ドラクエビルダーズ2は、可愛らしい世界観ながらも悲しい展開も多々ありましたね……。
破壊と創造は表裏一体。だからこそなのかもしれません。
──
破壊天体シドーでのモンスターたちからの猛攻をなんとかしのいだ主人公たち一行。
しかし、仲間の1人であるキラ―マシンのキラーGが、とうとう修復不可なところまで壊れてしまいました。
あと少しで箱舟にのって皆で脱出できるというのに。キラーGの体は限界なようです。それでもなんとか修理したいと思う主人公。
しかしここで、キラーGから驚きの一言が。
自分を破壊してくれと懇願するキラーG。まさかそんなことができるはずもありません。共に頑張ってきた仲間ですから。
しかしキラーGは続けます。
自分を破壊したあと、自分のパーツを使ってハーゴン城に行くための車を改造してくれと頼みます。
自分が生き続けるよりも、主人公の今後を案じてくれるキラーG……。
そうは言われても、主人公としては簡単に「はいそうですね」と破壊できるわけがありません。キラーGは大切な仲間です。なんとかしてみせる!と主人公はキラーGのお願いを拒否しようとします。
必ず救うから!と言う主人公を、キラーGは叱ります。「おごるでない」の一言が非常に心に刺さります。なんでも作れるビルダーとはいえ、尽きようとしている命すらもどうにかしようとするのは驕りだと、そういうことでしょうか。人間が生きものの生き死にを自由にしようだなんて、おこがましいですもんね。
このキラーGの一言で主人公はハッとします。
それでもキラーGがいなくなるのは嫌だ!という主人公の心を見透かしたのか、車の中で自分は生き続けることができる、と教えてくれます。自分を破壊して、自分のパーツを使って新たに創造をしてくれれば、それでいいんだと。
破壊することで、新たなものを生み出すことを、最期の最期で教えようとしてくれているのです。
そして……。
キラーGはとうとう動かなくなってしまいます……。
ハーゴン教徒ばかりいるこの破壊天体シドーで、キラーGは始終主人公を信頼し箱舟作りやモンスターとの攻防に積極的に参加してくれました。
彼の働きがなければ、ここまでモンスターたちが協力してくれることはなかったかもしれません。箱舟だって完成しなかったかもしれません。度重なる敵襲に、全滅していたかもしれません。
そんなキラーGとの思い出がいくつも蘇り、破壊をどうしても躊躇してしまう主人公。
しかし、それではキラーGは浮かばれません……。意を決して、ハンマーをふるいキラーGを破壊します。
キラーGを破壊し、うつむく主人公。一緒に頑張ってきた仲間をこの手で破壊するのは、どれほど辛かったことでしょうか。
…………。
いぇぇぇえええええええい!!
マシンハートGを手に入れたぁぁぁぁぁぁぁああ!!
やったぜぇぇぇぇええええ!!!
メタッツ「……」
(文・やなぎアキ)
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