手に入れられる。
が、海底のどこに何があるかというのは初見プレイではなかなか把握できず、しかも場所のヒントも特にないので知らないで見つけるのは難しい。運よくすぐ見つけることもできるだろうが、人によりそう。
ストーリー上必要になるのも、天馬の塔に入る時なので、終盤に手に入れるといっても間違いではないだろう。
ドラクエ7
クリスタルパレスで入手。
うっかりイベントを進めてしまうと、精霊を呼び起こして神の正体を暴いてダークパレスが出現するまで入手できない。罠。
こちらは紛れもなく終盤に手に入ると言える。というかそもそも、ストーリー攻略には必要ない(裏ダンジョンに行くためには必要)。めずらしい。人間に持たせておくと厄介だから、オルゴ・デミーラが管理していたのだろうか。
ドラクエ7は他にも、ストーリーに全くかかわりがないラーの鏡がラストダンジョンで手に入るなと、アイテム面でちょっと異質なのかもしれない。ちなみに、ラーの鏡もオルゴ・デミーラにとっては厄介なアイテムだから持っていたという説がある。
ドラクエ8
メディばあさんから渡される。
賢者の末裔の一人であるメディばあさん。彼女の先祖は大学者カッティード。もしかしたら彼が発明した鍵なのかもしれない。
息子を攻撃するレオパルドに単身立ち向かいに行くメディばあさんが、その直前に主人公に手渡ししてくれるため、かなり印象に残る。その後目の前で彼女を殺されてしまうため、実質形見になった。手に入れたときのちゃんと入手のSEが鳴るのが、この後の展開を考えるとちょっとシュール。
物語としては、その後海図を探したりレティスを手に入れたりマルチェロと戦うことになったりと盛りだくさんだが、賢者の末裔7人のうち6人目の犠牲者であることと、雪国というドラクエでは後半っぽい土地柄も相まって、なんとなく終盤っぽい雰囲気がある。
ドラクエ9
ゴレオン将軍を倒した後入手。
囚われている天使たちを助けるために使用するが、その後は特に必須となる場面がない。倒した直後に勝手に牢の扉が開く、とかでも対応できそうだが、そうなると完全に出番がなくなってしまうためそういう方法にしたのだろうか。やっぱり最後のかぎはなくっちゃな!という気概を感じる。
もちろん他の鉄格子の扉も開けることができるので、まったく使う場所がないわけではない。
カデスのろうごくあたりは物語としても終盤といっていいかもしれない。
ドラクエ11
過ぎ去りし時を求めた後の神の民の里で入手。
最後のかぎっていつ手に入るんだ?まさかないのか?牢屋あるのに???と不安にさせておいて、過ぎ去りし時を求めないと手に入らないというまさかの仕掛け。
既に冒険しつくした世界で必要なかった代物なので、ストーリー上必須のものではない。7以降、そういう流れが出来たのだろうか。
過ぎ去りし時を求めた後、さらに神の民の里ということで、まぎれもなく終盤だろう。神の民なだけあって、大層なものを持っておる。
以上が、各作品の最後のかぎの入手時期と方法だ。
こうして見返してみると、終盤に手に入れるのと中盤に手に入れるのが半々といったところか。
そして、意外にも入手時期は自由というものが多かった。
ストーリーの進行で必ずこのタイミングで手に入れる!というのは、4・8・9のみ。
また、どうしてここに最後のかぎが?どうしてこの人が最後のかぎを?というのも、ゲーム中で語られていたり、想像がつくものが多く面白かった。
今後は盗賊のかぎや魔法のかぎについても言及していきたい。
(文・やなぎアキ)
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