ドラクエのキャラクターについて、いくつかの観点から読み解いていく!
筆者の超個人的主観によるキャラクター辞典!
第六十三回目はザジ!
※全て筆者の主観であり、筆者のプレイスタイルによるものであることをご了承ください。
見た目
PS版のグラフィックでは紫の衣服を着た、なんとなく小柄そうな少年に見える。髪は茶色で、ぼさぼさっとした印象。
ふきだまりの町で姉弟二人で必死に生きている様子と、魔法が達者なことからなんとなく線の細い少年を連想している。なんなら頬とかこけてそう。
リメイク版ではきりっとした顔つきの少年になった。頑固そうで、意地っ張りな感じが顔からありありと現れている(偏見)。頬はふっくらとしているため、吹き溜まりの町でもちゃんとご飯は食べていた模様。
PS版グラフィックではローブっぽい服を着てそうだったが、リメイクではネリスと同じような服装で、剣も映えるようになった。
性格
ネリスのことを大事に思う弟、要はシスコンである。そのため、彼女に近づくカシムのことを大変に嫌っており、素直に頼ればいいのをやたらと反発している。
とにかくネリスが第一。それゆえに、主人公たちのことも最初は気に入っていない。案の定マリベルからは印象がよくない。
主人公たちと協力することになったあとも、大して素直になることはなく、あくまで協力者のスタンスを崩さない。
ダーマを解放したあとは、急に姉の元からいなくなるなど、姉離れにしても極端な行動が目立つ。直前まで姉を養う気満々だったくせに……。付き合ったりしたらすごい大変そうな男である。
出会ったことに比べると、最後は主人公たちともフランクに話しているようにも見えるが、個人的にはキャラを無理やり作って喋っているように見えて、最後まで彼のことをつかみきれなかったように思う。彼にも素直な時代はあったのだろうか。
ストーリー
姉のネリスと二人で生活をしているザジは、ダーマのニセ神官に騙され能力を奪われてしまった。
病弱な姉と年端も行かないザジの二人で暮らすには、ふきだまりの町はあまりにも厳しい環境だった。
姉のことを気に入ってくれたカシムがたびたび訪ねてくるが、ザジにはそれが気に入らない。
苛立ちを募らせる毎日。
そんな折、妙な3人組が町にやってきた。
いつまでも姉のそばにいたいと願っていた少年だったが、彼らとの出会いでその考えを少しずつ変えていくこととなる。
性能
攻撃・回復・補助の魔法を使いこなし、さらには通常攻撃もなかなかなダメージを出すという非常に優秀なNPC。
ダーマ編ではこの前にフーラル・カシムがNPCとして同行してくれるが、加入時期があとのためか明らかに前の二人よりも強い。
ダーマの決闘ではうってつけの、全体攻撃イオを使えることがでかい。さらに回復はベホイミが使えるので、いざというときも安心。
一番嬉しいのは、NPCにありがちな「様子を見る」を一切しないこと。さすが姉を取り戻すために腹をくくった男はやることが違う。
正直このまま正規メンバー入りしてほしいくらいの性能である。
ダーマ解放後は戦士に転職するのだが、通常攻撃の強さを見るに意外と適性かもしれない。魔法もある程度使える戦士ならば、一人で旅をしても危険は少ないだろう。判断が良い。
その後の彼がどうなったかは知る由もないが、その後は魔法戦士になったのではないだろうか。
その他の活躍
彼がひとり旅に出てからは、その後の動向を知ることは一切ない。ドラクエ7は前に出てきたイベントキャラが再度出てくることもそれほど珍しくはないのだが……。
なんとなく6のミレーユとテリーを思い出させる姉弟なので、最強を求めて旅を続けていそうではある。
総評
様々な出会いと別れがあるダーマ編にて、主人公たちと同じくらいの年頃の彼の存在はかなり大きい。
カシムともネリスとももっとうまく収まる方法はいくらでもあったと思うのだが、それができないのがある意味リアルだ。
ドラクエ7はやむなく別れを選ぶ、そんなシーンがたくさん描かれるが、彼の場合はどうにも納得ができない。
彼とは別の道を歩みたい、そうするためにはどうすればよかったのか、それを考えずにはいられない。とても奥が深いキャラクターである。
(文・やなぎアキ)
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