『いただきストリート』にはムーンブルクの王女・プリンが参戦している。
一国の気高き王女がわざわざボードゲームに参戦しているとは、ただ単に楽しむためなのだろうか。
ハーゴンによって犬に変えられ、国を滅ぼされた彼女はなぜいたストに?
答えは何とも真面目な彼女らしく、また健気なものであった。
どうやら彼女はゲームで優勝し、その資金で亡き祖国を再建したいらしいのだ。
さすが王女。国を再建するための資金を稼ぐためにいたストに参戦するとは。他のキャラクターとは一線を画している。遊びじゃないのだ。真剣だ。真剣そのものだ。というか重い。
国を背負っている彼女は、やはり心細いこともあるのだろう。今はもう天国にいる両親を思い、見守ってくれていると信じることで優勝を目指している。自身が国を再建する様を見守っていてくれと。かつての国が復活することを願っていてくれと。
そして、固い決意を胸にダイスをふり続ける。
そんな気高き王女のゲーム中の様子が以下だ。
完全に犬。
ダイスにじゃれつく王女。ダイスふれ。
完全にやんちゃな犬。
休みなので店を走り回る王女。しつけがなっていない。
どう考えても犬。
やはりダイスにじゃれつく王女。だからダイスふれ。
吠えまくる犬。
吠えることで気合を入れる王女。しつけが本当になっていない。
気合を入れたうえで犬。
ダイスがお気に入りの王女。あと「わん?」ってなに?
ムーンブルクを再建したいという思いは、まぎれもなく本物だろうが、まさかダイスにじゃれつくとは。相手を油断させる戦術だろうか。
走り回るときは四足歩行なのだろうか。四足歩行で走り回っている王女を想像するのは忍びないが、二足歩行でわんわん言いながら走り回るのも怖い。ホラーじゃん。
それとも犬だったころの癖が抜けていないのか。おのれハーゴンめ。
というか、癖が抜けていないとしいて、ゲーム中にここまで犬になってしまうのであれば、ハーゴン討伐の旅中もさぞかし犬だったのだろう。さぞかし犬だったのだろうってなんだ。そして王子たち内心どう思っていたのか。
「王女また吠えてるよ……」とかサマルトリアの王子に言われたりしていたんだろうか。おのれハーゴンめ。
願わくば、相手を油断させる戦術であってくれ。国を再建するというのは、私が思っているよりも過酷なものなのだな……。
多分ご両親、両手で顔を覆っていると思う。
(文・やなぎアキ)
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