ビルダーズ2のオッカムル島にはあらくれがたくさんいる。
そうするとどうしてもオッカムルの印象があらくれに引っ張られてしまうが、謎のおばさん「オンバ」の存在を忘れてはいけない……。
どんどん鉱石を掘っていくぞー!と意気込みつつ坑道を進みゆく主人公とシドーの前にいきなり現れたごく普通のおばさん。
ただしおばさんがいる場所は行動の最奥……。なんでこんなところにいるんだ、あやしいやつに違いない。
とはいえ、無視するわけにもいかないので話しかけてみる。
こっわ……。
ノイズ入ってる?電波悪い?
それとも、人間の言葉、苦手?
何にせよ、ただのおばさんではなさそうだ。
「こんなところでなにしてるの」とはこちらの台詞。ただ、向こうさんが「こんなところで(バニーの恰好なんてして)なにしてるの」と聞いてきたのだとしたらそれは確かに聞きたくなるなと言わざるを得ない。
ほぉ……驚きのリアクションも相当様になっているじゃないか。
だが、やはり人間の言葉は苦手なようだな。警戒を怠るなよ、マッシモ。
ほら、一度驚いてはみせたものの、すぐ素の顔に戻っている。騙されないぞ……。
シ、シドー!お前なんて命知らずなやつなんだ!
こ、これはカスレ声じゃなくて、擬態しているからか、遠隔で発声しているゆえのノイズなんだよ!
違ったっぽい。ノイズじゃなくて本当にかすれてただけみたいだ。
…………。
いやいやいや、何十年かぶり!?!?!?!
お、おい。こいつ今、「計画通り」ってにやっとしなかったか!?
怪しい!怪しすぎるぞ!
バニーの恰好をしているのよりもよっぽど怪しい!
あ!こいつ話をそらしやがった!
しかもさっきまでかすれてたのに急にペラペラしゃべりだした!きっつ~。
と、紆余曲折ありつつも、彼女の依頼をこなした主人公たち。まぁとりあえず、あやしいやつだけどモンスターではなさそうだし信じてみるか。
うわ……。
ついていくとか言ってるよ。オンバと名乗っているけど、何者なんだ?
地下深くにいただけでも十分怪しいのに、声を出したのは何十年ぶりって……。ずっと地下にいたってことか?
あ、待てよ。もしかしたらものすごくコミュ障で、元々全然喋らなかった人なのかも!地下に来たのはきっと最近の事なんだな。
違った。
まてまてまて。
生き埋め!?
なにゆえ!?子供のころ生き埋めでその後何十年も地下で生きながらえてきたおばさん、何者!?
なんらかの陰謀を感じる。
そうか、壮絶な人生を送って来たんだなおばさん……。こんなつらい話をさせてごめんよ。
う~ん笑顔。
すごいな。青春のほぼ全てを地下で生き埋めになって過ごしてたのに
「若くてぴちぴちだった私」
という超ポジティブワードが出てくるメンタリティよ。
しかもおばさんになったことを悲観していないし。
明るいのはいいことだけど、ふっきれててむしろ怖いよ。
え、あ、はい。下手したらマッシモよりも詳しいですもんね、あなた。
あらくれが「本当に町に住まわせるのか?危険すぎないか?」と耳打ちしてきたが、ここでオンバを追い出すととんでもない報復行為をしてきそうだからやめとこう。
比喩表現じゃなく本当にひと肌ふた肌脱ぎだしても正直驚かんなぁ……。
わ、わーい。
時は少し過ぎ去り、町に魔物たちが襲撃してきた。
戦えない者たちは魔物の襲撃に怯えている。
なんでバニーになっているかはともかく、こうして怯えている様子を見るとやっぱりこの人もただのおばさんなんだなという気がしてくる。
スンッ。
全然怯えてないわ、この人。演技へたくそなぁ~。
自分は全然怯えるふりができないということに気づいたのか、いつの間にか自分も戦う気満々ポジションに移ったようだ。地下にずっといたからか、おばさんであるオンバが戦うとなっても特にみんな驚かないしな。
めっちゃ準備体操してる。
脇を固めるのは怯えているあらくれ。
そりゃこんなバニーのおばさんが剣を背負って準備体操をしている姿、怯えもするだろう。見ようによってはシーサーみたいだけど。
うん、シーサーみたいだ。
オンバ……お前、いいやつだな。逃げないで戦ってくれて、ありがとう。
全速力~。
そのための準備体操だったみたいですね。
じゃあ最後になるけど、からっぽ島にモンスターたちが攻めてきたときのオンバを紹介しとこう。
平和な島だと思われたからっぽ島にも魔物がやってきて、さすがのオンバも恐ろしいようだ。
怯えてる怯えてる。オッカムルのときはそうそうに怯えるポジションを諦めていたが、どうやらからっぽ島で気持ちを新たにかよわいおばさんとして生きていこうとしているようだ。
スンッ。
うん、やっぱり向いてないようです。
全然怯えることができてない。むしろ後ろのモンスター艦隊をひき連れてきたみたいな物々しいオーラを感じる。
そしてまた準備体操。
怯えてたけど、やっぱり戦うんかい、と言わせてもらう。
ただものではないおばさん、オンバの背中を見ながら、主人公は何を思うのか……。
謎が多すぎるおばさん、オンバ……。
(文・やなぎアキ)
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