モノを見る目というのは大切です。
そのものの価値を引き出すのは、見る人の「目」です。一般的にはゴミに見えるようなものも、その人によって輝く事もあります。
……さて、お待たせしました!
今日は元奴隷の5勇者さんに来ていただきました!元奴隷というだけあって、モノを見る目は厳しいみたいですね。何故かって?
他の人には残飯でも、彼にはご馳走。他の人にはただの樽でも、彼にとっては立派な船。他の人にはゴミに見えるものでも……彼にとってはお宝物、ということも。
おやおや、水色の髪をした娘さんが応援に来てるようですよ。パパ頑張って!との事です。
さすが、生まれつき王族として育ってきただけあって、気品のあるお嬢様です。お母様も本当に気品溢れるお方ですね。いやぁ、お美しい!
元奴隷の5勇者さん、本日の意気込みをお願い致します!
「えー、今日は色々なアイテムが見られると聞いて楽しみにしています」
ありがとうございます。こちらも判別を楽しみにしております。何やら、名産博物館という施設を運営なさっているとか……?
「はい、世界を旅したので、その土地その土地の名産品を集めて、飾っていますよ!」
それは素晴らしい!
聞いた話だと、結婚式の引出物としてもらった紅白まんじゅうも飾ってあるとか。元奴隷だから賞味期限という概念がないのでしょうか。
「わはは、チョコも飾っていますよ、私は」
……なるほど。糖分は貴重だから、ついつい保存したくなっちゃうのでしょうか?
前置きはここまでにして……それでは早速、本日の品物をご紹介していきましょう!
今回の品物はどれも、我々凡夫からすると「何でもない品物」ばかり!
しかし中にはそれなりの価値あるものが眠っているかもしれません。その真価を見抜いていただこうではありませんか!!!
ホットストーン
「あ、これは名産品ですね」
え!?
即決で判定なさるんですね。
どの辺りが即決の決め手となったのでしょうか?
「流行ってるんですよ、ホットストーンって。これをマッサージに使うと、どうやら血行が良くなるらしいんですよ。岩盤浴&マッサージといった具合で。身体が芯から温まるので、新陳代謝の促進やむくみの改善も期待できるらしいです。だからこそ、これは名産博物館に飾る価値アリですね」
おおお!さっそく出ました、博物館OKのアイテム!
いやー、これは本日、絶好調の予感です。まさかこのあたたかいだけの石に、そんな利用価値が……!私なんかは奴隷になったこともないので、そうした生活の知恵というものに疎いものでして、5主人公さんはすごいなって感心させられます。
続いての品物はこちらです。
古代の化石
「あ、これは名産品ですね」
え!?
即決で判定なさるんですね。
どの辺りが即決の決め手となったのでしょうか?
「これは、伝説の龍・ティラノスの化石です。この金色に輝くツノが特徴なんです。学術的な価値も高いと思いますよ。これは名産博物館から一歩たりとも外に出したくないほどの品物ですね。そこらの学者さんたちは研究したがるようなシロモノだと思いますよ!」
なんと!博識でいらっしゃいますね!
この化石で、名産品博物館の名声もさらに高まるでしょう。ただのホネかと思って捨ててしまうところでした……危ない、危ない。
さて、続いてはこちらです。
アンチョビサンド
「あ、これは名産品ですね」
え!?
即決で判定なさるんですね。
どの辺りが即決の決め手となったのでしょうか?
「美味しそうだからです」
なるほど。やっぱり食べ物が大好きなんですね。
続いての品物はこちらです。
人魚の月
「あ、これは名産品ですね」
え!?
即決で判定なさるんですね。
どの辺りが即決の決め手となったのでしょうか?
「おとぎ話にもなっている人魚物語のなかに出てくるアイテムなんですよ。いやぁ、海底都市として海に沈んでいったものだとばかり……。これは大切にしておきたいアイテムですね。非公開もアリ、とだけ言わせていただきましょう」
それほどまでに価値が……!
ちょっと私、混乱してきました。
今日は豊作ですね!盛り上がってきましたよ!
続いての品物はこちらです。
キーファの置手紙
「ゴミなので今すぐに捨ててください」
わかりました。
続いての品物はこちらです!
闇のルビー
「あ、これは名産品ですね」
え!?
即決で判定なさるんですね。
どの辺りが即決の決め手となったのでしょうか?
「ほうせきは、キラキラしてとってもきれいだからです!たからものです!」
なるほどなるほど。
すごいですね〜キラキラしてますね〜。
本日はありがとうございました。
「いえいえ。ところで司会者さん。司会者さんはふしぎなお財布をお持ちですね」
ふ、不思議……ですか?
ただの財布ですが……。
「そうか、ただの財布って言うんですね。その財布をちょっと見せてくれませんか?」
えぇ〜。
いきなり自分の財布を渡すのはちょっと……。
「アハハ……。べつに、盗むつもりはないでしはよ。信用してほしいな」
じゃ、じゃあ……どうぞ……。
「本当に、きれいな財布ですね。はい、ありがとうございました。司会者さん、お父さんを大切にしてあげるんですよ。どんなツライことがあっても、負けちゃダメですよ」
わ、わかりました……!
ありがとうございます、そうします。
今日は本当に、ありがとうございました!
元奴隷の5主人公さんでした〜〜〜。
皆さま最後に盛大な拍手をお送りください!!!
結論。
5主人公はドラクエ7だと詰む。
(文・深々シン)
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