所詮モンスターなのです。やはり相いれなかったのです。
農業の島モンゾーラ。主人公たちは一生懸命ものづくりに励み、泥だらけだった土地を豊かにしようとみんなで協力していました。
農業の知識にたけた住民たち、町を守る衛兵、そして……土をきれいにしてくれるおおみみず。
その日は突然訪れました。
「この街はぼくがこれから支配するぞーーーーーー」
ウネウネウネ
「ぼくがいなければ君たちは満足に農業ができないだろーーーーー。敬え敬えーーーーーー」
なんということでしょう。みみずんが突然高台に乗り出し、街の乗っ取りを高らかに宣言したのです。きれいな土を人質(土質?)に取るなんて、卑劣です。
「さぁほら、草原だんごを100個ほどもってこーーーい」
ウネウネウネウネ
「ドルトンのこやしでなんか作るんじゃないぞーーーー。言わなくても分かっているだろうが、それ相応のこやしで作るんだぞーーーーー」
草原だんごを100個だなんて、横暴がすぎます。それを与えたところで、彼はもはやきれいな土を作ってくれそうもありません。
それにしてもそれ相応のこやしとは……?誰のこやしならいいのでしょうか。
「なんだお前、ガン飛ばしてるんじゃないぞーーーー。ぼくの機嫌一つでこんな街いつでも泥だらけにしてやるんだぞーーーー」
ウネウネウネウネウネウネ
なんと、完全に危ないやつです。目を合わせてはいけないようです。
「あっはっはっはっは。高所から見下ろすニンゲンたちは格別だなぁ!!!」
ウネェェェェェェ。
なぜこんなことになったのでしょうか。やはり彼もモンスター。人間にこき使われるのは嫌だったのでしょうか。そういえば彼は目がありませんが、どうやってニンゲンたちを見下ろしているんですかね。
完全に怯えてしまっている街の人々。みみずんは大笑いです。
どうしましょう……。
おお!シドーさん、どうやらやる気満々です!神妙な面持ちで、今からみみずんをどうやっつけてやろうか考えているところなのでしょう!
ドルトンも同様のようです。勇ましいひげを持っている方はやはり違いますね!
一体どんな作戦でみみずんをこらしめるのでしょうか。
ああーーーー!もう一本の柱の上に、衛兵ジバコさんが!!もしや、そこからジャンプしてみみずんに斬りかかる作戦では!?
さすがシドー・ドルトンさん・ジバコさん!完璧な作戦だ!
おおみみずが状況を把握して、柱を降りて反省する5秒前。
「あれ?もしかしてぼく、倒されちゃう?」
(文・やなぎアキ)