ひとたび名を出せば本気にしろネタにしろ恨みつらみが並べられるくらいにはドラクエ7の戦犯的扱いになっているキーファ。だが、なにか少しでも工夫があれば今のような扱いは逃れられたのではないだろうか。
今回は、どうすればキーファは愛されるのかを考えてみたい。
1.早い段階からパーティー離脱することを仄めかしておく
キーファがそもそもなぜこんなにも嫌われている(そしてそれは好かれているということでもある)のかといえば、唐突なパーティー離脱のせいだ。
本人としては常に王子である自らの立場を窮屈に思い、きっかけがあればいつだって自分の道を歩みたいと思っていたことだろうが、こちらからしてみれば唐突すぎる。
ユバールの地での冒険、もしくはその前の王様とのある程度の和解からなんとなく
「こいつ、もしかしてパーティーから抜ける?」
と思わせては来るが、それじゃ遅すぎる。
もっと早いうちから教えてくれればこんなにもダメージを受けなくて済んだのだ。ああ、この人は離脱するんだ。そう思えばそれ相応の愛し方ができるってものさ。
たとえば最初の最初、謎の神殿を探検しているときから
「誰もおれの知らない土地に行って、一人でやり直したい」
みたいなことをしきりに言っていてほしかった。スタンド・バイ・ミーみたいに。
父親の跡を継いで王様になるなんていやだ、じゃ足りない。それだと、じゃあずっと僕らと一緒に旅をして、でもそのうち王族としての自覚が芽生えるかもな、と思いかねない。
「おれ、お前らとずっと一緒に旅を続ける気はない」
「第二の人生を歩みたい」
「なんなら過去の世界に居残っていたい」
これくらい言ってくれ。そうしたら、こんな責任感ないやつに種をあげようという気も、我々は起きないから。
2.せめて自分でお別れを言う
キーファ離脱ヘイトは、戦力低下やタネ泥棒などの理由があるが、忘れてはいけないのがグランエスタードの人たちのことだ。
キーファの身勝手な理由によるパーティー離脱、それを王様やリーサ姫に説明するのは主人公たちである。なぜに我々が王様の悲しむ姿やリーサ姫の取り乱している姿を見なければならないのだ。
勝手だ。勝手すぎる。自分たちが責められているようでいたたまれない。
せめて自分でお別れを言ってくれ。一旦渦に飛び込んで、お別れを言ってからまたユバールの元に帰ってくれ。
そこで王様たちに引き留められて振りほどけないのであれば、キーファの決心などその程度のものだし、もし再び渦に飛び込んでユバールの民たちがすでにテント地を引き払って出発したあとだったとしても知らん。
キーファの離脱を許すんだから、これくらいのこちらの身勝手さも許してくれ。
お前の身勝手とこちらの身勝手で相殺させておくれ。
3.腕を組まない
公式イラストのキーファが腕を組んでいるやつ。
ものすごく高圧的な感じがして、なんだかむかつきを覚える。
腕を組んでいるからよくない。腕を組むのをやめればましになるはず。
リメイクではずいぶんましになったが、それでもキーファと言えば真っ先にこのイラストが思いつくので腕を組むのをやめた方がいい。
4.美少女になる
極論これ。
キーファが美少女だったらいきなり離脱しても許せる。
美少女だから。
種全部食われても許せる。
美少女だから。
結論。
キーファは美少女じゃなかったからよくなかった。
だが、キーファのことをここまで色々考えるというのは、むしろキーファのことがものすごく好きなんじゃないかという気がしてきた。キーファはそのままで十分愛されキャラなのでは……?
(文・やなぎアキ)
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