ぱーぱっぱーぱーぱー、ぱーぱっぱーぱーぱー、ぱーぱっぱーぱーぱー、ぱぱらぱぱっぱー。
俺の名前は工藤新一、気が付いたら体が縮んでいた！見た目は子供、頭脳は大人！
劇場版名探偵コナン！消された記憶（セーブデータ）！！近日公開！！
はい。
雑な予告が流れましたね。
ドラクエといえばセーブデータが呪いの音楽と共にお気の毒にも消えてしまう事象がありますが、時には消されてしまうこともあるはずです。正確には上書きされることが多いですが、上書きなんて言葉で濁らせずきっちり消されたと表現していきたいです。これが私の強い意志。
セーブデータが消えるよりも消されてしまったときのほうがショックが大きい気がするのは私だけですか。回避できたはずのデータ消去ッ！しかし、もう復元することはできない！何が（というか誰が）悪いかがわかっているだけに、くそう、責めずにはいられないッ！でもそんなことしたって、セーブデータは帰ってこないんだ！円環の理に導かれちまったんだよ！！
記憶（セーブデータ）を消されてしまって幾年もたち、対象のゲームはとっくにクリアしたにも関わらず、なぜかこの胸を締め付けるあのときの感情！！
なぜ！なぜ消した！わかっている！わかっているさ！わざとじゃないことくらい！！
という感じだと皆さん思うんですけど。
大体セーブデータを消してくる人って決まっていますよね。一緒にプレイしている兄弟、もしくはゲームを貸した友達（運が悪いと借りパクされてしまうので、データ消されただけなら幸運かもしれない）。
私は前者でした。
忘れもしない！
あれは春だったか夏だったか秋だったか（多分冬ではない）。私は、ドラクエ7（PS版）をプレイしていた……。
あの陰鬱としたストーリー、終わらない石板探し、唐突な友との別れ＆ダーマ地方の鬼畜っぷり。それらを乗り越えながら楽しんでいた。
そしてハーメリアが終わったあたりだった。
当時は兄も同時進行で進めていた（周回プレイである）。兄がゲームしている姿を後ろから見ることが多かった私は、その日もぼけーっとプレイ画面を見ていた。
そして私は目撃したのだ！
兄がうっかり手をすべらせて私のセーブデータに自分のセーブデータを上書きしてしまった瞬間を！！
セーブデータを消された経験がある人は多いと思いますが、目の前で消されてしまった経験がある人は存外少ないのではないでしょうか。
そう、私は、目撃したのだ。消される瞬間を。
うおおおおおおおおお！！！
私は怒り狂った！セーブデータを失った喪失感も相まって、もし私がサイヤ人だったら多分スーパーサイヤ人になっていたくらいには怒り狂った！くそおおおおお！
しかし私はうっすらともわかっていた！後ろで見ていたのだからギリギリで兄を止めることもできたのではないか！しかしできなかった！なんという己の無力さ！己に何もできなかった憤りがさらにこの怒りを加速させるッ！！
これはまさに、目の前でフリーザの手によってクリリンを殺されてしまった悟空の心境！私が地球人でよかったなぁ！！
当然兄は全力で謝ってきた、が、そんな謝罪で「うん仕方ないよ、また頑張るから」と許せるほど私は大人ではなかった！というか実際まだ全然子供だった。
何が私をそんなに怒り狂わせたか……。これには、セーブデータを消されたから、という理由だけではないもっと大きな問題があったのです。
進行度はハーメリアが終わったあたり。そこまでをもう一度プレイしなければいけません。もう一度見なければいけないイベントがたくさんあります。
そう、何が問題かわかりましたね？
ユバールの地獄のムービー
リートルードです。
あの、ドラクエ7の中でも屈指の恐怖イベント。時間を繰り返し、時間を止め、なんだかやべぇ空間に行かされるリートルード。
当時の私はリートルードが恐怖でしかありませんでした。特に時間を止めるくだり。音楽が止まってしまうのが怖くて怖くて、半泣きです。
しかし勇気を振り絞ってなんとかクリアしたのです。
そ れ を ！ ？
もう一回やれっていうのかフリーザぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！新ブロリーの映画、いいキャラしてたぞお前ぇぇぇぇ！！！新ブロリーみんなも観てくれぇぇぇぇ！！
断固拒否！！無理！でも続きやりたい！でもセーブデータない！！
ひぃぃん。
ということで普段気弱な私でしたが兄に、私が進めたところまで自分で進めてそのセーブデータを譲るように判決を言い渡しました。多分こんなに強い要求をすることは後にも先にもこれだけでしょう。消してしまった罪があるとはいえ、兄はよく要求を呑んでくれたなと今になって思います。
その後めちゃくちゃマッハに兄が頑張ってくれたおかげで、続きを無事プレイすることができました。
そしてスーパーサイヤ人になった私はヤードラット星で瞬間移動を獲得したのです。
こういう思い出、ドラクエに限らず皆さんにもありますよね？
（文・やなぎアキ）
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