ドラクエ4は章仕立て。
全5章(リメイクは全6章)あり、1~4までは仲間たちが勇者に出会うまでの物語で、5章で全員が集結する。
このバランスがとてもいい。
散々言われているだろうけど、とてもいいのだ。
RPGを初めてやる人にぜひ進めたいくらいいい。
1章はライアンが主人公だ。
王宮の兵士として子供が行方不明になっている事件を調査するというストーリーで、1人旅がスタートする。
自分1人だけなので、武器や防具をそろえるときもあまり悩まなくていいし、道具の管理も簡単だ。強いものをそろえて、やくそうを持たせればいい。ライアンは戦士タイプキャラで特技などは覚えない(というかこの頃はまだ特技はない)ため、戦闘も攻撃かアイテムを使うくらいしかなく非常にシンプル。戦士タイプゆえに、攻守に安定感があるのも初心者にはありがたい。
移動範囲もせまく、町はスタート地点のバドランドとその北にあるイムルの村だけ。ダンジョンも3つほど。町の人に話を聞けば特に迷うこともなく、RPGって何をすればいいんだろう?というレベルの人でも安心してプレイできる。
途中にいるホイミンというNPCも、回復役として非常に優秀だし、5章のAI戦闘に向けた練習と思えば納得。
2章はアリーナ・クリフト・ブライの3人旅。
1人旅だった1章よりも難易度が上がっている。3人分の装備品を買いそろえるためのお金の管理。所有するアイテムもそれだけ増えるし、色々と考えることが多くなる。
アリーナはライアンと同じで攻撃をするかアイテムを使うかだけだが、クリフトとブライは呪文を覚える。戦闘の幅がぐっと広がり、戦略が大事になってくる。クリフトは回復呪文、ブライは攻撃呪文が得意と特性があり、そこにさらにMP管理も加わってきて1章に比べるとかなり複雑だ。アリーナもライアンほど打たれ強いわけではないため、特に最初の方は戦闘難度がぐっと上がっている。
1章でRPGがどういうものかを理解させ、2章でパーティーメンバーがいるゆえのRPGの難しさ、そして醍醐味を知ることができる。
うまい構成だ。最初のころはすごく大変だが、レベルもあがりアイテムもそろってくると、戦闘も安定するしできることも増えるしでかなり楽しい。当然1章よりもやりごたえがある。
そして3章。再び1人旅なのだが、1章とは全く違う。
お金を稼ぐことが目的であり、別にやらなくてもいいイベントもあったりと、かなり異色。「こういうのもあるのか……」と新たな広がりを見せてくれる。
手っ取り早くお金を稼ぐためには、町の人が言う情報通りに進めた方がいいのだが、別に最初の町から出ずに地道にお金を稼いでもいい。自由度の高いシナリオだ。戦いも最小限に済ませたって構わない。
必ずやらなければいけないイベントは、いわゆるお使いイベントで、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、先に進んだり戻ったり。戦闘の仕方とは別の、RPGのお使いイベントってこういう感じで、自分で考えて行くべき場所話べき人に話しかけないとだめなのよ、と前の2章よりもかなりじっくりと教えてくれる。自身が奔走することで、まさに国家レベルの干渉ができてしまうのも面白い。
2章まででRPGの基本的なやり方を教えた後で、3章でこういう面もあるよと見せてくれる。飽きない。別に主人公がトルネコだから商いとかけてるわけじゃない。
3章まででRPGのやり方を十分と見せてくれ、4章は総復習とでもいうべきか。
モンバーバラの姉妹の2人の旅で、二人とも魔法タイプ。戦闘はちょっと苦しいかもしれないが、ここまでクリアできたのであれば問題ないだろうと言わんばかり。
途中で戦士タイプのNPCオーリンを仲間にすれば安定感も増すだろう。
そうして、RPGに慣れてきたプレイヤーに試練を与えてくれる。
そう、負けイベントだ。
勝てるわけないじゃん!と思わせておいての、負けることが正なの!?というキングレオ戦。RPG、まだまだ引き出しありますよと。
そして絶望のまま始まる5章。
さらにご存じさらなる絶望イベント。
ドラクエ4がここから本格的に始まるのだ。
はい、色々わかりましたね、じゃあやっていきますよと言わんばかり。
本当に構成が素晴らしい。バランスが良い。
だからこそ何回やっても飽きない。
また1章やりたいな~、2章やりたいな~と楽しめる。章立てであることで何度でもやりたくなる。
色あせない名作。それがドラクエ4だ。
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