花嫁修業という言葉を聞いた時に何を連想しますか?
料理掃除洗濯……家事全般の修行でしょうか?今どき花嫁修業というのは流行らなさそうですが、ドラクエ5の世界では健在です。
そう、フローラです。
彼女は幼いころにルドマンが花嫁修業と称して、修道院(リメイク版では海辺の修道院と明言)に預けられています。
修道院で花嫁修業……。
やはり家事全般を身につけられるような修行でしょうか。修道院といえば質素倹約。質素且つ暖かな食事の作り方とか、毎日暖かくてふわふわな布団で寝られるような洗濯術とか、米のとぎ汁で床を拭くとピカピカになる(諸説あり)みたいな節約掃除豆知識とか、そういうのを身につけるための修行でしょうか!
だからフローラはおしとやかで家庭的なんですね!
否!!!
否否否否否!!!!
フローラの花嫁修業がそんなに生ぬるいわけがなかろうがぁぁぁぁ!!!
あ、スイマセン、家事が生ぬるいみたいな言い方になってしまいました。家事、生ぬるくない。ホントに、しんどい。全部自動化して……。
フローラが花嫁修業をしていたのは、いい奥さんになるためっ☆ではありません。
フローラが双子を出産した翌日、彼女から実はこんな話が聞けます。
私を 修道院に
あずけたのは 有名な占い師の
すすめだったんですって。
この子は ふしぎな運命を
せおっているから それに
たえられるような すんだ心を
持たせなさいって。
フローラは!花嫁になるために修道院に預けられたわけではないんですよ! 不思議な運命を背負っているからそれに耐えられるように澄んだ心を持たせるために預けられたんですよ!
じゃあなんで花嫁修業って名目で預けられたのかって?そこはまぁルドマンさんの世間体ですかね。
とにかく、過酷な運命に耐えられるような心を持てと!そういう理由で修道院に預けられたフローラが、家事だけ身につければそれでいいのかと言われたらそうではないはずです。
これを踏まえたうえで、もう一度フローラがどんな花嫁修業を行っていたか思案してみます。
…………。
ああ、筋トレですね。
筋トレ。
修道院で家事と呪文の修行をしつつも、筋トレですね。
だって、彼女の初期装備見ました?
モーニングスターですよ、モーニングスター。
ドラクエのモーニングスターは、持ち手に鎖がついていてその先にとげとげの付いた鉄球が付いているんですよ。それをブンブン振り回して、モンスター複数体を攻撃するのがドラクエ流。
鉄球のついたモーニングスターを振り回すのって相当腕力がいるじゃないですか。ええ、ええ、ビアンカならいいんですよ。山奥の生活の中で腕力が必要な場面は多々あるでしょうし、知らず知らずのうちに筋肉がついていたことでしょう。
しかしフローラはどうですか?ルドマンさんの屋敷でぬくぬくと過ごすだけのお嬢様です。
そんなぬくいお嬢様が主人公と結婚して急に旅に出ることになったときに、すぐさま鉄球の付いたモーニングスターを振り回せると思いますか?
振り回せるんですよ、それが。
なぜか?
修道院で修業をしていたからですねぇ!!!
過酷な運命に耐えられるような不屈の精神を身につけるために花嫁修業と称して修道院で筋トレをしていたからです!(不思議な運命に耐えられるような澄んだ心?はて?)
現に、筋トレをしていたフローラはモーニングスターを装備できますが、花嫁修業に行くのを嫌がったデボラはモーニングスターを装備できません。これが筋肉の差。最終的にデボラさんはまじんのかなづちを装備してしまいますが、きっと旅の途中で鍛えまくったんでしょうね。伸びしろですねぇ!
修道院で花嫁修業と称して筋トレをしていたフローラ。サラボナに帰って来た時にはさぞその一見華奢に見える体に筋肉を蓄えていたことでしょう。インナーマッソーですか?
と、いうことは?
きっとあの海辺の修道院のシスターたちもみんな筋トレを日課にしているに違いありません!
ああ!だから人間が3人も入ったタルをこじ開け(雲をも突き刺す山から海面に落ちても大破しなかったタルを易々な筋肉が開けられるとは思えない)、ベッドに担ぎ、あまつさえ大の大人を着替えさせることができたのですね!日頃の筋トレのたまもの!
あの修道院、人間がいる施設なのに仲間モンスターも平然と入れるから不思議でしたけど、腕に自慢のあるシスターばかりだったからモンスターを入れてもOKだったんですね。
きっとルドマンさんは、情報網を駆使して娘をもっとも鍛えられる修道院としてあそこを選んだんでしょうねぇ。
名采配です!!
(文・やなぎアキ)
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