前回のあらすじ
盗賊カンダタを倒し、金の冠を取り戻したモガマル。
ようやくオルテガの息子として認められたようだ。本当は違うんだけどね。
前回
第九話 ガイジン?おいらはモガマルだぞ!
金の冠を取り返したことで、王様になることが……できるはずもなく、なんだか肩透かしを食らってしまったな。
でもまぁいいってことよ。
なんだか全然信用ができそうにない。これは金の冠を人質……ではなく物質にしてロマリアを植民地にする計画ではないか。物質って、これじゃぶっしつだな。ものじちだ、ものじち。
しかし諸国の情勢など知ったこっちゃないので黙っておこう。
やったー。やったーなんだけど、ぶっちゃけ戸籍抄本とかはなかったのか?出生届とか出さない系?それじゃオルテガの子供どころか、他の家の子も証明が難しくないか?
道具屋の子供とかはどうやって証明するんだ?
そなたが道具屋の子供であるというならば、やくそうとどくけしそうの原価を答えよ!
とか言うんだろうか。絶対役所とかで管理した方が効率的だと思うんだが。待ち時間が長いのがデフォルトの役所でも、王様の口頭試問よりはましだと思うぞ。
それにしても、金の冠を取り返したことのご褒美はないのか?ロマリアのものだから?アリアハンは関係ないってか?
オルテガの息子と認めたんだからいいだろ、じゃあないんだよなぁ。ロマリアの尻拭いをしてやったんだから、せめて菓子折りの一つでも持ってきてもらわなければ気が済まない。美味しいモンブランを所望する。
と、駄々をこねていても仕方がない。ようやく冒険だ!
うむ、じじいの言う通りだ。せっかく勇者追憶アトラクションに乗っているのに、今まではむしろ勇者と疑われ続けていたからな。ここからようやく勇者として出発だ。搭乗時間がすでにものすごいことになっている。
いいぞ勇者モガマル!3人のしもべを従えて、魔王を倒すんだー!
よーし、さっそく新しい町に到着だ!今まではずっとアリアハンの王の間だったからな!景色が変わって爽やかだ!さぁ、ここはどこだ!
外人と言われてしまった……。なんだこの子供は、めちゃくちゃ失礼なやつだ。いや、外人ではあるのだが。いや、モガマルは外モモンガか。
ジパングか。黄金の国か?いやでもこの貧相な見た目の子供から黄金臭、ゴールドスメルは感じない。
えっ、どうしよう!泣かしちゃった泣かしちゃった!ゴメン!黄金スメル、する!するよ!ゴールドスメル!いい匂い!
本当に急に泣き出した。口角をあげてにっこり笑ったまま泣き出した。恐怖……。
一体何が起きているんだ。突然泣き出すなんらかの奇病……?謎は深まるばかりだ。
次回予告
突然泣き出した少年に話を聞いてみると、恐ろしい話が飛び出した!
これは解決してあげないと、いつかジパングは滅びてしまう!
次回、「いけにえという文化はやばすぎるぞ!」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
次回
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