ドラクエは私たちに夢と希望を与えてくれる。そして時にはトラウマも……。ホラーゲームというわけでもないのに、恐ろしいことをしてくれる。
あなたにも、ドラクエ4でのトラウマがあることだろう。今回はドラクエ4のイベントの中でトラウマを残していった3つを紹介する。
サントハイム失踪事件
第二章「おてんば姫の冒険」といえば、おてんばなアリーナ・姫に恋するクリフト・口うるさいブライの3人によるストーリー。力試しの旅に出たい!というアリーナのその行動事由から、基本的に明るい調子で二章は進む。
しかしそんな二章の締めくくりは、多大なトラウマを残していった。
エンドールの武術大会で無事優勝したアリーナの元に不吉な知らせが届く。急ぎ足で城に帰った一行が目にしたものは……。
無人の城。
無音の城。
誰もいない、何も聞えない……。なぜなのかもわからない。唯一残った猫(と悪くないスライム)が逆に不気味さを演出する。人間だけが、消えてしまった。
そもそもドラクエは無音になるだけで恐怖がましましましましする。無音は例外なくトラウマになる。初見は泣きそうな気持ちでなんとか城の探索を終わらせた。もしかしたら誰か残っているのではないかと。タンスの中にでも隠れてやしないかとガタガタガタガタガタ
結局何もわからぬまま、また旅に出るアリーナたち。大会を優勝したというのにその勝利に浸ることはなかった……。
ガーデンブルグ窃盗冤罪
第五章、ガーデンブルグにて。天空の盾をもらいにきた勇者一行だが、とりあえず城のつぼやらタンスやらを確認するのが定石というもの。
なんてことをやっていると、ある部屋で詩人に「そこのタンスを見てごらんなさい」なんて言われてしまう。
「言われなくても見ますが?」なんて思いながらタンスを見ると、何もない。とりあえず、小心者の私はここでちょっとビクッとなる。意味深なことを言ってきたくせに何もないことにびっくりしてしまう。心臓がノミ。
心臓をノミっていると、シスターが部屋に戻ってきてしまい、「金のロザリオがない!この人たち泥棒だわ!」と決めつけられてしまう。またもやビクッとしてしまう。ち、違うし!多分さっきのやつが犯人だし!と思いながらも、自分が金のロザリオを見つけていたら盗らなかった保障はないな……と考えてしまう。ここでまた心臓がキュッとなった。ノミが、キュって。
とにかく、人生で初めての冤罪被害はこれだった。「タンスを見てごらんなさい」と言われて、何もなかった事にびっくりしてしまう純真なノミの持ち主だった私には、これは結構な衝撃だった。我、勇者ぞ?悪魔の子とかじゃなくて、勇者ぞ?
今となってはトルネコを人質にしたりブライを人質にしたりで楽しむことができるが、当時のビクッとなるあの気持ちを思い出すと、十分トラウマである。
アッテムト公害
アッテムトは鉱山から噴き出す毒ガスにより、到底人が住めるような状態ではない。それは第四章の時点からそうだった。
そもそも四章は基本的に暗い。マーニャの明るさにかろうじて救われてはいるが、父親の仇・ガスにやられるアッテムト・悪政とかそういう次元じゃないキングレオ……等々。直前まで奥さんの商才にあぐらをかいて遊び惚けていた武器屋をやっていたこっちとしてはたまったものではない。
アッテムトはBGMが暗い。全滅したときに流れる曲が延々と流れている。常に全滅状態、それがアッテムト。無音も嫌だが全滅BGMもいやだ。かろうじて生活している住民たちも疲れ切っている。
極めつけは手紙。白骨化した死体が握りしめていた手紙には、
おとうさん はやくかえってきてね。
おとうとのピピンも さみしがってるわ。
こんど ふたりで あいにいきます……。
うわぁーーー。
う、うわぁーーーーー。
てことはこの手紙を持っているがいこつはつまり、うわぁーーーー。
もうだめだぁぁぁぁぁ。
時は流れて第五章。地獄の帝王エスタークが蘇ったとの報を受け、アッテムトに赴く勇者一行。アッテムトはかつてよりもひどい有様だった……。
あほかぁーーー。行き過ぎた発掘は身を亡ぼすんだぁぁぁぁぁ。襲撃されたわけでもなく滅んで行ったこの町は、ある意味サンタローズ(ドラクエ5)やドラクエ7の各過去世界よりも気落ちするかもしれない。
以上、ドラクエ4のトラウマイベント3選だ。失踪、冤罪、公害……。ドラクエ4って重たかったんだな……。しょっぱな勇者が故郷の焼き討ちにあうんだから、それもそうなのだろうか。
あなたのドラクエ4でのトラウマイベントはなんだろうか?
(文・やなぎアキ)
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