ヒャドはヒヤヒヤで
バギはバギバギで
イオはイオイオで……
イオは違うな？
バギがバギバギはちょっと意味が分からないが、要は竜巻で木々などがバギっとなるイメージからというわけで、他の呪文たちと同じような名づけ方である。
ヒャドも厳密には「冷やっこい」などの「冷や」からきているのだろうが、「ひやひや」という言い方もあるのだから似たようなものだ。
しかしイオはどうだ！
イオイオってなんだ！
メラギラヒャドバギイオといえば、ドラクエの攻撃呪文を背負って立つ5大呪文（今勝手に考えた）。デインやドルマなど他にも攻撃呪文はあるが、この5つの呪文は基本中の基本だ。デイン系は基本的に勇者しか使えないし、ドルマなど他の攻撃呪文は比較的最近登場した呪文だからだ（今勝手に定義を決めた）。
その5大呪文、みんな擬音からつけられているっぽいのに、イオはどうしたんだ！
イオって擬音あるか！いやない！
シンプルに語源を考えると、パッと思いつくのは木星の衛星イオ。火山活動が活発なため、なんとなくしっくりとくる。
が、ドラクエで初登場したイオ系の呪文はイオではない。イオナズンだ。ということで他の説としてイオナイズ（ionize）が語源というものがあった。意味は「電離する」「イオン化する」で、化学反応によって爆発を起こすイメージでは？というのが散見された。化学よくわからないけどそういうことらしい。
いや、急に名づけ方賢いな！！！！
衛星イオであってもイオナイズ（ionize）であっても賢いな！
メラとヒャドはドラクエ3で初登場をしたわけだが、こいつらはギラ先輩と同様「メラメラ」とか「ひやひや」とかそんな感じで名付けられてしまった。
そして先行して登場していたイオナズンから、基本呪文としてイオが誕生したのもドラクエ3。ここにメラギラヒャドバギイオの5大呪文がそろったわけだが……
しれっとイオが自分も擬音から生まれましたが？みたいな顔をしているのがもう小憎らしい！
メラとヒャドと肩を組みながら、これから俺たちもよろしくな！とか言ってんのよこいつは絶対、ギラ先輩とバギ先輩も苦笑いよ。というかバギ先輩に関しては、イオナズンが同期だからさらに複雑な感情よね。自分よりはるかに格上のイオナズンと一緒に登場したかと思ったら、次の作品で急に自分と同じレベルのイオが登場してきてね、もう扱いどうしたらいいかわからないっすよ。しかも語源かっこいいし。
最上位呪文が先行したがゆえに、同じ基本呪文のはずなのにメラたちとは一線を画しているんだよ。
なんかこいつだけ名前かっこよくないです？ああ、イオナズンがいるからか、ああ……みたいな。多分イオもね、いきなりイオナズンじゃなくて、他の子たちと同じように基本呪文から登場していればみんなみたいな名前を付けられたと思うだけどね。パチパチ爆発するからパチとかね。驚くほどダサいけど。
これはもうメラたちの嫉妬の顔が浮かぶよね。
しかもこいつだけ全体攻撃だしね！！
めちゃくちゃ優遇！めちゃくちゃ優遇だよ！
見てみ？最古参なのにドラクエ9でリストラされたギラ先輩の顔見てみ？しかもあの人だけ最上位呪文（ベギラゴンにしてもギラグレイドにしても）になっても攻撃範囲がグループだから。かたや最初から全体攻撃イオですよ。
もうこうなってくると、イオだけもしかしてはぶられてるんじゃないかとかよくわからない心配し始めちゃうよね。出る杭は打たれるみたいなね。
でもイオは優秀な呪文だから、そんなこと全然問題なしなんだよ。
ここまできて、なぜ呪文をいつのまにか擬人化しているんだ？と冷静になった。
何が言いたいかって、イオだけ他と名前の付け方が違うのに、そんなことを思わせないほどなじんでいるなぁということである。
メラやギラと聞くと擬音だと思わずに呪文だと思ってしまう、それと同じくらいイオも多分メラとかと同じ感じで名付けられたんだろうなと思ってしまう。
だから結局5大呪文は仲良くやっているのだろう。
（文・鎖骨戦士ヤマネ）
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