ドラクエの歴代キャラクターの中には、作品をまたいで「こいつとこいつ似てるなぁ」というのがいたりします。
その中でも、トルネコとロウはなんだか雰囲気が似ています。
しかし当然彼らは全く違うキャラクター。
一体どこが同じでどこが違うのか、見てみます。
同じところ
見た目
一番最初に思うのはその見た目でしょう。
ふっくらどっしりとしたその体型はもちろんのこと、立派に蓄えたヒゲ、そして帽子。
似てます。
同じようなキャラならドラクエ5のサンチョもいますが、サンチョはオリジナルもリメイクもどちらも戦う気満々の風貌です。しかしトルネコとロウはあまり勇者と旅をするように見えないところが似ていますね。11の勇者が先頭になってパーティーが連なっているイラストでも、なんかロウは容器っぽいですし。ただ、蓋を開けてみれば二人ともけっこうなファイターなんですけどね。
荷物の感じ
これもそうですね。ドラクエを知らない人にキャラクターイラストをパッと見せたときに、恐らく同じようなキャラだと思うのではないでしょうか。
私も11のキャラクターデザインが初公開されたときには、ロウの体型と荷物を見て、商人系のキャラかな？と思ったものです。
まさかロウがツメを駆使する武闘家兼賢者ポジションとは。そう考えると異質なキャラですね、彼は。
ドラクエのキャラは軽装な場合が多いので、あの大きな荷物には何かあるに違いない！と思いました。
妻子持ち
ドラクエの仲間キャラで旅をしている時点で妻子持ちというのは非常に珍しいです。ドラクエ5の主人公という目立つ存在がいるため、そんなに意識しないかもしれませんが、ロウとトルネコの二人は妻子持ちキャラという稀有な存在です。ただしロウは妻を早くに亡くし、娘とその婿も亡くしてしまっていますが。
しかし、家庭を持った男性というこの二人は、若さが目立つドラクエキャラクターたちの中でも落ち着きがあるのが特徴ですね。さらには、常識的という面を持っていることも大きいです。家庭を持っているというわかりやすいキャラクターから、常識的キャラにする。複雑さがないドラクエらしいキャラ付けですね。
違うところ
身分
ぜんっぜん違いましたね。トルネコはただただ武器商人であり平民ですが、ロウはかつてのユグノア王国の先王。現役時代は賢王とも呼ばれた実力のある王様でした。
ロウが登場してからけっこうすぐその正体はわかるのですが、正直それまではやっぱりトルネコと同じようなものだと思いました。マルティナに付き従う召使的な存在で、商人としての才能を生かして旅の資金を稼いでいる的な。完全にロウの後ろにトルネコを見ていました。
むっつりスケベ
二人は基本的には常識的で落ち着いた雰囲気がありますが、決定的な性格の違いがあります。
ロウのむっつりスケベです。
彼は随所随所でむっつりスケベな面を出してきます。最年長として時にはパーティーを諭しつつも、そういったお茶目で親しみやすいところを見せてくれるロウ。
しかしトルネコにはそういった面はありません。仮にも愛する奥さんと子供が家で待っている身なので、そういった性格付けがされるのは問題だったのかもしれません。ロウも妻子持ちですが、そもそも鳥山明イラストのエッチなおじいちゃんというのは定石なので受け入れやすかったのでしょう。
旅の目的
トルネコとロウ、キャラクターデザインが似ているので一見すると似たようなキャラなのかと思いますが、決定的に違うのがこれです。
なぜ戦うのか。
トルネコは、世界のどこかにある伝説の武器を見つけ、あわよくば自分の店に並べるためです。武器商人らしい理由であり、自らの夢のためにレイクナバを飛び出した彼らしいですね。ただ、武器が欲しいだけであり他の仲間のようにデスピサロを倒したい！という理由ではないため、たびたび「なんでこいついるの？」とネタにされがちです。
そしてロウはといえば、祖国を滅ぼし、家族をも亡き者にした元凶を倒すために旅をしています。仲間になった後も、それは変わらず、加えて再会できた孫と二度と離れ離れにならないためというのもあるでしょう。
重い。
トルネコと比べるとだいぶ重い。
トルネコとロウってなんか似てるよね～でもここが違うか～ははは～とのんきに言ってられないくらい、ロウの旅の目的は重いです。
11のキャラクターデザインが出たときに、これはトルネコのポジションかぁ！と思った人は私だけではないと思いますが、蓋を開けてみれば全然そんなことありませんでしたね。
ドラクエはナンバリングだけでも11も出ている大作。常に大人でも子供でもわかりやすいキャラクター設定を持たせてくれているドラクエですが、けっしてそのキャラをかぶせないようにしているのがわかります。
しかし私は、もしドラクエ12のキャラクターデザインが発表されたら、
こいつは○○と同じキャラクターだな！
とかどや顔で思うと思います。
（文・リモート侍）
関連記事
