ドラクエのキャラクターについて、いくつかの観点から読み解いていく!
筆者の超個人的主観によるキャラクター辞典!
第九十六回目はかみさま!
※全て筆者の主観であり、筆者のプレイスタイルによるものであることをご了承ください
見た目
豊満な体、豊かな髭、おちゃめな頭髪、つぶらな瞳を持つ、ただのじいさんに見えてどことなく不思議な魅力のあるキャラデザである。
彼に会うまでにプレイヤーは散々神やそれにまつわる伝説を聞かされ、偽物とはいえ一度威厳のある姿を見ているため、そのギャップに大体の人が驚かされただろう。
というか、過去に見た姿とも違うし。そのときは後ろ姿だったが、それにしたって違うし。だいちのせいれいのように様々な姿を持つのか、長い時を経てイメチェンを図ったのか、謎である。
神様ってずいぶんふざけた見た目のやつだなぁと思っていたら、痛い目を見たプレイヤーは多いはず。本当になんなんだこのキャラデザは。しっかりと鳥山明氏がデザインしている。なんとなく納得。
余談だが、精霊たちや神様など、固有のグラフィックを持つ敵たちのデザインが今作はけっこう凝っているなと思う。
人物
世界を作り、この世のすべてを生み出したまさに全知全能の神。
かつて神話の時代に、魔王オルゴ・デミーラと戦い、あと少しというところで敗北してしまい、以来姿を見せなくなってしまう。
メルビンの話からして、さぞ威厳のある方なのだろうと想像を膨らませるが、実際言葉を交わしてみると、その見た目通りおちゃめなおじいさん。
オルゴ・デミーラに負けた後は、謎の異世界でずっと修行をしていたらしい。精神と時の部屋なのか……?
修行をしたのになぜオルゴ・デミーラを倒しに行かないのかは永遠の謎。修行そのものが楽しくなったんじゃなかろうな。
主人公たちとの腕試しを一通り終えると、隠居したいんじゃ~と移民の町に引っ越してくる。腕試しの結果、主人公たちがなんとかしてくれそうだし、世界もわしがいなくてもなんとかやっていけているみたいだし、もう役目は果たしたかと悟ったのかもしれない。
移民の町では誰にも神とは信じてもらえず、気楽な生活をしているらしい。この人、町で「わしは神様じゃ」とか言って回っていたのだろうか。
ストーリー
かつて神は、神の兵と精霊を従えて、魔王オルゴ・デミーラと戦った。かのものの力のほとんどを奪うことには成功したが、あと一歩のところで力及ばず敗北してしまう。
その後、神の姿を見た者はいなく、長い年月が経った。人々の記憶からは、神のことも、かつての大戦のことも消えてしまっていた。
しかし、そんな神の復活を切望する人々もいる。
世界は今のままでも十分平和だが、神が復活したそのとき、真の平和が訪れるのだと、放浪の旅を続ける人々がいる。
そして果たされる悲願。
一方そのころ、神様は今日も修行にいそしんでいた。
でもそのステテコダンスもいっぱつギャグも、オルゴ・デミーラは完全耐性持ってますよ!
性能
職業システムによりパーティーメンバーのインフレが進んだ今作において、裏ボスとして文句なしの強さ。オルゴ・デミーラに負けたあとかなり修業したようで、オルゴ・デミーラに比べるとはるかに強い。お前が早く倒しに行け。
大体2回行動だが、3回行動もをする。ひどいときは4回も行動する。というか理論上は無限に行動できるらしい(リメイク版は完全2回行動)。
そして一つ一つの攻撃が痛い。通常攻撃も普通に痛いし、いてつく冷気・れんごくかえんの極悪コンボに極めつけはジゴスパーク。行動回数がなるべく少ないことを祈る力がかなり要求される。回復できるメンバーは多ければ多いほどいい。
さらにこちらの行動を封じてくることにも余念がない。いっぱつギャグにあやしいひとみ、そしてなんといってもステテコダンス。こんなふざけた特技がここまで脅威になるとは。笑い転げないように祈る力がここでも要求される。せめて笑い転げてもセーフなキャラであれと祈ることも大事だ。
有効打はマジックバリア。これでジゴスパークの回避率や、ステテコダンスの回避率が上がる。マジックバリアが最も輝く戦闘かもしれない。しかしこれはリメイク版では特に意味がない。完全2回行動にはなったものの、むしろリメイク版のほうが祈りの力が必要になる。移民の町送りまでしたのに、いまだに結構負ける。
また、HPが高いくせして、自動回復(ターン毎に50)を持っているのもやっかい。行動不能になり、回復にかかりきりになっていると、さっき与えたダメージが無に帰す、ということもざら。
オルゴ・デミーラ撃破程度のレベル帯だとそもそも勝つのが難しい。相当の祈り力を要する。
また、なるべく少ないターンで倒したい相手なので少々無茶をすべき場面も出てくるが、行動不能にされたりジゴスパークしたあとでさらに攻撃されたりすると、高レベルであっても時に負ける。結局祈りの力が必要である。
しかし、祈るといっても誰に祈ればいいのか。神には祈れない。対峙しているのがまさに神なのだから。運も実力のうちと考えれば、己の運命に祈るのが一番か。
その他の活躍
スピンオフ作品に出る際には、サンタの格好をしたサンタさまや、カラーリングがブラックのあくがみさまなんてのも登場する。
裏ボスではあるが、そのキャラデザゆえにけっこう出番はあるようだ。
総評
物語のわりと最初のほうからその存在は示されていたが、結局本編に本物が現れることはなかった。
神とはそれほどの存在なのかと思えば、とぼけた顔でいきなり登場する。しかも強い。
ドラクエの歴代裏ボスの中でも随一のインパクトを残したキャラじゃなかろうか。結構好きである。
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