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【ドラクエ7】キーファのことはもっと尊敬してもいい

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毎度毎度いじり倒されているドラクエ7の名キャラ、キーファ。

いかにもメインキャラですのでずっとパーティーにいますという面をしているのに、結構序盤に抜けてしまうということで、種を与えていようが与えていまいが多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた、種だけに。

しかし、彼の生き方それ自体から学べることもある。

 

今回はいつものようにキーファをいじるのではなく、ちゃんと真面目に語っていく。

 

よく考えたらキーファってすごいやつなんだ。

 

好奇心に忠実

ドラクエ7の旅の始まりはキーファの好奇心から始まる。世界に一つしかない島、そんなわけがない、世界はもっと広いはずだ、そう信じて疑わないキーファが冒険への扉を開いた。主人公もまた好奇心からキーファと行動を共にしていたが、主体的に行動していたのはキーファの方だろう。

その結果、世界を元の形に戻すことができたのだ。

結果論になってしまうが、彼の好奇心のおかげで世界中が救われたのである。途中で抜けてしまったのは確かだが、彼がきっかけを与えなければ世界にはエスタード島しかないままだっただろう。

 現状を打破するよりも維持する方が楽だったりする。特に問題が起こっていないならなおさら維持の方がいいだろう。それを、好奇心という引き金でもって打ち破るというのには相当な労力がいるはずだ。しかし、有り余る好奇心でそれをやすやすと越えて見せた彼のことは、素直にすごいと思う。若さで解決するほど簡単なことではない。

 

周囲から愛される

キーファはその離脱の仕方から一部のプレイヤーから愛されるべきネタキャラとして時に厳しく時に優しく(優しくはないか)追求されがちであるが、ゲーム内ではなかなか人望がある。いや、これもまた純粋な人望とはいえないかもしれないが、少なくとも彼を嫌っている人はエスタード島にほぼいないと言ってもいいだろう。

城を抜け出し王位を継ぐ気が全く感じられない困った王子。

しかし島の人たちはそんなキーファが好きなのだ。困った王子、でも彼が王子でいるからこその意味があったのだろう。

一国の王子が城の外でのびのびと遊べることが、何よりも今平和であることの証明であっただろうし、王族なのに親しみやすいというのはある意味王位を継いだあとも国民に寄り添った政ができるだろうという安心感が生まれる。

 彼が島中を駆け回り、兵士たちが困ったように彼を探し、王様はどうやらそれに悩んでいるらしい。そんな光景が国民にとっての平和な日常であったのだ。キーファこそがエスタードの平和の象徴だったのかもしれない。

だからこそ、彼がユバールに残りもう二度と現代に帰ってこなくなったとき、城下の人々は何か物足りないような、物悲しいような、心にぽっかり穴が空いたような、そんな気持ちを覚えるのだ。象徴はそこにあって当たり前のものであり、それが急になくなった時の彼らの戸惑いは、明らかに兄を失ったリーサ姫とも仲間を失った我々プレイヤーとも違う、ぼんやりとした、しかしはっきりと無視できないほどものだっただろう。

そして気づくのだろう、困った王子キーファのことをどれだけ愛していたのかを。

 

 

やりたいことは自分で見つける

ご存知の通りキーファはユバールにて自分のやりたいこと&好きな人を見つけたことによってパーティーを離脱する。急に戦力が低下してしまうこともさることながら、バーンズ王やリーサ姫への報告を全部こちらに丸投げされたことがかなりの怒りポイントである。

しかし、キーファ自身そこに葛藤が全くなかったわけでもないだろう。リーサ姫のことはキーファだって大事に思っていたのは事実だ。

ただ、それを押しつぶしてでも通したいやりたいことが彼にできたのだ。その点については素直にキーファを尊敬できる。

いくら王位を継ぐのが嫌だからと言っても、生まれたころから決定づけられた運命を自らの手で変えることは勇気がいることだ。またそれは自分自身の問題だけではない。それこそ家族もそうだし、一緒に旅をしてきた主人公たち、今まさに復活させている世界の姿、これらを捨ててでもやり遂げたいことを、まず見つけたというのがすごい。

別に彼は自由になりたかったわけでもない。ユバールの民の守り手というのは下手したら王になることよりもがんじがらめの生活を強いられるだろう。それでも彼は、自身の使命を感じ、これまでの地位や絆を捨てたのだ。いい加減な、行き当たりばったりな性格ではできない決断だ。仮に彼が王子でなくとも同じ道を歩んだだろう。ただ王になりたくないというわけではない、ユバールの守り手それこそがやりたいことだったのだ。やりたいことを、使命を見つけたのに、それを諦めて与えられた役割を全うすること、それが彼には我慢ならなかったのだろう。何か使命があるような主人公に対抗したとか、そういう簡単なことでもない。彼自身の強い意思こそが、彼をその道に行かせたのだ。

メインキャラなのに永久離脱、しかも二度と会えない。ドラクエでは異質なこの行動は、キーファほどの決意がないと成し遂げられないものなのだろう。そう考えると、彼に敬意を表したい。

 

 

でもパッケージのキャラデザは未だにあんまり納得いってないんだよね。

 

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(文・やなぎアキ)

 

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