ドラクエ1を初プレイしたときの思い出として、めちゃくちゃ強敵だったなぁと思い出すのは私の場合キメラ系である。
キメラ、メイジキメラ、スターキメラ。
攻撃力の高さ、ベホイミやラリホーというめんどくさい魔法。
メルキドに向かう途中で、ものすごいスピードで次のレベルのキメラが出てくるのも意味がわからない。
キメラという強い敵が出てきてびっくりし、そのままメイジキメラが出てきてびっくりし、などと言っているうちにもうスターキメラが出てくる。スターキメラ、強すぎ。
地形の複雑さも相まって、トラウマレベル。
というのが、幼き頃のドラクエ1強敵モンスターである。
別に今も変わらない。むしろそういう思い出があるせいで、恐らく一生ぬぐえない。
しかし今はあの頃とは違う。
魔法の有用性を知っている。
昔はそれはもう攻撃攻撃&攻撃で、MPはホイミやベホイミを使うためのものだった。あとはルーラとリレミト。
ラリホーやマホトーンがどうしたよという感じだ。それのせいでドラクエ1でもその後の作品でも無駄に苦労することになるのだが。
そして今、ドラクエ1ではめちゃくちゃに雑魚敵にラリホーが効くことを知っている。
そのため、キメラだろうがスターキメラだろうが、眠らせてしまえばどうということはない!あとは攻撃を当てるのみだ!という無双状態になったのだ!
ふはははは!
幼少期のトラウマを克服したぞ!
やぁ
どうも新たなトラウマです。
この年になってドラクエ1にトラウマができました。
こいつ!!!
そう!
こいつの存在忘れてた!
こいつ!
異常な回避率を誇るこいつ!!!
攻撃を当てれば別にすぐ倒せるのに、当たらない!
しかもこいつの攻撃力がとんでもない!
それなりに防具を固めてもけっこうダメージを食らう。
こっちの攻撃は当たらないのに、向こうの攻撃はちゃんと当たる!なんなんだよ!
しかし、私はもうただ物理でなぐるだけの子供ではない。
攻撃が当たらないのなら呪文を唱えればいいのさ。
と思いギラを唱えるも……
当たらない時、ある。
なんなんだよ。攻撃が当たらないやつには呪文!呪文がきかないやつには攻撃!それでいいじゃない!なんなの、なんなのよ!
と試行錯誤しているうちにもどんどん凶悪な攻撃力で削られていく勇者。
しかし!私にはまだ策がある!!
天下のラリホーだ!!!
まぁまぁ効かない。
FC版に比べるとリメイクは一応効きやすくなっているらしいが、あの攻撃力でそれなりに失敗するというのであれば無意味も同じ。そこにギャンブル性を見出してはいけない。
攻撃もギラもラリホーもだめ、マホトーンなんて使ったって意味ないし、ベホイミを覚えるレベル17までまだほど遠い。ホイミで回復して攻撃を受けてホイミで回復して、ゆっくりと死んでいく勇者。
これはもう逃げるしかない!!!
でも回り込んでくる!!!!
もう……
なんなんだよ!!!!
幼少期のころとは違ったこの感覚。
できうることを全て試してなお無駄だったことが分かってしまったせいで、むしろ今の方がダメージがでかい。
年月をもってしても勝てない相手というのはいるのだ。
そうはいってもなんとか倒すことはできる。回避率が高かろうが、攻撃さえ当たれば勝てるのだ。
しかし、倒してもなおトラウマを植え付けてくるのがかげのきし。
幼少期のころはぶっちゃけ経験値がいくつということに興味がなくて、せいぜいメタルスライムを倒すとラッキーくらいの認識しかなかった。
しかし今はそうもいかない。経験値の高めな敵をどうせなら倒したい。
なのにこいつの保有している経験値……
90
いや、苦労の割にすっくね!!!!
死ぬ思いして倒したのに、すっくね!!!
それなら同じ地域に出現する経験値70程度のしりょうを倒した方がリスク考えたうえで絶対にお得だわ!!
なんなんだよもう!!!
そういう理不尽さのあるドラクエ1、好きヨ!!
(文・やなぎアキ)
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