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【ドラクエ11】グロッタの南に行きた過ぎて暴走するカミュ

ドラクエ11は世界に平和を取り戻したあとに、平和になった世界をゆっくり見て回れる期間がある。

エンディングなどではなく、自由に見て回れる貴重な期間だ。これまでのドラクエにはそのようなものはなかったので、たいそうウキウキした。

 

仲間たちの会話も平和を謳歌してしていて、町に着いては仲間会話を開いてしまう。

 

ところで仲間会話についてだが、開いたときに一番最初に話してくれる仲間は、ここまでのあらすじや次にやるべきことをやんわりと教えてくれる。

それはこの世界平和巡業ツアーでも同じである。

なんせ世界に平和を取り戻しても勇者にはやることがあるのだから。

 

で、このとき次の行き先を言ってくれるキャラクターが

 

 

ご存知カミュである。

 

何かあれば高確率でこちらの行くべき道を示してくれるカミュである。

なんせ序盤に滅びたイシの村を前に呆然とする勇者に、はよ次行こうやと急かしたくらいなのだから。安心安全のナビゲーション、それがカミュである。

 

そしてこのカミュ。

どこに言ってもこれである。

 

 

みんなが口々に旅の思い出を語る中、しきりにグロッタの南に行きたいと。俺はグロッタの南が気になるんだと。うるせーんだお前は!お前も思い出を語れ!お前にとってのこの地の思い出を聞かせてくれ!お前との付き合いが一番長いんだこちとら!世界の平和をお前とも分かち合いたいんだ!グロッタに気を取られるな!盗賊の性なんて理由で納得できるか!このシステムの犠牲者が!

他の皆はずーっと旅の思い出を語っているのに。エンディング(仮)でふしぎな光を実際に見つけたのはカミュなので、他のメンツが気にしないのはある程度仕方ないのかもしれないが。

 

「もし他に行く当てがないんなら」と言うのは、他に行く場所があるなら全然いいんだけど~ということなので遠慮なく世界中を回るわけだが、行く先々で真っ先にこれを言われるので「やかましいな!行くあてはグロッタの南以外のすべてだよ!」と反発したくなる。世界中を回ったらそこに行くから、それまでは頼むからお前もグロッタの南のことは忘れてくれ、と切に願ってしまう。グロッタの南も彼のことを解放してやってくれ。

 

そんなカミュも流石に地元であるクレイモランやバイキングのアジトに行くと話したいことがあるようで、一時的にグロッタのことを忘れてくれる。故郷の力は偉大。

 

 

ではカミュがどうしても話したいことがある時は、誰がグロッタのことを気にしてくれるのか。

 

 

なんとシルビアが代弁してくれる!

優しい!さすが我らのシルビアお姉さま!

シルビアはけっこうカミュのこと気にかけてくれているので、ここでも察してくれる。あたしが言うからカミュちゃんもたまには言いたいことを言ってもいいのよと。おおらか!こういうちょっとした人選から、キャラクターの細かい性格が読み取れる。これだから仲間会話はやめられない。

しかもエンディング(仮)であの光を見つけたときにはシルビアはもうケトスから降りていた。実際にあの光を見たわけではないのに、あのカミュがそこまで言うのならと代わりに言う役目を買って出てくれているのだ。シルビアお姉さま~!

 

あとシルビアはアシストもしてくれる。

 

カミュがひたすらにグロッタの南のことを言い、勇者もそろそろ「こいつグロッタの南のことしか言わねぇな」と思い始めて仕方なくその近くに来た頃、シルビアが援護射撃をしてくれる。そうなるとこちらも「そこまで言うなら一度行ってみるか」という気持ちになる。

 

 

カミュはあまり寄り道を許してくれず、常に次の目的地を示してくれるがゆえに、この時の彼の仲間会話は「おめぇ感慨深く思う気持ちとかねぇんか!」と思ってしまうが、シルビアの援護射撃によってなんだか許せてしまう。シルビアの説得力がすごい。

 

そんなこんなでカミュが後ろで「グロッタの南の光がなあ、気になるんだよなぁ」とぶつぶつ言っているのをしり目に世界平和ツアーを終え、そこから勇者の新たな旅路が始まるのであった。

あっちの世界でも的確なナビゲーションを期待しているぜ、カミュ。

 

(文・やなぎアキ)

 

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