カメラのフィルムケースとホウシャと呼ばれる謎の粉(合法)を使って、どろっと粘性を帯びたスライム(大体緑に着色するイメージ)を子供のころ作ったことがある、というそこのあなた。
ひんやり冷たくてなんとなく手にまとわりついて……できる前はあんなに渇望していたのにいざ手中に収めてしまうと正直どう遊んでいいのかわからなかったですよね。
私は基本的にもちもちとこねて伸ばしてちょっと投げてみたりして満足していました。
思ったより楽しめなかったな……を何度も繰り返して、それでも未だスライムを時たま求めるような、そんな大人になりました。
ちなみにホウシャの沸点は1575℃だそうです。私はお風呂は43℃を超えると熱いなと思います。
さて、スライムと言われて真っ先に思いつくのがこのようなドロドロテロテロスライム、という人はどれくらいいるのでしょうか。
この記事を読んでいるあなたは恐らくテロテロスライムちゃんではなく、国民的RPGドラゴンクエストの看板モンスター、スライムを思い浮かべているはずです。
スライムといえばテロテロドロドロブクブクだった時代に、トゥルンとした愛らしいフォルムにとぼけたようなスマイルという出で立ちで誕生したこのモンスターは、あっという間にドラクエを語るうえで欠かせない重要モンスターになりました。
こいつを語らずしてなにがドラクエ好きでしょうか。
ということで早速スライムについて語っていきましょう。能力値とかそういうデータ的な面には触れていきません。めんどくさいから。数値ではなく愛で語りたいです。
しかしスライムを語ろうと言っても一気にすべてを語ることは難しい。なんせ看板モンスターですから。全てを語るにはどれほどの時間を費やさなければいけないのか。
正直めんどくさいできることならお手軽に語りたい。お手軽に読んでほしい。アミットせんべい片手にささっと読める程度の内容にしたい。
ということで今日のところはその可愛さと彼らの戦い方についてお話しようかと思います。
かわいい
はい、まずかわいいですね。ちっちゃいし、弱そうだし、青いし。
デザインのセンスというのはシンプルなものにこそ表れるのではと個人的に思います。全身をファストファッションで固めて、やっぱりダサくなる人と、本当にそれ980円のTシャツ?みたいな人、こういうことだと思います。余談ですが、全身をファストファッションで固めている人を笑うことは決してしてはいけません。
スライムはすごくシンプルなデザインで誰でも書ける、というのも人気の要因だと思いますが、だからこそ本物に似せて書くのは難しいですよね。
顔のパーツの比率を少しでも間違えるともう別人、じゃなくて別スライム。
この顔のバランスが少しでも違っていたら今ほどの人気はなかったかもしれない……?
つくづくスライムは秀逸なデザインだなあと思います。
シンプルで可愛らしいスライムだからこそグッズ展開もしやすいのでしょう。
グッズに関しては、個人的にはスライムはもういいから、がいこつとかアークデーモンとかに頑張ってほしいです。
けっこう残忍?
スライムの戦い方は基本的に体当たりですが、当初は敵の顔に覆いかぶさって窒息させる、という設定があったそうです。
……こわすぎ!!
こちとら危険な旅に出ているわけですから、切られたり殴られたり魔法で焼かれたりは覚悟していますけれども、窒息はちょっと勘弁してほしいですよ。苦しいもん。
あとしゃくねつとか吐くらしいじゃないですか、やつら。
旅人Lv.1「わースライムだー」(トコトコ
スライムはしゃくねつを吐いた!
ゴオオオオオオオオオオオ
屍Lv.1「へんじがない、ただのしかばねのようだ」
人の伝聞などというのはいい加減なものなので、上記のような倒され方をしても、スライムごときにやられたという醜態のみが語り草になっていくのです。
気をつけてください、あなたの後ろにいるスライムはもしかしたらレベル90のしゃくねつ使いのスライムかもしれませんよ。
あと数年前からスライムにはスラ・ストライクなんて秘伝の技があるみたいですね。
ぶっちゃけただの体当たりです。
スライムA「ピキー、これが秘伝の技 スラ・ストライクだッピ!」
スライムB(え、いつもの体当たりと同じに見えるッピ)
スラ・ストライクと体当たりの違いがわからないスライムって結構いそう。
終わりに
ドラクエ界のキングオブザコ、スライム。
普段ならひのきの棒でポカスカ倒してしまっておしまいですが、たまにはスライムに思いを馳せるのもいいかと思います。
スライムがいたから、私たちのドラクエ人生が始まったんでしょうね。
(文:やなぎアキ)
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