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【ダイの大冒険】ダイ大第五十四話感想!ダイのDはディーノのDだったんだね……。

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先週くらいから急激に寒くなってしまいましたね。

寒いのが苦手なので辛いです。

 

さぁ前回は、ハドラーがようやく因縁の対決をできるぞと意気揚々としていたところで、バーンが仕掛けた黒のコアとかいう嫌がらせにダイたちが気づいてしまい、思う存分戦えないわよ!というところで終わりました。

 

各話感想

アニメ『ダイの大冒険』各話感想 - DQフリ ドラクエファンサイト

 

では「ハドラー対バラン」いってみましょう。

 

 

親子竜の信頼

黒のコアをなんとか刺激しないように戦わなければいけないダイとバラン。しかし手加減をして勝てるほどハドラーは弱くはありません!

ダイとバランは竜の紋章の力でなんとかハドラーの攻撃をしのぎます。

全力で戦いたいハドラー的にも、この状況は好ましくないでしょう。めっちゃかわいそう。戦わせてあげたい……。

全力で戦えよとダイたちに説教をかますハドラー。

 

ダイはハドラーに黒のコアのことを教えようとしますが、バランがそれを止めます。もしもハドラーがそれに気づけば、バーンがそれを即座に爆発させるかもしれないからです。勝手にそのようなものを埋められたハドラーが謀反を起こすかもしれないから、と。つくづくバーンってやつは身勝手だなぁおい!これはバランの憶測でしかないけど、実際やりかねないもんなぁ!もしも黒のコアが爆発しても、竜闘気に身を包めば二人は助かるかもしれません。しかし地上で戦っているポップたちは?

バランはダイの仲間たちの身まで案じて、ハドラーに真実を告げることを止めます。まさかバランがポップたちのことまで考えているだなんて。本当にお父さんは悪いやつじゃないんですよ。たしかに地上にはかつての仲間のクロコダインもヒュンケルもいますしね……。

結局手出しができないダイとバラン……。

 

と思いきや、突如ギガデインを唱えギガブレイクのかまえを取るバラン!

だ、大丈夫なのですか、お父さん!

 

バランの策は、コアを爆発させないようハドラーの首を切り離すこと!そして、バーンがコアを爆発させるまでの一瞬の隙をついて、バランの竜闘気で爆発の威力を抑えるというものです!

しかし!それはいくらバランといえど危険すぎる策!ダイはそんなことは無茶だとバランを止めようとします。

 

ここでバランは、ダイに自分を信頼しているか、と問います。突然の問いに戸惑いながらも、強さだけでいえば誰よりもと返すダイ。そしてバランもまた、ダイの強さを信頼しています。強さだけとは言っているものの、恐らくはもうだいぶ全面的に信頼しているのではないでしょうか。そこはまぁ、意固地になりまくった父子なので素直になれないのでしょう。特にバランの方はかなり信頼しているんでしょうね。相手のことを信頼していないと、自分を信頼しているかなんて問い出てこないと思うんですよ。自分の命を張ってハドラーの強さを示してくれたダイを信頼するのは当然だとは思いますが、死闘を繰り広げた二人からは想像もできません。

 

お互いがお互いの強さを信頼している、それでも、今ここでハドラーを仕留め黒のコアの爆発を抑えることはバランにしかできません。

バランを信頼し、地上の仲間たちを助けることがダイの使命。そして、その後バーンを倒すことを、バランはダイに託します。

バランが死の大地にたどり着いたときには、自身の手でバーンを倒したいと思っていたはずです。自身の目的のためにバーンを倒すと。しかし、バランはここで、ダイが、ダイとダイの仲間たちのためにバーンを倒すことを願ったのです。たとえ自分の命がここで散ってしまうことになろうとも。

 

そしてハドラーとバランは必殺の一撃を放つため気をためます。強者と強者の戦い、勝負は一撃で決まります。

ダイはまだ迷います、自分の竜闘気を使うことでコアの爆発をより抑えられるのではないかと。それをバランは止めます。自分の強さを信頼しているのではないか、と。

その一言にダイは覚悟を決めます。

 

絶対に失敗しないでね

と願うダイに、

絶対に大丈夫だ

と答えるバランの背中は、まぎれもなく父のものでした。息子を守り、未来へ託すために命を賭して戦う、父の背中そのものでした。

 

 

死神の呪い

ハドラーの超魔爆炎覇を一瞬の機転でかわしたバランは、渾身のギガブレイクをハドラーに喰らわせます。

切った!

