星のドラゴンクエストの案内役モガマル。
2015年にリリースされた同ソシャゲ。およそ7年、モガマルは活躍し続けてきた。
ソシャゲにはシステムの説明をしてくれる案内役がいることが多い。
特に主人公が喋らないドラクエにはつきものだ。
ドラクエウォークにはスラミチがいるし、けしケシにはステイシーがいる。
そして星ドラはモガマルだ。
このモガマル、なんとなく他の案内役と一線を画している感じがする。
案内役というのは皆それぞれ個性があるが、モガマルのそれは強烈だ。
モガマルのリアクションはいつも大げさである。
「わぁ、魔物がいるよ」とか「大変、助けなくっちゃ!」みたいな定型文をしゃべるだけでもいいところを、モガマルは一々うるさい。
「モガーーーー!!!」と目ん玉飛び出して驚いたり、「モガブル モガブル」と謎の擬音で震えてみたり、感情表現が豊かだ。
喜怒哀楽が激しく、しゃべらない主人公たちの存在を補って余りある勢いの良さがある。
普段は本に閉じこもっているガイアスも、ひとたび出てくればモガマルとの軽快なトークを楽しんでいたり(?)する。
表情も豊かで、なんだか煽って見える笑顔なんか最高だ。きょとんとした顔や、怒りを爆発させている顔など表情筋を前回まで使っており、一介のモンスターにはとても真似できない。
たまに、主人公そっちのけで肩に乗せているスラッピと言い争いをしたりなど、プレイヤーの意思関係なくモガマルというキャラクターが彼自身の生を歩んでいるようだ。
正直ハマらなければちょっと鬱陶しいキャラクターだ。必要以上に怒ったり必要以上にビビったり、そういうことが彼は多い。
しかし、そのおかげでプレイヤーのことを代弁してくれることもある。
モガマルがモガマルだからからか、星ドラはその他も登場人物の個性が強い。通りすがりのモンスターですら異彩を放ってくる。
いやなんだよこいつ!と思わせるセリフを吐くものの多いこと多いこと。
その際にモガマルはいつも最大限に力で突っ込んでくれる。
スラミチが「ええ……それは変だなぁ」と濁すくらいで済ませるところを、モガマルは「モガッ!?こいつ○○が××で△△だぞ!?」と全力で突っ込むのだ。
そこまで言う?ってくらい突っ込むのだ。まず「モガ」という言葉を感嘆詞にしているのがもうめちゃくちゃ。それだけで個性爆発。
自分勝手な依頼人の依頼にも全力で抗議をする姿は、品行方正な案内人にはまねができない。
ソシャゲではあるあるなお使い的なストーリーにすら彼は抗議する。まさしくプレイヤーの代弁者。そしてあまりにも感情全開で彼が叫ぶものだから、「おいおい落ち着けって」とプライヤーが冷静になるのにも一役買っている。ストレスがたまりそうなところを、モガマルが上手く発散させているのかもしれない。多分考えすぎだけど。
星ドラは、それまでモンスター主体のソシャゲが多かったドラクエ界で、ようやく人間キャラでドラクエというRPGを遊べるソシャゲとして登場した。
その分気合も入っていたのかもしれない。
どうせなら案内役も気合を入れなければと。
その結果できたのが、あの強烈個性のモガマルだったのならばなんだか納得だ。
これからもこれまでも星ドラの世界をひときわ盛り上げてくれているモガマル。
星ドラが続く限り、今日もモガマルは声を張り上げている。
(文・深々シン)