世の中にはたくさんのRPGがあり、それぞれに個性があります。
ではドラクエは一体どのような個性があるでしょうか?
どれだけ進化しても変わらないターン制バトル?それもあるでしょう。キャラデザインもあげられますね。
しかし、私は思いました。
ドラクエ……
やさしい!!
『Moon』や『アンダーテイル』のようなやさしさではなく、フィールドやダンジョンが優しいのです!
RPGによくあるじゃないですか、フィールドやダンジョンのギミックって。
これはグラフィックの向上と共に続々と増えてきたと思うのですが、ファミコン時代からもあります(FFの隠し通路など)。
これらはRPGの特徴である「探索」を大いに盛り上げてくれるものです。あそこに宝箱がある!どうやって取るんだろう?と試行錯誤したりするのは楽しいですよね。
しかししかし!!中には、今は行けない場所というものもあります。どれだけその時点で頭をひねらせたとしても絶対にいけない場所。ストーリーを進めるうちに道が開けたり、覚えた技で道を開いたり。
パッと見た目で「あ、こいつぁ今は行けないわ」とわかるものであればいいのですが、「頑張れば行けるのでは?」というものだとなかなか諦めがつかないですよね。目の前に宝箱があるのに!?!?!今、あきらめろと!?!?いや頑張れば行けるでしょ!?もうだめ!気になるの!どうしてもあそこにある宝箱の中身が気になるの!
特にアクション要素があるRPGだと顕著ですね(キングダムハーツとか)。己のジャンプがいけないんじゃないか、他にルートがあるのではないかと思います。
でもそういう今は行けない場所があるってわかっているならすぐ諦めてまた来ればいいじゃん、と思うでしょう?
忘れるんですねぇ!!!スルーした今は行けない場所、その後そんな場所があったことも忘れるんですねぇ!
あと、
実は今は行けない場所に見せかけた、今行ける場所もたまにあるんですよねぇ!
自分のただの見落としとか、思い付きが足りなかったりとか、単純にテクニックが足りないとかで、「はは~ん、これ今は行けない場所なのね」としたり顔であとにする自分。はずかしっ。
というのもRPGの醍醐味ですが。楽しいですし、実際。
しかし私のように気になって気になってしょうがないうえに、忘れっぽいプレイヤーにはなかなか難しいものがあります。
気になるからと言ってそこで攻略サイト等を見るのは言語道断。己の力で道を切り開いてこそRPG。
そこにきてのドラクエ!!
ドラクエはそういった気になる場所にある宝箱というのはほとんどありません。あっても、鍵のついた扉の向こう側だったりします。
し、し、し、親切~~~。
見た目ですぐわかります。しかもドラクエは大体「盗賊のカギ」「魔法のカギ」「最後のカギ」が主流です。そしてドラクエプレイヤーであれば、扉のデザインを見るだけで「あ~はいはい、これは魔法のカギで開くやつですね」とすぐわかります。ユーザーインターフェースが優秀ですね。
お、宝箱。
でも扉の向こうだ。
これは鉄格子だ。
ということは最後のカギだ。
なので終盤まで関係ないな。
行こう。
宝箱発見からここまで0.5秒(私調べ)!!
またドラクエの今は行けない場所の代表といえば高台や岩山に囲まれた地帯です。しかしこれも空を飛ぶ乗り物を手に入れれば行けるということがドラクエの共通認識としてあるので、気になって進めないよ~ということがありません。
非常に親切な作りですね。
これは初代ドラクエから最新作であるドラクエ11まで変わりません(外伝系だとまた違いますけど)。グラフィックがどれだけ進化しようとも、崩さないポリシーのようなものを感じます。
これのおかげもあってか、ゲーム慣れをしていない人、テクニックのない人でも思う存分ドラクエを楽しめるのだと思います。
ギミックを凝って今は行けない場所を作ってくれるRPGももちろん楽しいです。難しいほうがゲームというのは燃えます。
でも、どんなプレイヤーにも優しいドラクエのような存在もRPGには必要なのだと思います。
(文・やなぎアキ)
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