 

いや!!切れない!!真魔剛竜剣をもってして、なぜ切れない!!

 

もちろんこの隙をハドラーが見逃すわけがない!その鋭い爪をバランの胸に突き刺そうとしたそのとき!

間に割り込んだのは!!

 

ダイだーーーーーーー!!!!!!

 

 

いや、全然地上のポップたち助けに行かないですじゃん……と思いましたが、ダイにとってはポップたちと同じくらいバランのことも心配だったのでしょう。一時共闘しているだけの間柄なんかではもうないのです。その身を挺して致命傷を負うに値する仲間、そして父なのです。

親が子をかばう、師が弟子をかばうというシーンはよくありますが、子が親をかばうというのはなかなか心に来ますね。

ハドラーの爪が深く体に食い込んだダイは、そのまま力なく落ちていきます。それを見たバランは思わず叫びます。ダイの本当の名を……。その名を呼ぶのは、愛するソフィアの忘れ形見、愛しい我が子が傷ついたからです。勇者ダイではなく、愛息子ディーノだからです。

 

ハドラーを一蹴し、急ぎダイのもとへ駆け寄るバラン。トランクスを殺されてぶちぎれたベジータみたいですね。

ダイの傷は命に関わるほど深く、我を忘れてディーノの名を呼ぶバラン。ダイに回復呪文を唱えるバラン。

 

ハドラーは、なぜ自分が無事なのか納得がいかない様子。

そこに現れたのは、なんとキルバーン!バランが倒したはずのキルバーンは、やはりピロロによって生き返っていたのです!

キルバーンが言うには、自分の体に流れている血液は魔界のマグマと同じ成分。その体を真魔剛竜剣で切った時、その刃は腐食し切れ味が半減していたということです。それでもさすが真魔剛竜剣、オリハルコンの体のフェンブレンを傷つけることはできました。しかし、ハドラーほどの強靭な肉体にはかなわなかったというわけです。

恐るべし死神の力。死してなお、相手を苦しめるとは(生き返ってるし)。

さらにはハドラーの傷を治すピロロ。ピロロさぁ、OPの映像的になんかちょっと怪しいんだよねぇ。戦いが激化してきたときに急にものすごい化け物になったりしたらどうしよう、泣くかも。でも何かが判明するまでは一旦何もわからないままでいます。

キルバーンとピロロはハドラーの体に黒のコアが仕掛けられていることを知っているようで、巻き添えを喰らわないようすぐ姿を消します。ミストバーンも知らなかったのに、こいつらは知っているんだ?それとも、彼らもハドラーの傷からのぞくコアを見て知ったのでしょうか。いつも余裕綽々な二人も、うろたえたりしたんですかね?

 

ふたたびハドラーはバランへ攻撃を仕掛けようとします。しかし、バランは現在ダイの治療中です。この手を離せばダイは死んでしまうかもしれません。それを待つほどハドラーにも余裕はない!コムギを治療していたネフェルピトーもこんな気持ちだったのか!?

ダイはバランに戦うよう促しますが、そこに情け容赦なくイオナズンを放つハドラー!

 

やめろ!戦えないバランに勝ってお前は何が嬉しいんだ!

ハドラー!お前さっきから、自分の力で戦えてないんだぞ!黒のコアとか、キルバーンとか、外野からの邪魔ばっかりだ!それでも胸を張って武人と名乗れるのか!!

