世界を救うための使命を持ちながら旅をしていても、娯楽が欲しかったりはする。
カジノに行けばいいじゃない、という意見はごもっともだ。だがカジノは本気になりすぎる。
そんなときはもっとお手軽に遊べるミニゲームが有難い。
ミニゲーム「スライムタッチ」
DS版には追加要素として、「スライムタッチ」というミニゲームが存在する。
場所はサラボナのルドマン邸の3階、デボラの部屋である。デボラが日常的にプレイしている可能性が高い、それが「スライムタッチ」だ。
ルールは至って簡単。モグラたたきの要領で穴から出てくるスライムをタッチしていく。DSならではのミニゲームと言えるだろう。
ドラクエはDSや3DSでも多く出ているが、タッチペンを使わなくても遊べる。なのでミニゲームでせっかくのタッチ要素を活かしてきたということだろうか。
何はともあれ、デボラがほぼモグラたたきであるスライムタッチをやっているというのは驚きだ。
どういう経緯で買ってもらったのだろうか。
デボラがなぜスライムタッチを?
妥当なのは、友達のいないデボラを見るに見かねた父・ルドマンが、せめて退屈しないようにと買い与えた線だ。良き父ではあるとは思うが、余計なお世話である。
それこそ、友達ができるように修道院に預けるとかした方が良かっただろう。ゲームを買い与えて、これで遊んでいなさいとはいかがなものか。
というかデボラは恐らく友達がいないことをさほど気にしてはいない。「スライムタッチ」をやって気を紛らわせるなんてことしないだろう。
ただ、ひょっとするとデボラ自身がルドマンに勝ってほしいとせがんだ線もある。町のゲームセンターで見かけたスライムタッチをどうしてもやりたくて、機体ごと買ってくれとルドマンに頼んだのだ。
ドラクエの世界にゲームセンターなんてものはないし、スライムタッチ自体世界のどこを探してもデボラの家にしかないのだが。
もしかしたら、世界に一台しかないスライムタッチを、デボラのわがままにより購入したのかもしれない。さすが女王デボラ。
だが残念ながら作中でデボラがスライムタッチをプレイしているところを見ることは出来ない。
スライムタッチ楽しい!
スライムタッチは穴から出てくるスライムを、あらかじめ表示されている順番にタッチしていくだけの単純なゲームだ。
画面上部にいるばくだんいわが、幼き主人公に到達してしまったらゲームオーバー。幼少期主人公がかわいいため、なんとしてもばくだんいわから守ってあげなければという気持ちにさせる。これが父性……?
出てくるスライムの種類は、スライム・スライムベス・メタルスライムで、当然メタルスライムは引っ込むのが速い。
「いや~ん、メタルスライムをタッチしなきゃいけないのに、引っ込んじゃったぁ。しかも次のメタルスライムがなかなか出てこない~」
なんてこともよくある。
たまにアイテムが穴から出てくることもある。やくそうや、すごろくけん、さらにはいのりのゆびわなんかも出てくる。
これらはタッチするとゲーム終了時に獲得できるため、いのりのゆびわ目当てでプレイする人もいただろう。
ミスなしで進めていくと、ボーナスステージに到達したりもする。
ボーナスステージを用意するって、単なるミニゲームとしては割と作りこんであると思う。
スライムをタッチするだけの単純なゲームゆえに、やめどきがわからなかったりするのも楽しい。なんだか暇だし、旅に出る前に一回くらいスライムタッチしておくか~と思うと、案外やめられなかったりする。
現に、この記事の為に久しぶりに一回やっとくか~とか言っておきながら10回ほどプレイした。スライムタッチ楽しい~。
ちなみにDS版ドラクエ6ではスライムカーリングがある。
かなり難しい上に、スライムタッチと違い報酬もないためモチベーションを保てないのが残念だ。でもこれも面白いぞ。
(文・やなぎアキ)
関連記事