神に仕える身でありながら汚職に染まり、自身の欲のためなら手段も選ばない男丸チェロ。そしてククールの兄でもある。彼、かわいそうなやつだし、ククールもなんだかなんだ憎んではいないようだし、最終的には本人も反省してそうだし、リメイク版では助けに来てくれるし、でなんとなく許していたが、よく考えたら結構普通にやなやつ。許してはダメなのでは?ってくらいやなやつ。
もちろん二階から嫌味を言ったり、出会い頭に嫌味を言ったりということもあるが、そういうジャブ程度のものの話をしているのではない。
もっと根本的にいやなやつである。
厄介払いどころの話ではない
マイエロ修道院でオディロ院長が殺された後、ククールは敵討ちという名目で修道院を追い出されてしまう。ククールはこれを厄介払いで且つそのまま野たれ死んでくれれば好都合なのだろうと解釈し、実際その面もあるだろうが実際彼が考えていたのはもっとひどいことだった。
ドルマゲスを倒してもらうということには違いないが、そこでククールも含めた目障りなやつらを葬り去ろうとしていたようなのだ(夜の修道院でその旨が聞ける)。
ククールの想定のさらに上を行く計画。出先であわよくば死んでくれたらな~よりよっぽどたちが悪い。根っからの悪人である。
出世街道がどろどろにまみれている
とにもかくにも権力が欲しいマルチェロは、出世のためならなんでもやる。
賄賂も渡すし、汚い仕事にも手を染めるし、人の仕事も取るし。
ここまでのことをするのはマルチェロか、城の大臣かくらい。でもそういう大臣は大体魔物が化けているか魔物にいいように操られているかなので、純人間であるマルチェロがここまで汚いことに手を染めているのが問題。仮にも聖職者だろうが。
そもそもあの世界の教会は全体的に腐っているのでマルチェロに限った話ではないのだが。
この出世欲のせいで身を亡ぼすことになるわけだから、もう少し自重していただきたい。
そんなわけないのに罪を着せてくる
暗黒神の杖を追って法皇を守るために法皇の館にやってきた主人公たち。無事暗黒神に憑かれたレオパルドを倒し暗殺を未然に防ぐことができた。
これは大手柄。さすがのマルチェロも称賛してくれるに違いない!
と思いきや、なんと主人公たちをニノ大司教に雇われた暗殺者だとして牢獄にぶち込んだのだ!オディロ院長をドルマゲスに目の前で殺されているマルチェロがそのような勘違いをするはずもないため、もちろんわざとである。まさに邪魔者をまとめて葬り去ったのだ。
この時のセリフで、主人公一行を「誰とも知れぬごろつきども」と呼んでいるのが最悪。仮にも弟いるんですが?
ニノ大司教が体を張ってくれなければ監獄で死んでいただろうことを考えると、マルチェロの犯した罪は重い。
法皇暗殺
やべーよ。人殺しちゃってるんだもん。直接描写はされていないけど、絶対マルチェロがやってる。
それがたとえ多少か杖の影響によるものだとしても、杖に完全に屈したわけではなかったわけなので彼の意志によるところが大きい。
人を殺すのはNGすぎる。欲のために殺したのが最後の賢者の末裔だったのもよくない。
法皇はマルチェロのことを本気で心配し、これ以上道を間違えないようにそばに置き、彼を諭そうとしていた。そこで、そこでちょっとでも己が身を振り返っていればあんな凶行には及ばなかっただろう。我が道を進むことに一切の葛藤も後悔ない、それがマルチェロ。
世界を牛耳ろうとしやがる
肥大化した欲望はとどまることを知らない。
法皇を殺して自身が法皇になったマルチェロは大勢の前で演説する。
これが途中まではけっこうちゃんとしているのも腹立つ。生まれだけで地位が決まるのはおかしい。それが一体我々に何をしてくれたのかと。う~んたしかに。
だがそのあとで、自分に従うか死ぬかだ!と無茶苦茶な二択を迫ってくる。もうめちゃくちゃ。暴走しすぎ。力に溺れすぎ。
そんでもって全力でこちらを殺しにかかってくる。この時点ではマルチェロはばりばり自我が残っているため、ゼシカと戦うのとはわけが違う。ククールは嫌だったろうなぁ、戦うの。魔物に操られているとかなら全然よかっただろうに。
ドラクエのこういう闇に落ちた人間キャラといえば11のホメロスがいるが、ホメロスより野心が強い分厄介。マルチェロならヤヒムも殺していたかもしれない。こわい。
でも最終的にはホメロスより許されていると思う。これはククールのおかげだろうか。一番憎んでいるであろうククールが許して、それを少なからずマルチェロが受け入れたら、外野である我々はもう口を出すべきではないもんなぁ。
でも振り返ってみると本当に悪いことばかりしている。その後の人生はしっかり贖罪よろしく。
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