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【ドラクエ7】マリベルというキャラを始めて見たときの感想

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マリベル。毒舌でわがまま、主人公をいつも振り回し、かと思えば気弱な面を見せ、「あたしもあんたのことずっと覚えててあげよっかなぁ」と言ってのける少女。

 

マリベルは今や「早すぎたツンデレ」の称号をほしいままにしている。

 

そんなマリベルだが、今彼女に抱く印象と、当時初めてマリベルを見た時の印象はだいぶ違う。当時はツンデレなんてもの知らなかったため、彼女をどう称していいかわからなかった。

 

ドラクエ7は仲間会話ができることで有名だ。今はもう珍しいものでもないが、それまでのドラクエは仲間というのは特定のイベントでしか話さないものであり、それ以外は押し黙っているものだった。仲間会話ができたことにより、仲間の造形がより深まったといえよう。

 

当然ドラクエ7では仲間会話をガンガンに使う。誰かに話しかける度に仲間に話しかけてしまう。

 

そうした中でマリベルに抱いた気持ちは、

 

「こいつ、なんなんだよ」

 

だった。

 

そもそも初めてマリベルに会ったときから、

 

「こいつ、なんなんだよ」

 

だった。

 

あまりにもわがまま。あまりにも自分勝手。こんなやつがドラクエにいるのか……。

 

一緒に旅をしていくなかでも、なんというかやる気があまり感じられない。これまでのドラクエであれば、みな勇気があり困っている人は放っておけず、率先してガンガン戦っていく仲間ばかりであった。マーニャだって一見だらしないが使命感には満ちていた。

 

それがマリベルはどうだ。

 

事あるごとに不満たらたら、戦闘中はぎゃーぎゃーうるさいし、全然これまでの仲間とは違う。勇気をもって旅をするものだと思っていた私は、マリベルというキャラクターがあまり好きにはなれなかった。

 

今ならわかる。ドラクエ7というのは、そういう普通の少年少女たちの物語なのだと。だからこそのマリベルなのだと。誰もが特別な戦士や魔法使いというわけではなくて、なんでもない存在だっていて、それでもなにか特別なことができるんだよ、という。キャッチコピーである「ひとは、誰かになれる」というのはそういう意味もあるのではないかと。だからマリベルはこれまでのドラクエの仲間とは違って、ある意味普通の人なんだ、と。

 

だがそういうところまで当時は気が回らなかった。ただただマリベルのその普通さが私にとっては異様で受け入れられなかった。

 

恰好だって、マリベルはあまりにも旅をするスタイルには見えない。ごくごく普通の町人のような服装。続々と仲間になるガボ・メルビン・アイラのなんと旅人らしいことか。マリベルが浮きまくっている。旅なめとんのかとさえ思ってしまう。おめぇそんなカッコで旅なんてできると思っているだか?と思ってしまう。

 

イラストだってあんまり好きじゃなかった。憎らしい顔をしていて、つっけんどんな印象がすごかった。パッケージイラストを見て、「なにを偉そうにりんご食っとんじゃ」と思っていた。理不尽。

 

挙句予告なくパーティーを一時的に抜けるし。勝手すぎる。王子も勝手ならお嬢も勝手か。信じられるのは自分だけだな。OK、君のことはもうパーティーにはいれないよ、弱いし。当時は力こそが強さ思考だったため、マリベルのような魔法使いキャラ自体そんなに使う気も起きなかった。脳筋。

 

どうしても受け入れられなかった。ドラクエ7は女性キャラが微妙すぎる、と思っていた(突然のアイラdis)。

 

 

 

 

 

今?

 

 

 

 

今めちゃくちゃマリベル好き。

 

 

 

 

最高。

 

 

 

見た目から言動から何もかも好き。

 

 

 

 

ヒーローズ2とかめっちゃマリベル使っちゃう。

 

 

 

 

つんけんな台詞全部かわいい。わがままな行動全部いとしい。

 

 

 

 

自分の了見が広くなったのか、リメイクやスピンオフでのマリベルがオリジナルより愛らしくなったからなのか、印象が180度変わった。

まさしく「早すぎたツンデレ」ということなのだろう。

 

マリベルに「つまらなかったわ。じゃあね」って言われたい。

 

(文・やなぎアキ)

 

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