などということを友人に言われたので、そんなことないと思うが?と思いつつも暇なので考えてみた。
ゲマは本当に理想の上司なのだろうか?
!注意!リメイク版ゲマについて考えていきます。
まずフリーザって誰よ
フリーザは漫画『ドラゴンボール』に登場する敵キャラクターだ。
宇宙のあらゆる惑星を占領したり破壊したりする、銀河の地上げ屋さんだ。めちゃくちゃ悪いやつだ。その残虐さは作中でも屈指と言える、なにしろやることが宇宙規模なのだから。
しかしそんなフリーザが昨今、理想の上司であると言われている。その理由はいくつかあるが、代表的なのは以下。
- 部下に対しても敬語を使い、しかも「さん」付け
- 部下の失敗に挽回のチャンスを与える
- 末端の部下の名前も覚えている
- 弱いものには武器を与える・福利厚生が手厚い
他にも色々ある。正直非の打ち所のない上司だ。
そんな宇宙最強の上司フリーザ様をゲマは越えることができるのか!
ここが理想だ!ゲマ様!
常に敬語
フリーザと一緒で、ゲマも常に敬語で語りかけてくる。別に上司なんだからため口でもいいかもしれないが、こちらのモチベーションは変わってくる。飲み会くらいだ、ため口でもいいのは。
フランクさも重要だが、仕事の場ではメリハリをつけてほしいのでそこはさすがゲマ。横柄な態度を取ってくることが多いドラクエの悪役たち。あくまで丁寧な姿勢を崩さないゲマ。できる男はまずそこから差をつける。
部下の失敗に寛容どころか自信をつけさせる
ゲマはフリーザと同じで部下の失敗に寛容だ。いや、その寛容さはそれ以上。
一度パパスに敗れた部下に対して一切責めるようなことはしない。しかも自ら率先して部下が仕事をしやすいような環境づくりをしたうえで、もう一度チャンスを与える。そして部下に自信をつけさせるのだ。
フリーザは声を荒げて、「1時間以内に成果を出さなければ私があなたを殺しますから」という死刑宣告をする面があるが、ゲマはそんなことしない。プレッシャーを与えることでやる気を出させるというのは、パワハラになり得ることを理解している。
先を見据える先見の明
ビジネスで大事なのは先読みだ。常に先々にあるリスクを考慮にいれてタスクをこなしていく必要がある。
ゲマは幼少期主人公が持っていたゴールドオーブを手に取ると、 それがなんなのか明確な答えは出さないもののそこから今後起こるかもしれない不都合を予期する。そしてゴールドオーブ(正確には違うが)を粉々にしてしまう。なんというリスクマネジメント。
現場のリスクヘッジを率先して行うその姿、脱帽である。まぁ結局回避できていないけど。
子供にやさしい
フリーザはナメック星の子供にも容赦がなかったが、ゲマは違う。組織(教団)にとって不都合であるパパスを仕留めても、子供まで手にかけようとはしない。それどころか立派な教団員にしようとしてくる。英才教育だ。ゲマ、やさしい。
競合の現状確認を怠らない
ゲマは教団の幹部であるにも関わらず、定期的に現場に出てきては競合(主人公たち)の状況をしっかり調査する。
必要があれば石化させるし、どれくらい強くなったのかを自らの体を張って確認したりもする(ボブルの塔)。現場主義である。椅子に座ってふんぞり返っているだけではいけないことを知っている。
有休の推奨
「こんなところでチカラつきるまで戦うバカではありません。私も少し休ませてもらいましょう」
これはボブルの塔で主人公に敗れたゲマの台詞だ。これは是非上司に言ってもらいたい言葉である。
要は「会社で消耗しつくすほど働くようなことはしてはいけません。なので私は有休をもらいますね」ということだ。
上司が率先してこのように有休をとってくれれば、部下も非常に休みやすいだろう。働きやすく、休みやすい環境を作ることも人の上に立つものの責務だ。
上司に歯向かうことも辞さない
よりよい教団になる為には、上司であるイブールをその手で葬ることもよしとするゲマ。教祖ではあっても、形でしかないイブールを躊躇せず焼き尽くすその姿は世のトップダウン方式の会社に一石を投じている。
組織で動いている限り、時には下位からの声をくみ上げるべきである。かつては(SFC版)イブールの意のままだったゲマだが、時代の移り変わりとともに変わっていったのだろう。結局ミルドラースに心酔しているけど。
ここがダメだよ!ゲマ様!
部下を呼び捨て
これはいただけない。
いくら部下であっても、呼び捨てにするのはよくない。 ちゃんと「ジャミさん、ゴンズさん」と呼びなさい。
まったくもっていただけない。
教育体制が整っていない
せっかく幼少期主人公とヘンリーを教団につれてきて立派に育て上げようとしたのに、二人とも結局教団の思想には染まり切らなかった。
教育担当はゲマではないのかもしれないが、教育担当者に仕事を丸投げにするのはいかがなものか。10年もあったのだから、何回か奴隷たちに成果発表会のような機会を与えて、教育具合を確認すべきだったのでは。
親族への当たりがきつい
これはもう最悪だ。いくら主人公たちが教団側の人間ではないにせよ。
まず競合とはいえ、相手の両親を呼び捨てにするのはなんなのか。気やすく「パパス」とか「マーサ」とか言うんじゃない。あの感じだとジャミやゴンズの両親のことも呼び捨てにしているだろう。
そしていくら競合とはいえ、両親を焼き上げようとするんじゃない。敬意を払うべきだろう。どんなことがあってもビジネスの場で親族を愚弄することはあってはいけない。
目に見えるリスクを回避しない
先ほど、なんだかよくわからないゴールドオーブを破壊する先見の明については説明した。これについてはさすがだ。
しかし、明らかに顕在的なリスクについてはなぜか悪手を打ちまくる。
ゴールドオーブよりも子供とはいえよっぽど主人公の方が危険だし。ゴールドオーブを粉々にする思慮深さがあるなら、圧倒的に石像夫婦も粉々にすべきだし。有休とって即座に退社するわりには竜の目を手放すし。
結論
たしかにゲマも割といい上司の素質を持っているようだ。特に有休を率先して取るその姿勢は世の管理職には見習ってほしい。
などと無理やりゲマをいい上司風に扱ってみたが、どう考えてもこいつの元で働くのはいやだ。圧倒的にダメな部分がダメすぎる。ダメすぎるぞ。だから思う存分やっつけられるわけだが。
もちろんフリーザの元で働くのもいやだ。
(文・やなぎアキ)
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