乙女ゲームというジャンルがある。
主人公がイケメンたちに囲まれて、イケメンたちと仲良くして、その中の一人と結ばれるために好感度をあげたりイベントをこなしたりするキャッキャウフフなゲームだ。
舞台は学園、戦国時代、オフィスなど多岐にわたる。
そんなわけで、といういつもの雑な入りで、ドラクエのラスボスたちがもし乙女ゲームの攻略対象だったらどんなキャラクターなのかを考えてみよう。
舞台はもちろんドラクエ世界。主人公の設定は、魔王軍の新米幹部ということにしよう。
ちなみに筆者の乙女ゲーム経験は一本がっつりプレイしたくらいで、あとはソシャゲのそれっぽいのをチュートリアルだけやってアンインストールする、その程度のものである。
ラスボスは、2はシドー、10はネルゲル、11はウルノーガと定義する。
りゅうおう
チュートリアルでなにかとお世話になるキャラクター。
性格はわりと優しめで、そつなく世界征服を目指すりゅうおうの姿に、新米幹部である主人公は徐々に心惹かれていく。
ローラ姫のいる部屋の前を守る役目を買って出ると、好感度がグーンと上がる。
主人公からの告白イベントのセリフは「私の人生の半分をあなたに捧げます」。
シドー
手が付けられない破壊神。先生すら口出しすることができない不良生徒の上位互換。
頭も悪いし、話も通じないし、手あたり次第に破壊するしで第一印象は最悪だろう。
だが、意外と情に熱かったり、破壊だけではなく創造にも興味があるという面を知れば一気に距離は縮まるはずだ。
最初は破壊神の姿をしているが、恋愛イベントをこなしていくうちに少年の姿も見せてくれる。エンディングのスチルは破壊神モードと少年モードどちらも用意されているぞ!
ゾーマ
魔王界のトップオブ魔王。学園ものでいうところのサッカー部のキャプテンで生徒会長で模試第一位の非の打ち所のないイケメンである。
あまりにも高みの存在のため、なかなか姿を現さないが、遠隔でのやりとりのなかで好感度をあげていけば自分のためだけに姿を見せてくれたりする。そんな特別感にキュンキュンすること間違いなし。
王者の剣を壊すことが出来れば確定でゾーマルートに入れる。壊すのに3年かかるので他の魔王の攻略に手が付けられないというのが正しいが。
喜ばれるプレゼントは悲しみの涙。
デスピサロ
イケメンなのでパッケージをかざる看板キャラ。
人間に憎しみひたすら憎しみを燃やし、仕事にまい進する彼の真剣な横顔に落ちてしまう新米幹部続出である。
人気投票は堂々の第一位。
ただこいつを攻略する場合、ライバルキャラクターのロザリーがいるため難易度はかなり高め。
ロザリーは確定で命を落としてしまうので、その後のデスピサロのケアをいかに入念にするかで真エンドが見られるかどうかが決まる。
ミルドラース
影が薄く、人気投票でも下位になりがち。
どちらかというと取り巻きのゲマやイブールの方がプレイヤーには人気で、どうしてこの二人のルートは用意されていないのかという苦情が出たほど。
そのため、のちにダウンロードコンテンツにてゲマやイブール、ジャミ・ゴンズなどのルートが用意された。
これによりますますミルドラースの影は薄くなることに。
変身後スチルは画面に全身がおさまっていない。
デスタムーア
見た目がおじいちゃんなため、いまいちな人気かと思いきや、素敵な夢を見せてくれると評判のロマンチックなキャラクター。
世界を作り出すほどの強大な力を手に入れており、やや近寄りがたい雰囲気を最初は出しているが、話してみるとわりと気さくなおじいちゃん。
好感度が上がると主人公と自分だけの夢の世界を作ろうとしてくれたりととっても健気で可愛い。
恋愛イベントの最後では最終形態のデスタムーアの両手に優しく包まれる。
オルゴ・デミーラ
いわゆるオネエ口調で話し、美しさを追求する美を担当するキャラクター。
田舎から上京してきたばかりの新米幹部である主人公のファッションを見て、悪態をつくところからスタート。その後はオルゴ・デミーラの指南を受けてどんどん主人公がおしゃれて美しくなっていくのが彼のルート。そして頭角を現す主人公。
しかしあるとき、オルゴ・デミーラのドロドロ形態を見てしまい、二人の関係にピンチが!?
でもそれを、愛の力で乗り越えるんだ!
私がオルゴ・デミーラ様を好きなのは、その美しさのためではありません……!のシーンは感涙必至。
エルギオス
今は亡き恋人の影を追い求める陰鬱としたキャラクター。デスピサロと同じくらい攻略が難しい。
彼の場合は魔王という立場でもないため、最初はなかなか接近することができない。彼の幸せをひたすら祈ることで心を開かせよう。
エルギオスと対等の関係になるために人間になる主人公。その姿を見てようやくエルギオスは過去の恋愛を吹っ切ることが出来るはずだ。
変身後の姿になってしまったら恋愛失敗、あきらめよう。
ネルゲル
デスピサロに負けず劣らずの美形で、オルゴ・デミーラと並ぶほどのお洒落さん。
彼を攻略する場合は数多居るライバルを蹴散らす必要がある。
なぜか彼の攻略中はオンラインモードが解禁されるため、他のプレイヤー、そうライバルたちと勝負をすることで好感度を上げていかなければいけない。幹部としての腕をしっかりと磨いていくことが大事だ。
変身後のゴリラのような姿でも愛せるかどうかが最終選択である。
ウルノーガ
圧倒的な頭脳を持つ天才だが、劣等感の塊。
普段は冷たいが、時折彼の善の心が見せるやさしさに主人公はときめいてしまう。しかし世界征服をするには善の心を捨てさせなければいけない!
主人公は心を鬼にし、ウルノーガの優しい一面を忘れなければいけないのだ。しかしそれこそがウルノーガと結ばれるためのただ一つの方法。
善の心を失い悪に染まった彼は、それでも主人公のことを愛し続ける。こうして二人っきりで手を取り合い、命の大樹を崩壊させる……。いい話だなぁ。
やりきった。
ラスボスと乙女ゲームをしたらどんな感じなのか、考え切った。
皆さんは誰を攻略したいだろうか。
私は、やっぱりデスピサロかな……。
(文・やなぎアキ)
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