アバン先生が開発したアバン流刀殺法には代表的な技があります。
それが大地斬・海波斬・空裂斬。
そしてこれらを習得したとき初めて真のアバンストラッシュを打てるようになります。
アバン先生に師事したダイは当然これらを習得し、戦いの中で上手く使い分けていきます。
大地を叩き割り、海を切り裂き、空を切り裂き、そして全てを斬る。
当然どれも並大抵の努力では習得できません。ダイもまた長い時間をかけてこれらを……
………………
大地斬と海波斬はすぐに習得してるな……?
ダイはこの二つをアバン先生が課したスペシャルハードコースの中で習得しました。スペシャルハードコースは七日間で勇者に仕上げる特別な修行。
七日間という免許合宿も真っ青な超短期間で勇者にしようというんですからめちゃくちゃですが、ダイはおよそ3日で大地斬と海波斬を習得しています。
はえーーよ!才能の塊だよ!アバン先生も無茶しやがるぜだよ!
しかもアバン先生によれば空裂斬についてもそのまま習得させる予定だったようです。さすがに空裂斬は他の二つに比べると習得が難しいようで、最終日である七日目の習得が目標だったようですが。いや七日目でも十分はえーんですわ!七日間でアバン流刀殺法の技三つも覚えさすな!
これはもうひとえにダイのバトルセンスによるものと言えるでしょう。竜の騎士としてのポテンシャルゆえに、それほどまでに早いスピードで習得できたわけです。大地斬を習得する際の岩を斬る修行も、ドラゴラムを使って無理やり海波斬を使わせる修行も、ダイでなければそう簡単にはいかなかったでしょう。そのダイのポテンシャルをアバン先生が見抜いたからこそのスペシャルハードコースだったわけです。
いやにしてもはえーって!
それにしてもこのスペシャルハードコース、ひいてはアバン先生は本当にすごいです。たかだか三日で大地斬と海波斬を覚えさせたのもすごいのですが、七日目には空裂斬の習得を目標としていたという点がなかなか異常です。結局それはかなわなかったわけですが、あのまま修行を続けていれば問題なく習得できていたはず。なんせダイとアバン先生ですから。
実際はハドラーが来てしまい空裂斬のみ未習得でダイは旅に出ます。
その後空裂斬を習得したのは、なんとフレイザード戦の後半。随分と時間がかかりました。
アバン先生にあのまま師事していればあと四日ほどで習得できたのに、まさかのフレイザード戦までの引き延ばし。これによって空裂斬の習得の難しさと共に、アバン先生の指導センスが浮き彫りになります。一体どんな修行をするつもりだったんだろう……。ダイが旅に出てからフレイザード戦まで、大ボスとしてクロコダインとヒュンケルを倒しているんですよ。それでもなおフレイザード戦の終盤になってようやく習得です。あのスペシャルハードコースには、魔王軍の幹部との死闘レベルのカリキュラムが組み込まれていたとでも言うのでしょうか。ドラゴラムまで見せたのに?アバン先生の家庭教師力の底知れなさが恐ろしいです。そういえばそろそろ獄炎読まなきゃ。
もう空裂斬習得のための修行のことを考えただけで私は戦々恐々です。四日でそんな大それた何かを身に着けた経験、私にはない。四日とか、ぼーっとしてたら一瞬で過ぎてる。
この四日が、アバン先生がいなくなったことでかなり時間を要することになったんですよねぇダイの竜の騎士としてのセンスとヒュンケルのアシストがなければもっと時間がかかっていたでしょうし……。
いやでも待てよ?ダイがデルムリン島を出てからフレイザード戦までどれくらいの日数でしたっけ?あれ?もしかして一ヶ月ちょいくらい?
だからはえーーって!
指導者なしで一ヶ月ちょいで習得て!はえーよ!そりゃ先生ありきならもっと早く習得できるでしょうよ!さすが勇者ダイ、竜の騎士ダイ!
アバン先生もすごいけど、やっぱりダイがめちゃくちゃすごい!
そしてこのダイの成長スピードのすごさを考えれば考えるほど、ただの人であるポップの成長度をその速度の異常さも際立つんですよねぇ……。ポップがスペシャルハードコースをやっていたらどんなことになっていたのでしょうか。やっぱりデルムリン島を包むレベルのマホカトールを習得していたのかな。
(文・やなぎアキ)
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