さて、突然ですが、皆さんは仕事の疲れをどうやって癒してますか?
スポーツ、マッサージ、旅行……
人によって色々な解消法があると思いますが、たまにはパーッと飲むのも良いですよね!出来れば優しくて可愛い女の子がいる店で!!!
これは男女関係なくそうではないかと思います。
※大いに個人差があります。
ここはドラクエ8で最初に訪れる街、トラペッタ。個人的に怪しいなと思う人がいれば石を投げつける事が許される、そんなサバイバルタウン。
※あくまで参考画像です。
こんなサバイバルタウンで生きていこうとすると、やっぱりストレスがたまるもの。
ほら、今夜も愚痴が聞こえてきましたよ……?
「イバる上司!ガサツな同僚!まったくよ、やってられんぜ!」
おやおや、こちらの青年、どうやら仕事仲間に不満があるご様子。
仕事仲間って、なかなか選べるものではありませんからね。
つらい気持ちはわかります。
「はぁ〜……バニーちゃん……」
そう言って石ころを蹴飛ばす青年。
そう、この街の男たちの癒しは、酒場のバニーちゃんなのです。
「あぁ……バニーちゃん。ちょっと笑みを浮かべてるのがたまらないんだよなぁ」
たしかに。
芯の強さと自信を感じさせる素敵な表情です。
媚びを売るでもなく、気品すら感じさせるその表情……サバイバルタウンに咲く一輪の花、とでも申しましょうか。
「ふへへ……あの子、座ってる時にちゃんと手を揃えて膝に置くんだよなぁ。あぁ、バニーちゃんは最高だなぁ!!!」
こらこら青年!
どんどん独り言が大きくなってるよ!
まだ昼間なのに……
周りの人に迷惑をかけたらダメですよ!もう!
でも本当に、このバニーちゃんは座り方が可愛いんです。だってほら、姿勢もピンとしていて、とってもお上品。
ほら、素敵でしょ?
こりゃあ、若者は心を射抜かれますよ。
青年がこんな夢中になるのも無理はありません。
「……ったく……あんな汗臭い連中と一緒にいたらバニーちゃんも僕に声かけにくいよな。今度は1人で行かなきゃ……クフフ……」
「そうだ……!サプライズで今から行っちゃおうかな?この時間帯だと他の客もいないし、マスターさえいなければ2人っきりになれるかも!?」
こらこら青年!
それは明らかな迷惑行為ですよ!
「バニーちゃんも、きっと僕に会いたいしなぁ……へへへ」
こらこら青年!
もしかして本当に行く気ですか!?
まだ昼間ですよ?絶対にイヤな顔されますって!
やめておきなさい!
「昼間から会うのは、僕のエゴじゃない……バニーちゃんも僕に会えたら嬉しいに違いないから……」
こらこら青年!
こらこらこら青年!!!
あー、もう。
ついにお店に突撃しちゃいました。
冷たい態度取られて傷つけばいいんです。ぷんぷん。
ほらほら、バニーちゃん。
ビシッと言ってあげてください!
優しい!!!
優しすぎるよ、バニーちゃん……!!!
営業時間外に押しかけた、ただの迷惑客なのに……
ところで、なんで営業してないのに飲み物持って歩いているのかな?片付けかな?
……っていうか。
さっきから出てた「青年」ってお前かよ!!!
迷惑かけちゃダメでしょ!世界救いなさいよ!
まったくもう!「ほへぇ?」じゃないの!こら!仲間の悪口言っちゃダメでしょ!
馬車に戻りなさい。
戻りなさいって!
あっ、ダメ!ダメよ?マスターに文句言いに行っちゃ!この時間帯に飲ませろだなんて横暴が過ぎるわよ?
ざまぁみろ!!!
ほら、怪しいやつだと思われてるよ。
外をうろうろしてろなんて、怪しいヤツにしか言わないもの。
だから、なんで意外そうなのよ〜!?!?
ほらほら、ちゃんと外でうろうろしてきましょうね。
「くそっ……あの店主め……僕とバニーちゃんの仲に嫉妬してるんだ……引き離そうったって、そうはいかないぞ。くそ……」
青年、爪を噛みながら店の前をうろうろしてます。ちゃんと夜まで待ってくれるだけよしとしましょう。
えらいえらい。
……ほら、もう夜になりましたよ〜。
良かったですね!
これでバニーちゃんに会えますね〜。
ちゃんと大人しくしてるの偉かったですね〜。
「フフ……バニーちゃん、僕のことばかり考えているんだろうな……。夜が待ち遠しかったのは、僕もだよ……」
あっ!店に入って真っ直ぐバニーちゃんに向かっていくのはやめなさい。怖いから。
「バ……バババ、バニーちゃん。僕だよ。来たよ……。い……今、何考えてたの?教えて教えて!」
バニーちゃん、他の客のことを考えてました!
ざまぁ、2度目!
ほらほら青年!またびっくりするのかい?
「バニーちゃん……泥酔した客の心配まで……。天使だ。君は天使だぁ」
おっと、そっちに傾きましたかぁ。悪くない。悪くない傾向ですよぉ〜。
どうか、このまま真っ当に生きていって欲しいです。
「でも……ルイネロとか言うやつ……僕のバニーちゃんに迷惑かけやがって。許せない……許せない……」
青年、それは嫉妬ではなく屈折した正義の心ですか?
だめですよ、あなたはこれから真っ直ぐに生きていかなきゃいけないのですから。
さぁさぁ、馬車に戻りましょう?
「……僕がバニーちゃんの事を守れるって、ちゃんとアピールしなきゃいけないんだ」
「バニーちゃんの周りにいる有象無象にも、僕の力を見せつけなくちゃ」
「バニーちゃん、知らないんだろうな。僕が強くて力持ちだってこと……。不安だよね、愛する人がどれだけ強いかを知らないのは」
「悲しい……悲しいなぁ……」
「そうだ!強いところをみせればいいんだ!」
「きひゃっ!くははっ!あはははははははははははははっ!!ひゃーはっはっはっはぁ!!」
「ほらっ!男らしいだろー?」
あぁ、もう!青年の馬鹿!
ほら、バニーちゃんも怒ってるはず……
ごめんね、バニーちゃん!
あれ、バニーちゃん……?
バニー……さん……?
バニーちゃんの表情が見えないのが怖い!!!
恋愛で「ガンガンいこうぜ」は、時に犯罪的です。
【筆者注】
この記事で出てきた青年はあくまでイメージです。
決してドラクエ8勇者ではありません。
彼はヤンガスのことが大好きですし、節度のある人間です。
ミーティア一筋です。
DSリメイクはされていない世界線です。
(文・OGTキシン)
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