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【ドラクエ11】ドラクエ11の新しいなと思ったところ。

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2017年、ドラクエ11が発売されました。

ドラクエ10の発売が2012年なのでナンバリング作品としては5年ぶり。ドラクエ10はオンラインゲームだったため、ドラクエ9で一度プレイをやめていた人にとっては8年ぶりのナンバリング作品でした。

 

その期間を経て発売されたドラクエ11は、様々な点でいつものドラクエらしさを感じさせてくれ、月日がたってもドラクエはドラクエであると思わせてくれました。

また、それとは別に新しさを感じる部分もありました。

今回はドラクエ11をプレイしていて「今までのドラクエとは違うな」と思った部分を書いていきたいと思います。

あくまでもドラクエ作品の話であり、他作品からしたら新しくもないことがあることはご留意ください。またネタバレがあります

 

 

容赦のないストーリー

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ドラクエは他のRPGに比べると陰惨な空気漂うストーリーというのはあまりありません。ドラクエ4の冒頭やドラクエ7の過去世界など、確かに過去にも陰惨なストーリーはありましたが、ドラクエ11のそれは他とは違いました。

勇者の目の前で崩壊し行く世界。それをまざまざと見せたのです。

 

特に特筆すべきは、仲間の離脱。

 

今までのようなゲスト的な仲間、NPC的な仲間ではなく、完全なるメインキャラが離脱します。それも死という形でもって。ドラクエ7のキーファとは全く違います。

 

これはゲームとしてみればとくに珍しいことではありません。メインキャラが死ぬことで離脱するというのは、もう何年も何年も前からある手法です。

しかしそれをドラクエはやってこなかったのです。

他のゲームが当たり前のようにやっているのにドラクエはやらない。これは大きいです。

これにより、「ドラクエではメインキャラが死ぬことはない」という固定観念が我々の中で生まれていたのです。だからこそ、これまでのドラクエをプレイしていた人ほどそのイベントが発生したときに「そんなはずはない、どこかで生き返るだろう」と楽観視し、その後大きく落とされることになったのです。

 

これまでのドラクエの実績があるからこそ、ここにきてあのイベントは私たちに大きな傷を残しました。

 

勇者が無力

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ドラクエ11は久しぶりに勇者が主人公の物語でした。勇者が主人公というのはドラクエ4が最後で、また勇者という存在が公にあるのはドラクエ5が最後でした。それ以降は職業としての勇者があったりはしますが、直接的に勇者が登場することはありませんでした。つまり原点回帰です。

 

そんな満を持して登場した勇者でしたが、歴代ドラクエの勇者に比べると非常に無力です。

今までの勇者は力の限り大切な人を、世界を守ってくれるような存在であり、最終的には世界を救ってくれます。

しかしドラクエ11の勇者はむしろ誰かに守ってもらうような、そんな存在です。さらには無力です。

自らの目の前で仲間を失い、世界は崩れていくのです。それを止めることができなかった。それがドラクエ11の勇者です。

 

例えばドラクエ4で故郷が燃やされるのは、あの時点では勇者はレベル1、つまりはまだまだ何の力もない青年だったからです。ドラクエ7の現代で神に化けた魔王が世界を闇に閉ざすのにしたって、その場に主人公たちはいませんでした(7主人公はそもそも明確には勇者ではない)。

しかしドラクエ11の勇者は、ある程度レベルも上がっておりいくつもの冒険を経ていた。それにも関わらず眼前で多くのものを魔王に奪われるのです。

レベル1だったら「自分にはまだ力がなかったから」と、自分の見ていないところであれば「自分がいればこんなことには」と、ある種言い訳ができます。しかしそのどちらもかなわず、ただひたすらに「勇者であっても無力だ」と思わせたのです。

 

今までのドラクエにはない展開。主人公の目の前で絶望をたたきつけるストーリー展開は、今までのドラクエにあったようでなかった展開です。

 

 

裏ダンジョンなどではなく正規ストーリー

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ドラクエはクリアすると大体裏ダンジョンが出現します。その先に裏ボスがいて真エンディングが見えたり、追加ストーリーがあったりするわけですが、あくまでも裏ダンジョン、裏ボスです。

しかしドラクエ11ではそうではありませんでした。

 たしかにドラクエ3でも、魔王バラモスを倒してエンディングか?と思わせたところでゾーマが出現するわけですが、ドラクエ11はさらに上を行きます。

 

がっつりエンディングが入ります。

がっつり世界に平和を取り戻します。

 

一旦ここで旅をやめとくかぁと思わせるくらいにはがっつり幕を閉じます。

 

そこまでのエンディングを見せたものだから、ドラクエプレイヤーとしては「こっからは裏ダンジョンだろうな」と思いたいところです。

しかしドラクエ11は違います。ここからさらにストーリーが続くのです。

 

似たような感じだと、リメイク版のドラクエ4があります。こちらもすべてが終わった後にストーリーが展開します。

しかしドラクエ11は違います。次元が違います。

 

むしろここから先が本編。タイトル回収。無力だった勇者はもういない。すべて救うぜ。熱い。熱すぎる。

 

 

これはドラクエに新たな風を吹き込みました。世界に平和を取り戻すという目的を達成してなお続く旅路。

正直、これまで世界に平和を取り戻してエンディングを迎えたとしても電源を入れなおせばまた魔王がいる世界に戻されてしまい、なんだかむなしい気持ちになっていました。

それが、電源を入れても平和な世界。これは衝撃でした。

 

まぁさすがにニズゼルファ倒しても、そこはやっぱり電源入れなおしたら倒してない状態に戻るんですけど。

 

 

全方位に向けた作品 

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 ドラクエ11が新しく行ってくれた試みの最後はこれでしょう。

2017年、ドラクエ11はPS4と3DSで発売されました。

PS4ではそのスペックをいかし、美しい風景と臨場感ある戦闘、そして表情豊かなキャラクターたちが織り成す美麗CGによるストーリーを見せてくれました。

これは新しいゲームを、新しいドラクエを求める気持ちに合致します。

3DSでは3Dモードと2Dモードが選べます。

3DモードではPS4版とは違った携帯ゲーム機ならではの手軽さと、3D造形のストーリーを楽しむことができるいわばいいとこどり。

2Dモードでは往年のドラクエのようにドット絵でプレイすることができ、あの頃のドラクエを、新しいストーリーで楽しみたい、という層を満足させることができました。

 

さらには、2019年に発売されたドラクエ11S。発売から2年ほどでもうリメイクを発売するのかと思いましたが、そこにはさらに追加要素が。

Switchでの発売、これにより据え置きでも携帯でも遊べるようになり様々なプレイスタイルを可能に。

そしてボイスをつけることにより、ボイスありじゃないとイマイチ感情移入ができない、という層も取り込むことができました。

 

往年のドラクエをプレイしたい層から、新しいものを求める層まで、幅広く門戸を開くことに成功したドラクエ11は、昔ながらという形を受け継ぎつつ新しいゲームでもあったと思います。

 

 

(文・やなぎアキ)

 

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