居酒屋好きですか?
私は好きです。
串焼きが特に好きです。あと白子の天ぷら。
居酒屋に限らずですけど、注文するときってなるべくメニュー名の通りに言いたいですよね。自分の勝手で省略して言ったりして伝わらなかったりすると普通に恥ずかしいので。
なのでお店側には、こちらが声に出して言いやすいような料理名を常にメニューにのっけていてほしいです。
なんてことを言った後になんですが、表題の通り「ドラクエのサブタイトルみたいな居酒屋メニュー名」を考えたいと思います。
まずはジャブから。居酒屋のジャブといえば、そうですね、サラダですね。
空と海と大地のブーケサラダ
おしゃれ。創作料理系の居酒屋に置いてありそうなメニュー。ちなみに繁華街なんかにある創作料理系の居酒屋はまぁまぁの確率で地雷なので気を付けてください。
空のものと海のものと大地のものが入ったサラダです。大地のものはもちろん野菜、海のものはサーモン、空のものはチキンに違いないです。サーモンとチキンが一緒に入っているサラダが美味しいのかはさておき、コンセプトとしては悪くないと思います。
ちなみになぜブーケサラダかというと、少しでも姫要素を残そうと思った結果です。あと最近ブーケサラダというものの存在を知ったからです。
さすがにドラクエのサブタイトルをまんま使っているなという気がするので、もう少し頑張ってひねってみます。
麻婆寄りのタニシ
なにそれ。
考えた本人がなにそれと言い出したら終わりなのですが、なにそれ。
タニシは巻貝なので貝料理です。居酒屋でタニシを食べるというのもなかなかの経験ですが。
それが、麻婆、いや、麻婆「寄り」?
麻婆ではないということ……?果たして一体何なのでしょう。辛いのでしょうか、餡のようになっているのでしょうか、ひき肉は入っているのでしょうか。まったくわかりません。麻婆とタニシという情報が入っているのに、「寄り」の一言のせいで完全に不透明な料理になってしまいました。
絶対頼みたくないです。
あと、言うまでもないですが「幻の大地」です。
居酒屋といえば唐揚げでしょう。唐揚げをドラクエのサブタイトルっぽいメニューにしてみます。
天つゆの唐揚げ
唐揚げの味付けに醤油などではなく天つゆを使っているんだなというのがわかる非常にわかりやすいメニュー名です。
が、しかし!ちょっと待ってください!これはつまり……
天空の花嫁か!?
はい。こういうことしだすと、なんだかハライチの漫才感が出てきますね。唐揚げの「あ」だけ母音が違うのが何とも惜しいですが、メニューとして普通に成立しそうなので妥協しました。これは分かる人にしか分からないドラクエオマージュです。ここまでくるとあまり面白さはないかもしれません。が、さきほどの謎のタニシ料理に比べたら全然頼めそうです。タニシのときだけ血迷ったんか。
さぁ宴もたけなわということでそろそろ〆に入りましょう。
すき焼きしその手も止めて
いつすき焼きしていたんだよというのはこの際置いておきましょう。
すき焼きの〆といえばうどんですね。でも正直すき焼きってかなりお腹いっぱいになるので、〆は特にいらないなぁと思ってしまいます。なのでうどんがあっても、最初はちょっとは食べるんですけど、だんだんその手も止まってくるよなぁという心情を表しています。
なのでこのメニューは多分うどんの量がすごい少ないんだと思います。そんなのメニュー名から全く伝わってこないので、多分ちゃんと注釈が書いてあります。普通の量を頼みたい場合は普通にうどんを頼んでください。普通のうどんは普通に「〆用のうどん」って書いてあります。
最後デザートも欠かせません。
そしてエンゼルへ
ドーナツです。ミストのエンゼルクリーム的なドーナツです。
飲んだ後にドーナツを食べるのもどうかと思いますが、諦めました。「そして」というのが最後感があって、デザートの名前としては最適だと思います。
ちなみに候補として「青森のライチ」というのもあったのですが、国産ライチは九州沖縄でしか栽培していないそうなので無理でした。むしろ「無謀な試み」という意味の慣用句っぽい感じがします、「青森のライチ」。
以上、ドラクエのサブタイトルみたいな居酒屋メニューでした。もっとうまく作れそうな気がしますが、どんどん沼にはまっていって何も思いつかない時間をただ過ごしているだけみたいになってしまったので、ここらでお開きです。一本締めでお開きです。
でもこういうのって、こっちがちゃんと「そしてエンゼルへ」って注文しても店員さんが「はい、エンゼルドーナツですね」とか言っちゃうんですよね。なんでだよ。
(文・やなぎアキ)
関連記事