武器屋は武器を売っている。
剣からナイフからムチやら多彩な武器を売っている。
モンスターを倒すため、身を守るために売られている武器たち。
そんな様々な武器が並ぶ店頭にて異彩を放つものがあった。
ただの骨を削ってちょっと持ち手をつけただけのもの。
とがったほね。
???
売り物なのかそれは。
骨を、鋭利に削ったもの……。それを、店頭に並べる勇気。武器屋のメンタル、あまりにも強い。
ここでとがったほねの説明をば。
とがったほねはドラクエ5が初出で、その後6、7に登場した武器である。主にはモンスター用の武器だが、装備できる人間にバーバラとガボもいる。モンスター用の武器に対して、ガボはまだオオカミなのでわかるが、なぜバーバラも装備できるようにしたのか謎すぎる。テリーの方がまだわかる。あいつは反骨精神の塊なので骨くらい装備できそう、骨だけに。
攻撃力は6とかなり弱い。ちょっと冒険を進めればこれよりも強い武器などいくらでもある、そのうえ装備できる者も限られている。謎の武器である。
しかもお値段110G。
まぁまぁ高いなー!
ちなみに、三作品の中で唯一この武器の出番がありそうなドラクエ5のみ70Gで売られている。
むしろ出番がほぼなさそうな6と7ではなぜ値上がりを慣行したのか。武器屋に一体何が起きたのか。値上げをしてもそれでも店頭に置きたい理由が見当たらない。
一応どこで売っているのかというと、6はダーマ神殿とロンガデセオ。様々なものが集うダーマ神殿ならば骨を武器として買う奇特なものも現れるだろうということか?ならずものが住む町ロンガデセオならば、骨すらも武器にするあらくれがいるだろうということか?なるほど納得はできなくはない。ただ、骨を削るだけなんだから自分で作れとも思う。特に骨すらも武器にするようなレベルのならずものなら、大人しく骨を店で買うんじゃない。
7はオルフィーで売られている。オルフィーといえば動物たちへの感謝祭を行うほど動物に造詣が深い町だ。それならば動物由来の骨を売っていてもおかしくないか。ただ、動物に感謝しよう!と言っている町で動物の骨が武器として売られているのは本当にいいのか?という気もするが、お守りとかならまだしも。あとやっぱり110Gは高いよ。
拾えるだけの武器にすると謎のレアリティが出てきてしまうから店で売っているのかもしれないが、考えれば考えるほど意味が分からない武器。
なぜ店頭に……。
そう考えると、シエーナのバザーでぼったくり価格でこのとがったほねを売っている商人はある意味一番違和感がないかもしれない。
(文・やなぎアキ)
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