ドラクエの曲の中で、このタイトルはいいなぁと思ったものをあげていく。曲ではなくタイトルそのものにフォーカスを当てたい。
前編はこちら
なおタイトルの横のナンバリングは、初登場時の作品を記載。
そびえ立つ死の気配(ドラクエ9)
塔で主に流れる曲。
ドラクエは基本的に同じダンジョンでも洞窟と塔は違う曲を使う。このときタイトルには大体「塔」というワードが入る。
が、こいつは違う!そびえ立つんだ、死の気配が。どうだこの表現力。これだけで、洞窟ではなく塔なんだなということを伝えてくる。シンプルにうまい。そのものずばりのワードを使わずにそれを表すようなタイトル、好き。
ただ、5の「死の塔」も好き。余計な情報をそぎ落としてシンプルに怖さを伝えてくる。死の塔て。
主なき神殿(ドラクエ9)
ラストダンジョン、絶望と憎悪の魔宮で流れる曲。
なんだろう、9はタイトルがちょっと詩的な気がする。
6なんて「ラストダンジョン」だ。これはこれですごいかっこいいけど。
子のダンジョンはもともとは神の国だったので、主というのはつまり創造神グランゼニスのこと。その主がいない神殿、それがこのラストダンジョンなのである。
かなりかっこいいタイトルだ。直球で伝えるのではなく、ワンクッション置いてくるところ、憎いねぇ。
遥かなる旅路(ドラクエ2)
仲間が三人揃うまでのフィールド曲。
フィールド曲のタイトルの中では一番かっこいいと思っている。これから始まる壮大な冒険をタイトルだけで表している。「遥かなる」がもう良すぎる。曲自体もすごいいいのにタイトルもいいってなに?
三人揃った後の曲タイトル、「果てしなき世界」もいい。二つを合わせて、「遥かなる旅路 果てしなき世界」とか歌詞じゃんもう。
この2ワードを入れて一曲歌詞を書きなさい、とかいうお題を出して色んな人の歌詞読みたいよもはや。やろうよその遊び。
もう一つの世界(ドラクエ6)
これは上の世界のフィールド曲。
ストーリーを始めたばかりだと、下の世界が幻の大地に思えるが、上こそが幻の大地。そう、もう一つの世界だと知る。それをタイトルで表している、つまりネタバレタイトルである。こういう仕掛け、好き。
もしも曲タイトルだけ先に知っていたら、「なんでこっちのフィールド曲がもう一つの世界なんだ……?間違いなわけはないし、何か意図が?」と勘ぐっていたと思うので、クリア後に知ってよかった。
ストーリーに関連するタイトル、いいよなぁ。
アレフガルドにて(ドラクエ3)
ご存知、下の世界、アレフガルドのフィールドで流れる曲。
シンプルながらかっこいいタイトル。「にて」がいい。
書物とかに書いてありそうな一語、「アレフガルドにて」。それゆえに、今まさに後の世に伝えられるであろう伝説が生まれていることを実感できるタイトルである。
ロトシリーズの最後にして、自身が伝説の始まりである本作だからこその曲タイトルではなかろうか。「にて」がなぁ、いいんだよなぁ。
血路を開け(ドラクエ7)
戦闘時の曲。
このタイトルから伝わる緊迫感!
