大魔王ゾーマ。
ひとつの世界を完全に手中に収めたことがある、大魔王のなかの大魔王です。
もちろん、戦いであればどんなものでも超一流!先週始めたばかりの麻雀だって、負ける気はさらさらありません。
……おやおやゾーマさん、なんだかとっても嬉しそうです。
一体どうしたのでしょうか?
バラモスさんが倒された時くらい高笑いしてます。
今回はバラモスさんはやられていないようですし……
ああ、どうやら、3日前の麻雀対決を思い出して笑っているようです。
ゾーマさん、先週に初めて麻雀をやって以来、もう完全に虜になっていますからね。勝利の味が忘れられないのかもしれません。わかります、わかります。
〜〜〜3日前〜〜〜
「ロォォォォン!!!」
ゾーマさんのカッコいい叫び声が鳴り響きます。先程から連戦連勝のゾーマさん。向かうところ、敵なしです。
あーもー、そんな事言っちゃって。
つい、調子に乗っちゃうんですよね。
「はいはーい!それもポン!ポンです!それ、わしのです!」
鳴いて鳴いて鳴きまくる。
ゾーマさん、絶好調です。
「ゾーマ様、強過ぎるでヤンスぅ〜」
麻雀歴10年のグレムリンくん、まったく歯が立ちません。魔王軍で1番強いハズなのに……
「ひぇぇ〜ゾーマ様にはまったく敵わないでヤンスぅ〜」
それにしても、グレムリンくんはどうしてリーチかかりそうになったら絶好牌を切るのでしょうか?
それなら!と、シドーおじさんが頑張ります。
「…………べほま」
どうやらシドーおじさん、今自分が何をやってるかよくわかっていないご様子。これでは勝負になりません。
「違うよシドーさん。ベホマは関係ないんだよ」
ゾーマさん、敵にアドバイスを送ります。今シドーおじさんに抜けられると成立しなくなるからです。
「そうそう、それをそこに置いて。それが一番いらないやつだからっ」
なんとゾーマさん、手牌を覗き込んでアドバイス。それはやり過ぎでは……。
でもシドーおじさんが嬉しそうだから、それで良いのかもしれません。
シドーさん、言われるがままに一筒を切ります。
「わははははははっ!」
おやおやゾーマさん、その捨て牌を見て高笑い。
一体どうしたのでしょう?
ま、まさか……
「はい、ロォォォォォォン!!!」
なんとゾーマさん、またもやロン。
これには思わずシドーおじさんも「!!!!!!」です。
こうして、麻雀歴4日目のゾーマさんは自信を深めていったのです……!
※画像は手をグルグル回して喜ぶゾーマさん
〜〜〜そして、今に至る〜〜〜
すっかり雀鬼として板についてきたゾーマさん。今宵も己の力を試すべく、新たな敵を求めて彷徨います。
今日はりゅうおうさんたちと雀卓を囲むようです。
さっそくりゅうおうさん、お出迎え。
いつもながら素敵な声と雰囲気。まさに洗練されたモンスターが集う、大人の空間です。
所詮は麻雀歴1週間目のゾーマさんのこと。
どうせ大した腕前でもないはずなのですが、りゅうおうさんは礼儀を忘れません。
「フ……よろしく頼みますよ、先輩方」
ゾーマさん、まるで「せいぜい楽しませてくださいよ……」くらいの態度です。それを口にしないの分別が残っていてよかったです。
……それにしてもゾーマさん、麻雀歴1週間なのに、風格がすごいです。
さぁ、早速始めていきましょう。
メンツは……おっと!?!?
「ロンッ!」
はやくも、小気味よい声が響きます。声の主はハーゴンさん。
それにしても早い!
小まめにたくさんあがっていく作戦でしょうか?
どれどれ、役は……?
なななんと、七対子でした!
それにしても誰でしょう?
こんな危険牌を振り込んだのは……
「グギギ……」
「ぐふぅっ!!!」
おやおや、どうやらゾーマさんのようです。
このど素人が。
気を取り直して……おや?
「ロンッ!」
またもや小気味よい声が響きます。「ロォォォォン!!!」なんて言うのはゾーマさんくらいなものらしいです。今夜は言えてないですけどね!
声の主は……おや!バラモスさんではないですか!
バラモスさん、接待をしないその姿勢、素敵です。
それにしてもこんな危険牌を捨てる、アホ丸出しの考えなしは誰でしょうか?
ゾーマさんでした!
オイお前、勝負をつまらなくしてるぞ。自覚しろ。
〜〜〜小1時間後〜〜〜
さてさて、勝負の行方はどうなったでしょうか?
……言うまでもありませんね!
ダンディなりゅうおうさんも、思わず狼狽。
今日はたまたま調子が悪かったことにして、優しくお引き取りいただきました。
「またいつでもおいで」りゅうおうさんの優しい一声が、心に沁みます。
……その後、代打として呼ばれたグレムリンくんが圧勝したのは、また別のお話。
「キャキャキャ〜!やっぱり麻雀は同じレベルでやった方が楽しいでヤンスぅ〜!」
(文・OGTキシン)