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【ドラクエ4】トルネコが最後までいたのは馬車システムのせい

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ドラクエ4の導かれし者たちは、それぞれにデスピサロを倒すべき理由があり、そのため勇者と共に冒険をする。

あ、いや、待って。

倒すべき理由がないやつもいるんだったわ。

 

そうだね、トルネコだね。

 

トルネコは世界一の武器商人になるべく、愛する家族をエンドールに残し伝説の武器を探すべく旅に出る。

その持ち前の行動力と正義感が災いしてか、魔物に命を狙われるようになってしまったトルネコは、自身の作った船を自由に使ってもらう代わりに、大灯台で出会った勇者と行動を共にすることになる。

勇者といればいずれ伝説の武器にお目にかかることができるだろう。そのトルネコの算段は間違ってはいない。間違ってはいないし、一緒に冒険をする理由としてはかまわないだろう。利害の一致というやつだ。別にトルネコが戦闘面で役に立つというわけではなくても、船をくれたという点は間違いなくありがたい。

 

たとえ他の仲間たちの最終目的がデスピサロを倒すことであり、トルネコだけなんかちがったとしてもそれはそれで別にいい。

 

しかし、旅も終盤に差し掛かったころ、事態は変わる。

 

伝説の武器、天空の剣を手に入れてしまうのだ。これにて、トルネコの目的はほぼ達成である。

トルネコの真の目的は伝説の武器を手に入れ、それを店頭に並べること。この時点では剣は勇者の所有物となってしまうため完全に目的を達成できたわけではないが、ここまでの冒険で勇者たちはデスピサロを倒さなければいけない、そのためには天空の武器防具が必要なことはさすがのトルネコも理解しているだろうから、ここで剣を譲ってくれとは言わないだろう。

しかし、ここで勇者と「じゃあデスピサロ倒したら私に譲ってくださいよ」と念書なりを交わして離脱することはできただろう。トルネコは別にデスピサロを倒すこを目的としていない。何の因縁もないのだ。

 

しかし彼は一向に離脱しない。

別にさっさとご自慢の船に乗ってエンドールに帰ればいいのに。なんならキメラの翼でもいい。

ちなみに、船の所有者は、勇者がたとえ操縦していたとしてもトルネコである。リバーサイドでその旨をはっきりと伝えている(リメイク版の仲間会話にて)。つまり、トルネコがキメラの翼を使えば、船は彼についていくことになる。

なので、天空の剣を手に入れるまでは、船が必要である分トルネコがずっといてくれないと困るわけだ。ここまではトルネコが旅にいる大義名分が成り立つ。

 

しかし、天空の剣を手に入れた後は、本当にパーティーにいる意味がわからない。

船の問題にしても、天空の剣を手に入れるころには100%気球を手に入れているため、船はほとんど必要がないのだ。せいぜい滝の洞窟に入るときに必要なくらいだが、それも剣を手に入れる前にほぼほぼ攻略しているだろう。

剣を手に入れたら、船ももういらないのだ。

 

ぶっちゃけ本人も、なぜ自分がまだ旅を続けているのかわからなくなっている。

世界樹で剣を手に入れた時点では、剣はまだ本来の力を取り戻していないため大した武器ではなく、それはトルネコも見抜いている。しかしそんなことは一般人には知ったことではない。まさかその後マスタードラゴンから力を与えられて本来の剣に戻るなんてことは、トルネコは知る由もないのだから、そこで旅の目的は完全に達成していると言ってもいい。

たとえ大した剣ではなくても、それが店にあるというだけで箔がつくのは間違いない。世界に平和が戻ったら譲ってくださいと言えばいい。

 

だがそれができない。

 

それはなぜか。

 

馬車だ。

 

馬車システムだ。

 

馬車というのは、ドラクエ4から実装された乗り物で、最大で9人(ドラクエ4の場合)が一緒に移動することができる。

しかし、外に出ることが出来るのは一度に4人まで。それ以上は外に出ることは不可能……。

 

これだ。

 

これのせいだ。

 

たとえトルネコが家に帰りたくなってキメラの翼を無断で使ったとしても、馬車ごと移動してしまう。そして、エンドールにたどり着いても、町の中に入れる者は4人だけ。

 

考えてもみてほしい。

 

 

 

 

誰がこの時点になってトルネコをわざわざ馬車の外に出すような真似をするだろうか!?!?

 

 

 

 

いや、しない。

 

トルネコの策略でエンドールに急に飛び、じゃあせっかくだしエンドールに寄るか、と勇者が思ったとしても、そこでわざわざ入れ替えを行ってトルネコを外に出すような真似はしないだろう。

最初の頃であれば、勇者が気まぐれを起こしてトルネコを家族に会わせようとしたかもしれないが、旅も終盤に差し掛かったこの時にわざわざそのような酔狂なことをするか?しない。

ちょっと勇者が考えれば、ここでトルネコを外に出せば、目的を達成した彼は一目散に家に走っていき「私の冒険はここまでです」とか言ってくれたと思い至ったかもしれない。しかしそんなことはわざわざ考えない。

外に出させてもらえないトルネコが、エンドールの自宅に帰るすべなどないのだ……。

 

 

ちなみにエンドールについたときにトルネコが無理やり馬車の外に出るということはできない。勇者という絶対的命令者の指示なしで馬車の外に出るためには、外にいる4人全員が死ななければいけない。その制約は絶対なのだ。絶対だ。

トルネコが何かしら策略を練り、外にいる4人が死ぬようなことがあればもしかしたら旅を抜けられるかもしれない。ちなみにその4人の中に勇者がいない場合は、結局意味がない。勇者が死ぬこともマストである。

そんな無茶苦茶な条件を達成させるくらいなら、このままデスピサロ討伐についていった方がむしろ安全だろう。なんせ馬車の中は自分だけではない。屈強な戦士、有無を言わさず呪文を使いそうな老人、タロットで何を引くかわからない占い師、得体のしれない天空人(orドラゴン)がいるのだから、何か怪しい行動でもしようものならむしろ自分の命が危うい。

 

 

そういうわけで、トルネコは天空の剣を手に入れた後もパーティーに居続けるのだ。

 

 

他にも色々な説が考えられそうなので、今後もこの「トルネコ、なんでずっとパーティーにいるんだよ」問題は考えていきたい。

 

(文・やなぎアキ)

 

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