前回までのあらすじ
キーエンブレムを求めてドルワーム王国に着いたモガマルたち。
そこでチリと再会したが、何やら状況は悪い感じ。
どうやら危険な魔物を復活させてしまったらしく、まーたかいな。
前回
第八十七話 一旦落ち着いたほうがいいぞ!
クァバルナってやつの封印を解いちゃったことで院長は責任を感じているみたいだな。
でも頭に血が上りすぎだ。
落ち着け落ち着け。
忘れるって言い方もな、ちょっと良くなかったよな。でも一旦冷静に判断しないとな、不要な犠牲を生むことになるからな、な。
そうなのか。それは確かに放っておけないな。でもだからって、自分が倒す!ってなるのはちょっとやりすぎじゃないか?ちゃんと軍を派遣するとか、腕の立つ戦士に行ってもらうとか。あんたどう見ても戦闘が得意そうには見えないし。ここにちょうどよく腕の立つ冒険王がだなぁ……。
ダメだこいつ、本当に聞く耳持たないな。
でもこれでこいつが一人やられちゃっても寝覚めが悪いし。
クァバルナってやつがどれくらい強いかはオレたちにはちょっとわからないけど。
でもまぁ封印されていたくらいだし、そんじゃそこらのやつには勝てないんだろうな。バサグランテもアラグネも大したことはなかったけど、それはモガマルだからだしな。
え?あ、お前兄弟なのか。
あーそう、兄弟喧嘩かこれ。どうりで院長は随分と王子にでかい態度を取るなと思ったんだ。弟なんだなお前。
待て。待て待て。とんでもないカミングアウトを聞いてしまったようだぞこれは。カミングアウトの仕方が雑すぎる。
これ、全くの第三者であるオレたちが聞いていてもいいやつ?
というか、なんで王子はそのことを知らなかったんだ。
なるほど、この国にはそういう言い伝えがあるのか。
まぁ昔話だと双子って忌み嫌われていたりするもんなぁ……。
いや、これつまりそういうことだろ。王子は察しが悪いなぁ。
まぁ雑なカミングアウトした院長も院長だけど。
いやだから。雑だよ雑。
つまりあれなんだな。王子と院長が双子だったと、そういうわけだな。その割にはなんかあんまり似てないけどな。二卵性だったのか?
あらら。どっちかの命を断て!ではなく捨てるってことだったのか。
で、そのまま育って院長になったと。
どうやって自分は王家のものだ!って知ったんだろうな。やっぱりDNA鑑定?
そりゃそんな反応にもなるわ。
いきなり「無能な兄」とか「私だ」とか「捨てられたんだ」とか言われてもなぁ。王子は悪くないしな。王様が悪いしな。もっと言うとそういうしきたりを作ったこの国が悪いな。一旦作り変えてもいいんじゃないか。
そういうことなんだなぁ。
であれか、当の王子がまごまごとしているから余計に腹が立つんだな。それにしたって落ち着きがなさすぎるけどな。
めちゃくちゃ言うなぁお前ホント。
王子だって国のこと考えているだろうによ。
王子より有能であることを示して王家に返り咲きたいんだな。だからそんなに焦ってるのかお前。
てことはあれか、国をアストルティアに戻そうってのもその一環で、だいぶ無茶やったんだろ。国のことじゃなくて自分のことしか見えていないんじゃないのか?
全く、ここはオレたちが説教してやりますか。
次回予告
振り上げたこぶしの勢いが収まらないドゥラ院長。
とうとう飛び出して行ってしまう。
さすがに何とかしてあげた方がいいような気もする。
次回、「まだ何も言ってないぞ!」!
モガいてばかりじゃ、大陸制覇はできないぜ!
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