プチャラオ村の名物、壁画の乙女。そこに眠るのは恐ろしい魔物であり、人の欲につけいり絵画の世界に引きずり込んでしまう……。
魔物の名はメルトア。美しくも恐ろしい巨大な魔物だ。
それでは欲のないものは大丈夫なのかというと、彼女は言う。
欲深くない者の前には少女の姿で現れ
人の善意につけ入ってあざむき
壁画の中に引きずり込むのだ……。
まさにその通りで、絵画のご利益にこれっぽちも興味がない勇者とシルビアの前に、彼女は少女の姿となって現れた。
迷子の少女メルを心配し、旅の一行は彼女の両親を探すのを手伝ってあげる。
そしていつしか彼らも絵画の中に入っていってしまうのだ。少女を助けるため、少女が魔物だとも知らずに。
これ、見てるとメルのこと認識してると確定ができるの、勇者とシルビアだけなのだ。
途中メルがいなくなってみんなで探す時間もあるのだが、他のメンツは二人に言われたから少女を探しているだけ。誰も会っていない。
メルは村から壁画に向かう間の道で泣いている。シルビアはそこで心配をして声をかけている。しかし、その先の壁画にはすでにカミュとベロニカとセーニャがたどり着いているのだ。つまりこの三人はメルを見かけていてもいいはず。なおロウとマルティナは村の中で情報収集をしていたので、見かけていなくても無理はない。
親とはぐれて泣いている少女がいたとして、あの三人が放っておいたりするだろうか?カミュは放っておきそうな気もするが、なんだかんだでホムラの里でベロニカの面倒を見ていたし……。明らかにおかしい。
やはり欲がない(壁画のご利益に興味がない)勇者とシルビアの前にだけ現れたのではと思ってしまう。
少なくともカミュの前には現れないのだろう。盗賊なんだし欲深くて当然だ。ベロニカもセーニャも好奇心が強いタイプなので、メルがいなくても壁画に吸い寄せられる可能性はある。
見えてないものだから、仲間会話をしてもメルに言及するのはほぼシルビアだけだったりする。
一応メルが正体を現わしてからはみんなにも認識できている。
メルちゃんは、正直最初に会った段階から怪しかったが、シルビアと勇者の前に現れ、カミュ達がスルーしたという点を見ると早い段階から変だな?ということはわかるだろう。
本編でそのことについては特に言及されないが、正体を知った状態で改めて見るといろい気づくことがあって面白い。
勇者たちはメルを心配して壁画世界に吸い込まれてしまったので、結果として優しいシルビアの前に少女の姿で現れたのは大成功だったろう。そんなことしなくでも、好奇心旺盛な若者が多いあのパーティーならばいずれ取り込めたとは思うが。
シルビアのやさしさに付け込んだと考えると、なかなか許せない。
ドラクエ11はストーリーの作りこみがすごいなぁ。
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