ドラクエビルダーズ2のオープニングは魔物たちが乗っている船の上から始まる。
魔物たちにこき使われる主人公。このまま死ぬまでこき使われ続けるんだ、そんな不安が頭をよぎる。
↓前回
船長からこんぶを貰ったあとは、ひたすら肉体労働だ。たいまつを作ったり荷物を運んだり、がいこつにからかわれたり……。まぁ、からかってきたがいこつは倒して、今はただのしかばねみたいになってるけどね。
魔物は自分たちでできることでも押し付けてくる。さっきは船長からの心配りに感動したけど、やっぱり魔物は人間たちの敵だ。あーやだやだ。
むむむ?あ、嵐だ!大変だ、すごい嵐に巻き込まれたぞ!これ、船も危ないんじゃないか?ああ~、オロオロしてしまう、どうすれば~。
ひぃぃっ!す、すいません!こ、こういう危ないときこそ、自分みたいな捨て駒が体張って船を守らないといけないっすよね……!
ほ、本当は嫌だけど、今この船の上では自分は奴隷みたいな身分だから、仕方ないんだろうな……。いよいよ命を落とすことも視野にいれないと。せめて最後まで航海したかったなぁ。
えっ、船長……そんな、自分なんかに避難指示を……?危険なのはわかっていますけど、自分が安全な場所に隠れていていいんですか?や、やれること、あると思うんすよ!船長!
自分だけ安全な場所に隠れるわけにはいかないっすよ……!そうだ、さっきけしかけられて倒してしまったがいこつくらいは、一緒に避難させてきます!
し、しかばねいいやつ~~~~。こっちが調子に乗って倒してしまったのに、気遣ってくれるなんて……さっきはごめんな!またあとで戦おうぜ!
よし、ぐずぐずしていないで船の中に入ろう。それにしても船倉ってどこだ?
しんせつ~~~~。でも、こんな下っ端の自分だけ隠れていていいんすか?ゆうれいの皆さんも安全な船倉に行った方がいいんじゃ。
うわぁ、嵐がすごすぎて船が揺れる~~~。
えっ、不安がっているのを察して、安心させようとしている?ゆ、ゆうれい先輩……!
じ、自分もそう思うっす!船長はすごい人、じゃなくて魔物っす!そうか、指示に従って、やっぱり船倉に隠れた方がいいんすね!
笑い方怖いけど、いい幽霊だ。たしかに船長にさえ従っていれば、こんな嵐乗り越えられるはずだ!
しかし、船長だけじゃなくて他の魔物の皆さんも、ビルダーである自分の身の安全を確保してくれるとは、なんて親切なんだ。弱きを守る精神っていうのは、人間も魔物も関係ないんだなぁ。ありがとう船長、指示通り船倉に隠れてくるっすよ!
黙れ女ぁぁぁぁぁぁ!!!
船員の皆さんのありとあらゆる垢を煎じて飲め、きさまはぁ!!!
やっぱり魔物の方が優しいんじゃ?
(文・やなぎアキ)
↓最終話