 

 

おやすみディーノ

ハドラーのイオナズンを防いだのは、ダイの竜闘気でした。死ぬかもしれない傷を負いながら、それでも父を守ろうとするダイ。

かばいあって遠慮しながら戦うことはもういやだ。親子なんだから、心と力を合わせて戦おうと懇願するダイ。父が死ぬ寸前になって、ようやく自分の気持ちに素直になれたダイ。親子であることを認め、力だけではなく心も合わせることを欲するダイ。二人が力を合わせることで生まれる新しい力を求めて、たとえ立ち上がることすらままならなくても戦おうとするダイの後ろ姿に、バランも覚悟を決めます。

 

バランはダイになにか呪文を使うと、ダイという名は誰がつけてくれたのか聞きます。

 

それは、デルムリン島に流れ着いた赤子を拾ったブラスが、ゆりかごにかろうじて書かれていた「D」の文字からつけたもの。本当の親が付けた名前の、頭文字だけでも一緒にという、ブラスの願いでした。ダイにとっては、ダイという名前だけが大事だったかもしれません。しかし、その名前は、ダイを育て上げたブラスが、ダイの本当の親がつけてくれた本当の名前も大事にしようと考えてつけた名前だったのです。両親を知らずに育ったダイにも、ちゃんと両親がいたことを忘れないための、そしてダイの両親が名前に込めた願いを、少しでも受け継ぐための、それがブラスの最初の親心だったのでしょう。

ダイの両親、バランとソアラが息子に込めた願いは、「強き竜」。それがディーノなのです。ダイという名で生きる息子に、少しでもそのことを覚えていてほしいとバランは頼みます。一時は殺そうとまでした息子、でも、ディーノという名前は愛を持って与えたのですから。自分勝手に呼んだわけではないのですから。

 

バランにかけられた呪文は、ラリホーマでした。朦朧とする意識の中で、ダイはバランにすがりつきながらアバン先生のことを思い出します。いつだって、力になりたいという大人に助けられてばかりのダイ。

バランはアバン先生の話を聞き、自分にも最後の最後で人間らしい感情が芽生えたのかもしれない、と笑います。それを聞いたダイは、これが最後なんて嫌だ……と涙を流しながらも、バランの腕の中で眠りにつきます。

息子の寝顔を見ながらバランが思い出したのは、過ぎ去った幸せな思い出。泣いてばかりで眠ろうとしないディーノを必死であやすバランと、あっという間に寝かしつけてしまうソアラ。 

かつて、いつまでたっても寝かしつけるのが下手だとソアラに言われたバランは、今だって下手なままです。

下手なままでも、息子を守ることはできるはずです。バランがやるべきことは、息子を未来へと活かすことです。

 

そして、ようやくハドラーと対峙するバラン。

 

ここまでのやり取りをただじっと見ていただけのハドラー。普通だったらここで、「いやよく敵が待っていたな!」と思いそうですが、そこはダイ大。バランとダイの関係性を知っており、武人として正々堂々と戦いたいハドラーだからこそ、ここは黙って待っていたことに説得力が出ます。自分の力に自信があるからこそ、息子との最後の別れくらいさせてやろう、という気概だったのでしょう。

 

そしてバランは、ハドラーを絶対に倒すためにその姿を変えます。

そう人間を憎んだ果てに、人間の姿を捨てて魔獣と化したあの最強の姿。竜魔人!

人間を憎み息子すらも殺そうとしたその姿を、人間の心を取り戻し愛する息子を守りたい今、ダイには見せたくなかったからこそ、バランはダイを深い眠りにつかせたのでした。

 

ザボエラが求めた超魔生物の理想の姿、それが竜魔人と言っても過言ではありません。

その強さはさすがといったところで、いきなりハドラーに重い一撃を喰らわせます。

ここの「死ねハドラー」の重みがすごすぎる……。竜魔人になって性格が狂暴になったというのもありそうですが、それは以前ダイと戦った時とはまた違う感じがします。守るべきものがいるからこその、あの一言だと感じました。

 

 

ようやく父を想う息子、そして息子を想う父の気持ちが通じ合ったと言える回でしたね。戦いの中でしかわかりあえなかったというのが切ないですし、失った親子の時間を、たったこれだけで取り戻せたとは思えません。

だけども、バランがダイという名に愛を感じ、ダイもまたディーノという名に刻まれた愛を知れただけでも、よかったなと涙しました。

 

(文・やなぎアキ)

 

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