ドラクエのキャラクターについて、いくつかの観点から読み解いていく!
筆者の超個人的主観によるキャラクター辞典!
第六回目はマーニャ!
※全て筆者の主観であり、筆者のプレイスタイルによるものであることをご了承ください
見た目
褐色の肌と美しく長い紫の髪、しなやかな肢体と妖艶な目元。スラっとした身の丈で、端的に言えばものすごい美人である。可愛いとかではない、美人なのである。ドラクエ界でもトップを誇ると言っても過言ではない。
踊り子の服(ふんどしじゃないです)をまとい、自らの完璧な身体を惜しげもなく見せている。現に彼女は、モンバーバラやその他地域でも有名な踊り子である。
ドラクエ1から3まででここまで露出が多いキャラクターはいなかった。せいぜい3の遊び人(女)くらいか。そしてこれ以降もデフォルトでここまで露出が多いキャラはいない(着せ替え系の防具を着たゼシカなどは除く)。
しかし彼女からは不思議といやらしさは感じない。それは彼女のたたずまいから、踊り子としてのプロフェッショナルな心意気を感じるからかもしれない。
2章で登場するアリーナに比べると、非常に大人の魅力に満ちたキャラクターである。あくまでも見た目は。
性格
そんなすんごい美人のマーニャだが、性格はと言うととっても残念。
生活にもお金にもだらしがなく、酒を飲んでカジノに入り浸る本当にどうしようもない人物だ。美人だからなんとか見れるが、これがもし汚いおっさんだったらバッシングの嵐である。あと絶対彼女の部屋は汚部屋。
いい風に言えば、自由奔放で、自分の好きなことは我慢しない性格と言ったところか。
しかし堅実な妹のミネアがいなければ、あっという間に借金取りに追われる生活をしているだろうくらいには、本当にだらしがない。
だらしがないが、彼女のその奔放で明るい性格は、暗いストーリーを主軸とした4章においては清涼剤である。
また、妹のミネアのほうがしっかり者であることは間違いないが、その一方で姉らしい一面も見せてくれる。リメイク版では、4章の終わりでうろたえるミネアを引っ張っていくようなセリフもある。意思の強さと潔さ、そして妹を大切に思う気持ちをちゃんと持っているのだ。
旅の目的のためにたくましく生き、強敵にも臆さず立ち向かう姿は、まさしく導かれし者にふさわしい器だろう。
ストーリー
モンバーバラで踊り子として活躍するマーニャ、そして妹で占い師のミネア。二人の父親エドガンは錬金術師であり、数年前に弟子のバルザックに殺されてしまった。
以来彼女たちは、父の仇を討つために宿敵バルザックを追っているのだ。マーニャの明るい性格のわりには、ストーリーは仇討ちという重苦しいものである。
そして二人は父のかつての弟子、オーリンと協力しバルザックを追い詰めることに成功した。しかし、その裏にいたさらなる強大な敵、キングレオの登場に、文字通りなすすべもなく逃げることになるのだった……。その際に、大事な仲間であるオーリンをも失うことになる。
重い。2章のアリーナたちもラストは苦しいものがあったが、マーニャ達は明らかな敗走である。重い。
が、マーニャはそんなことではへこたれない。
圧倒的力の差で負けたというのにカジノに興じる彼女の精神力の強さには脱帽である。しかしミネアはキングレオに負けることを薄々感じ取っていたようであるので(リメイクの仲間会話参照)、彼女から時が来れば目的は果たせると聞かされていたのかもしれない。
そして妹の占い通り、彼女は見事仇討ちを果たすのだ。しかしそれは、旅の通過点でしかなかったのであった。
性能
メラ系ギラ系イオ系を得意とする完全なアタッカータイプの魔法使い。ブライはヒャド系とその他補助系の呪文を使うのに対して、マーニャが戦闘中に使えるのはルカニとマホトラだけである。
魔法使いなのでMPが伸びやすく、素早さもまぁまぁ上がりやすい。力は当然大して期待できない。
基本的には攻撃呪文を使うしかないのだが、その分かりやすさのためかFCのAI戦闘では行動が読みやすい。残りMPにさえ注意していれば、強力な呪文で敵を薙ぎ払ってくれる頼もしい仲間である。リメイク版でもそれは同様。
しかし、先述の通り補助呪文はあまり覚えないので、攻撃呪文に耐性のあるボスなどが相手だと活躍はやや難しい。リメイク版では命令ができるので、回復用の道具を持たせるのも手だが、それであればより耐久力がある仲間に任せた方が無難かもしれない。
個人的にはそのわかりやすい性能からスタメンにしているのだが、リメイク版のピサロが仲間になる6章では馬車入りしがち。バランスの良い勇者、会心の一撃の鬼アリーナ、回復のエキスパートクリフトと比べると、どうしてもスタメン落ち第一候補になってしまう。
ちなみに踊り子ではあるが踊り系の行動はない。むしろ踊るのはトルネコだったりする。なんでだよ。
その他の活躍
美人な踊り子、でもカジノ狂でだらしないという強烈なキャラ付け。にもかかわらず、スピンオフ作品での彼女の活躍はそれほど多くない印象。
多数のドラクエキャラが出演するいたストシリーズでは、1作品のみにしか登場していない(いたストポータブル)。
しかし目を引く見た目と、扇を使って戦う踊り子と言う設定が功を奏したのか、ヒーローズシリーズではしっかり2作品ともに登場している。
踊り子らしく舞うように戦う彼女は、空中戦を得意とし非常にコンボが決まりやすい。
必殺技のドラゴラムで、4コマ漫画劇場の新山たかし先生の4コマを思い出した人は多いはず。多いであれ。
総評
超人気の踊り子マーニャ。
強力な攻撃呪文を使い戦う彼女だが、妹ミネアも飽きれるほどのカジノ狂でだらしがない性格。
しかし、果たすべき目的を決して忘れず、時には先頭に立ち妹を引っ張っていくその姿を見れば、誰もが彼女を好きになる。
故郷をなくし大事な人をなくした勇者が最初に出会ったのが彼女でよかった。明るく引っ張って行ってくれる彼女は、勇者にとっても姉と慕いたい人物だったかもしれない。
(文・やなぎアキ)
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