戦闘曲のタイトルはどれもこういった緊迫感を伝えるようなものが多いが、このタイトルが一番好き。
戦闘におよそ無縁な少年たちには似使わない「血路」という言葉。「活路」ではなく「血路」なのがいい。怖い。
が、そこからの「開け」が力強さを感じさせる。いいタイトル。
PS版では戦闘中も仲間会話ができるが、最初はおどおどしていた仲間たちが旅を進めるごとに自信をつけていく様子が見られる。血路を開いていったんだなぁ。
不死身の敵に挑む(ドラクエ5)
ボス戦の曲。
これいいよね~。いい。いかにもいつもとは違う強大な敵と戦うんだなというのがタイトルに現れている。
このタイトルを見ると、特に幼少期のボス戦のことを思い出す。別に相手は本当に不死身なわけではないのだが、子供のときはおやぶんゴーストにしろゆきのじょおうにしろ、とても恐ろしい存在だった。その時の心境がこのタイトルに現れているのではないかなぁと思う。
子供の頃は怖かったものが、大人になってから見ると大したことないってこと、あるんだよなぁというのを思い出させる良タイトル。
ドルマゲス(ドラクエ8)
タイトルの通り、ドルマゲス戦の際に流れる曲。
いやこれかっこいい。かっこいいです。だって本編を全部知ったあとだと、ドルマゲスってただの通過点なんだよ。でもあの時点では間違いなくラスボス(たとえまだまだ旅続くんだろうなと察していたとしても)なんだよ。それゆえに名前を冠されてるのまじでかっこいい。
その後も何回かボス戦でこの曲は使われるのに、タイトルは「ドルマゲス」なんだ。それだけインパクトの強い敵だった。間違いなくこれはドルマゲスのための曲。
同じような立場の敵だと、6のムドー戦の「敢然と立ち向かう」が「ムドー」という曲だったら、それはそれでやっぱりかっこよかったと思う。もちろん「敢然と立ち向かう」というタイトルも好き。
勇者の挑戦(ドラクエ3)
言わずもがなゾーマ戦で流れる曲である。
挑戦。挑戦なんだよ。あの戦いはまさに勇者にとっての挑戦。挑み、越えなければいけない最後の試練なのだ。
ゾーマの恐ろしさではなく、勇者の、つまりはプレイヤー自身の心情を投影させたタイトルである。
もちろん曲自体もめちゃくちゃにかっこいいのだが、このタイトルもまた曲の人気に一役買っていると思う。
そしてタイトル通り、すごい勇ましいんだよなぁ~。すぎやまこういち先生ほんとパない。
エデンの朝(ドラクエ7)
プロローグで流れる曲。というか、プロローグでしか流れない曲。しかもなんとリメイク版ではカットされてしまった。
なんて爽やかなタイトルなのか。平和な世界から始まるドラクエ7で、最初に流れる曲としてふさわしいタイトル。
彼らの旅路に話タイトルをつけるなら、第一話は絶対にこれ。第一話 エデンの朝。ハイ決まり。
海辺の朝ならではのひんやりして潮の香を含んだ風が鼻腔をくすぐる、タイトルだけでそこまで感じられる。ああ~いいタイトル。
この朝から、世界を本当の姿に取り戻す旅が始まるんだなぁ。
トンテンカン(ドラクエ10)
不思議な鍛冶をする際に流れる、あの楽しげな曲だ。
なんだろう、いつもなら「楽しい鍛冶屋」とかつけそうなところを、オノマトペだけで済ましているところが最高によい。
トンテンカンて。
ドラクエの曲タイトルの中でもかなり異質だと思う。
実際曲もトンテンカンって感じでいい。タイトルをつけるときは、そんなに肩ひじを張らなくてもいいのかもしれない。
オーレ! シルビア!(ドラクエ11)
説明不要すぎる。
こんなのいいに決まっている。
一番いいまである。
エンディング曲のすべて
ずるいと言われても仕方がないが、そうなんだからしょうがない。
エンディングで流れる曲には、作品のサブタイトルがそのままついているものもあり、そりゃあいいに決まっているだろうと。「そして伝説へ」とかなんだもの。
サブタイトルではないものも「この道わが旅」「結婚ワルツ」「時の子守歌」「凱旋そしてエピローグ」など珠玉のタイトルの数々。さすがエンディング、気合が入っている。
以上、曲のタイトルにだけ着目してみた。
ナンバリングタイトルだけでも11作品あるため、さすがにすごい長くなってしまった。
それゆえに、「え、あの曲は入れていないの!?」とかもあるだろう。自分でも「これいれないの!?」となっているくらいである。
それくらいに、いいタイトルが多い。多いというか、全部いい。
これ入ってないのか~というものについては、ぜひご自身で熱く語っていただきたい。
ドラクエの曲、いいよな~。
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