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【ダイの大冒険】ダイとアバン、二人の勇者とその強さの違い。

ダイの大冒険を見終わった後しばらくして、勇者アバンと獄炎の魔王を読みました(5巻まで)。

ダイの大冒険は当然ダイが主人公ですし、獄炎はアバン先生が主人公です。

それぞれの勇者がそれぞれの魔王を倒す物語。

読んでいると、二人とも勇者ではあるけれど、全くタイプの違う勇者だなと思いました。

 

※あまり獄炎のネタバレはしすぎないようにはしますが、多少触れるところもありますのでご注意ください。

※文中「アバン」と「アバン先生」が混在していますが、ダイの話をするときはどうしても「アバン先生」じゃないとしっくりこないのでご了承ください。

 

軽く二人の説明をしておきます。

 

ダイ

竜の騎士バランの息子で、自身も竜の騎士の紋章を持つ。

かつて魔王ハドラーを倒した勇者アバンに師事し、アバン流刀殺法を使いこなす。戦いの中で力をつけていき、最終的には竜の騎士としての力を完全に使いこなすまでになる。

まだ幼く迷うこともあるが、仲間たちに支えられ勇者として成長していく。

 

アバン

カール王国騎士団の兵士。

カール王国にハドラーが攻め入った際に、その持ち前の剣術の頭脳で危機を脱する。それをきっかけにハドラーを倒す旅に出る。

最初にハドラーと対峙した際に偶然放った技を基に、アバン流殺法を編み出す。

飄々とした性格だが思慮深く、敬意を示すべき相手であれば敵とはいえそれを隠すことはしない。

 

 

はい。大体こんな感じです。

二人とも同じ世界の勇者ですが、こう書くだけでも違いますね。

そして私は読んでいく中でこう思いました。

 

ダイは強さを継承していった天性の勇者で、アバンは持ち前の頭脳で思考錯誤する努力の勇者だな、と。

 

ダイはアバン先生から教わったことを基にその剣術を磨いていき、アバンストラッシュを自身のものにしました。勇者としてライデインを使い、ライデインストラッシュを編み出したりもしますが、元はやっぱりアバン刀殺法です。

そしてもう一つのダイの力、竜の騎士の紋章。

こちらはバーンとの戦いの中で、歴代の竜の騎士たちの戦いの歴史、記憶が刻まれていることがわかりました。その騎士たちの戦いの記憶を手にしたダイは、それこそ神がかり的な戦闘センスを発揮するのです。

このように、ダイは先生の技や過去の騎士たちの記憶を継承していく中で強くなっていきました。もちろんダイ自身の実力と努力もあります。しかし生まれ持ったものがかなり大きいです。

勇者アバンに比べると、継承の印象がかなり強いです。

ダイの大冒険は仲間たちも含めて若い世代の物語です。マトリフからポップへ、ブロキーナからマァムへと、かつて戦った者たちから今を生きる者たちへ舞台を移すための物語。

そう考えると、ダイがそのようにして強くなるのも納得です。

 

アバンの方はというと、彼はダイとは違ってただの人間です。

しかし最終的には魔王ハドラーを倒すまでの勇者になります。

それは彼が自身で考え試行錯誤しながら強くなっていったからだと思います。最初のハドラー戦でアバンストラッシュもどきをうった日から、もう一度あれを使うために日々研究を怠りませんでした。アバンストラッシュをうつために必要な要素とは一体何かを考え、そのために必要な剣技を一つずつ習得していく。いきなりアバンストラッシュを目指すのではなく、一個ずつ課題をクリアしていく。そのために必要なことはなんでもする、地味なトレーニングもするし、本だっていくらでも読む。そんな貪欲さと地道な努力が勇者アバンの強さだと思います。

ダイは戦いの最中に覚醒して技を新たに打つことが多かったように感じますが、アバンは事前の修行のシーンがかなり多く、そのためにこの印象が強いのかもしれません。

もちろんアバン自身の実力も相当なものです。彼の祖父にあたるジニュアール1世はとんでもない天才であり、それがゆえに世間と距離を置く存在になってしまいました。そんな天才の血を引くアバンもまた、天才です。戦闘の能力だけでなく、頭脳もぴか一、アイテムを自身で作ったりなどまさに多芸です。

それでもダイの持つ力に比べれば人間の域を出ないでしょう。

 

しかしだからこそ、ダイとは違った勇者像が見れて面白いですね。

 

そして、努力の勇者だったからこそ、彼は勇者の家庭教師になれたのだと思います。

よく言うじゃないですか、勉強できる人はかえって人に教えるのは上手くないっていう。できる人はすんなり理解できたり感覚で理解できるから、同じように教えてもわかりづらいという。

その点アバン先生はたしかに天才ではありますが、頭で考え理論的に技を開発していたりするので、感覚ではなく順序だてた方針で教えることが出来ると思います。ダイが大地斬を会得したときなんていい例ですね。どうやったら大地斬を使えるかを解析したうえでダイに伝授していました。

獄炎を読んでいると、勇者アバンがアバン先生になるのも至極自然と納得しました。

 

アバンが勇者として魔王を倒したのちにダイが勇者となる。

この流れでなければダイの大冒険は成り立たなかったかもしれません。

もし逆だったら、竜の騎士の力を持つダイの戦い方はアバンには到底真似できず、結局自身の力のみで戦わなければいけません。

そして、勇者アバンがいなければダイはアバン流刀殺法を得られず、竜の騎士の力だけで戦うことになります。それはそれで強いでしょうが、限界はあったでしょう。

 

試行錯誤の努力の勇者がいたからこそ、竜の騎士の血を引く少年も勇者に成れたのだと思います。

 

タイプは違えど、二人がいなければ世界は救われなかったというのは間違いありませんね。

 

(文・やなぎアキ)

 

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