ドラクエビルダーズ2のオープニングは魔物たちが乗っている船の上から始まる。
魔物たちにこき使われている最中、突如嵐が船を襲う。このままでは魔物と一緒に自分も海の藻屑になってしまう。そんなのいやだ!
前回↓
とりあえず今は、船長の指示通り、船倉に向かおう。嵐がなんとかなるまで、そこに隠れているのがいいのだろうな。
うわぁ、すごい揺れだ!くっ、転んでしまって、立てないぞ。
なんだかすごく焦っている声が聞こえるな……。
船底が?どうなっているんだろう、もしかしたら、この船倉でなにか問題が起きているんじゃ。せ、船長……。
さ、さすが船長。たよりになる人、じゃなくて魔物だ。何かあったときに真っ先に動けるトップ、見習いたいし、見習ってほしい、全てのトップに。うう、まだ起き上がれないぞ。
ん、足音が聞こえる、この足音は。
せ、船長!やっぱり船倉で何か問題があったんすね……。
くっ、頭を打ったのか全然起き上がれない。船長ぉ。
いや、船長は魔物だ、こんな自分なんかが倒れていたところで、何か思うようなこともないだろう。自分はにっくきビルダーなんだし、船長は人間の敵である魔物なんだし。どうせ、自分の事はもう、無視するんだろ。
お声を、かけてくださった……?
船長、あなたって人は、一度自分の船に乗った人は全て家族なんですか!自分、感激っす。でもそうっすよね、船の方が心配っすよね、船はみんなの家ですもんね。
ああでも、大丈夫かなんて声をかけられるとは、ありがたいっす。
な、なんだ!どうしたんだ!船長が助けを呼んでいるぞ!
くそ、動け、動けこの体!頼む!あ、よし、起き上がれたぞ。
待っていてください、船長!自分が今から行きますから!
嵐で開いた穴から海水が流れ込んでいる!これは大変だ!
船長が自分を頼っている。ピンチではあるが、今までの恩を返すチャンスでもある!任せておいてください、その辺に転がっている木箱を使えば、あの程度の穴をふさぐのは簡単ですよ。
ほーら、すぐ全部ふさがりました!これでとりあえずOKですよ!
自分だけ真っ先に逃げようとせず、ひとまずの安全を確保したら、すぐに他の船員の心配をする!船長の鑑っすねやっぱり!自分、船長に一生ついていきますよ!
さぁ、みんなを助けに行きましょう!うん?なんだこの音は!
叫び声は魔物そのものだなぁやっぱり。
ああ、さっきの比ではないくらいのでかい穴があいてしまった!さすがにふさぐことができないっす!ああ、海水がどんどん流れ込んでくる、船長おおおおおおおおお。
うわぁぁぁぁあああああああああ。
なんとか無人島に流れ着いた……。でも、船長の姿が見えない。船長……自分なんかに優しくしてくれて、率先して船員のために奔走して、そして、最後には自分なんかの名前(名前じゃないけど)を呼んでくれて……。
自分、船長のこと、忘れないっす!いつかまた会えるって信じてるっす!
船長が教えてくれたこと、大事にするっす!この流れ着いた島で出会った人と協力して、生きていくっす!船は大破しちゃいましたけど、船長が、みんなのために頑張ってくれていたこと、生き残った自分たちは忘れないっす!
黙れ女ぁぁぁぁぁあああん!?!?!?
船長とチェンジしろ、きさまはぁ!!!!!!
みんなが優しいあの船に戻りたい。
(文・やなぎアキ)
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