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【ドラクエ11】シルビア・グレイグという頼もしい大人世代。

ウーハー

凝り固まった思想の持主なので、ドラクエのパーティーというのはティーンエイジャーがほとんどだと思っている節が私にはある。

 

でもよく考えると、むしろよく考えなくても、普通に大人の男性・女性がパーティーにいることがほとんどだ。ライアンとか、ミレーユとか、モリーとか……。たくさんいる。みんな頼もしい。

 

ドラクエ11も例外ではない。そして、ドラクエ11で頼もしさを爆裂させている大人と思わざるを得ないのが、シルビア・グレイグではなかろうか。

 

ドラクエ11には他にもマルティナやロウという主人公を引っ張っていってくれる存在がいる。だが、シルビア・グレイグの二人の頼もしさはぐーんと抜いている。

 

シルビアの安定感

シルビア

 

 シルビアの年齢というのは明らかにはされていないが、グレイグよりもやや年下ではあるはず。つまり勇者たちよりもずっと経験が豊富だ。当然世の中の酸いも甘いも知り尽くしている。

 

ロミアとキナイのイベント時に、ロミアに真実を話すか嘘をつくかどうかを悩んだプレイヤーは多くいると思う。その際に仲間に相談すると、シルビアは「無理に真実を話す必要はないのではないか」と言ってくれる。

結果的に私は、「真実が残酷であれど、勇者たるもの嘘をつくのは誠実ではないんだ!」という青臭い理由で真実を伝えた。だが、その後の展開を考えると、嘘をついた方が良かったのかもしれないのだ。

真実を伝えることだけが正しいわけではない、と伝えようとしてくれていたシルビア。そうは言っても勇者の決断を尊重するシルビア。う~ん大人だ。その後は、シルビアの意見はもっと真剣に考慮に入れようと思ったものだ。

 

シルビアの行動はいつも主体的だ。勇者として生まれたから、預言者に言われたから、そういった受動的な理由で旅をしている面々(きっかけが受動的なだけではあるが)とは違って、常に自分の信念の元旅をしている。

 

世界中の人を笑顔にしたい!だから笑顔をなくす原因である魔物たちを倒したい!

 

そんな主体性あふれる行動理由からか、シルビアはとてもポジティブだ。常に仲間を元気づけようとしてくれる。ただポジティブなわけではなく、思慮深いポジティブさがある。

ドラクエ4のアリーナやドラクエ6のバーバラのような、元気っ子ポジティブキャラは過去にもいたが、これまではどちらかというと突っ走る系ポジティブシンキングだった。

だがシルビアは大人だから、やみくもに明るいわけでもない。みんなを笑顔にしたいという思いの反面、本当に辛いときは泣いてもいいのだと言ってくれる。そしてそれを決して押し付けることはしない。

 

そんなシルビアを精神的支えにして旅をしていた勇者は多いはず。どんな困難があっても、シルビアがいれば楽しい思い出にすることができるのだ。

 

盾というだけあるグレイグ

グレイグ

 

グレイグの年齢は36歳。働き盛りの中堅だ。英雄と呼ばれるだけあり、堂々としたオーラを携えている。

 

ストーリー上、勇者一行を執拗に狙うポジションとして登場したグレイグを、鬱陶しく思ったこともあった。

だが、世界崩壊後、絶望の淵にいたイシの村の人々やデルカダール国民のため、身を挺して魔物と戦う姿を見て、徐々に認識を改めたのを覚えている。

 

崩壊後、人魚の女王セレンから「勇者とは決して諦めない人のこと」と言われてはいたが、それでも一人ぼっちで心細かった勇者。対するグレイグは、諦めずに人々を救おうと行動しつづけた。グレイグは、自身が取り返しのつかない過ちを犯していたことを知り、それを償う意味でも戦い続けている。これが英雄と呼ばれた男かと。そうなのかと。勇気づけられた。

 

そんな英雄が仲間になる。これほど頼もしいことはないだろう。まだ16歳である勇者。1人ではこの過酷な世界を旅していけるとも思えない。仲間と離れ離れになり、勇者の力は失われた。

 

そんな折に、仲間になってくれるグレイグ。「勇者の盾」となって守ってくれるグレイグ。一緒に戦ってくれるだけでも心強い。だが、常に自分を助けてくれた仲間もおらず、守りたかった世界が変わり果ててしまったあのとき、勇者は誰にも言えない傷を負っていたはずだ。心細く、自分の弱さを痛感し、誰かに守ってもらいたいと思っていた可能性もある。だがそんなこと自分から言えるはずもない。

 

そこにきてグレイグの言葉は、勇者を救ってくれたことだろう。これほど頼もしいことはなかっただろう。グレイグ自身にとっても救いではあっただろうが、それは勇者も同じだ。

 

 

 

別にカミュたちが精神的支柱になっていなかったわけではない。だが、過酷な旅だからこそ、シルビアやグレイグのような大人に支えられたかったりするわけだ。

 

だって勇者はまだ16歳なんだもん。

 

(文・やなぎアキ)

 

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