ドラクエのキャラクターについて、いくつかの観点から読み解いていく!
筆者の超個人的主観によるキャラクター辞典!
第五十八回目はマチルダさん!
※全て筆者の主観であり、筆者のプレイスタイルによるものであることをご了承ください。
見た目
THE女戦士という見た目。PS版では汎用グラフィックだったが、3DS版では専用グラフィックが与えられた。
ピンクの鎧をまとい、かぶとも盾もピンクという徹底ぶり。憂いを帯びた目元が印象的な美女。
魔物化した際もピンクの鎧をまとっており、見るもおぞましい姿だというのに人間の頃の彼女を思い出させてしまい切ない。ドラクエ7で初めて戦う印象的なボスのため、見た目のインパクトもなかなか。美しい女性をこのような姿にデザインするだなんて、あまりにも非道!
と、色々書いたが、後半に出てくる雑魚敵ナイトリッチとまったく同じ姿である。ナイトリッチが出てくるたびに、マチルダさん!と言っているのは私だけではないはず。
性格
非常に穏やかな物腰で、心優しい性格。
花が咲かないながらも墓に何か備えたいと思ったり、父を追って森に迷い込んだ少年を父ともども村へ送り返したり。また、知らない世界に来てしまい戸惑うばかりの主人公たちを導いてくれたりもする。本当に優しい女性である。
が、内にうずまく憎悪の念は根深く、兄を裏切った村に対して非情な仕打ちするという冷酷な一面も。
魔王に囚われなければ、あるいはっ村の人ともいつかは和解をして、心優しい美しい女性に成長していただろうことを考えると、本当にドラクエ7って鬱展開ですね!!
ストーリー
森の中の小さな村ウッドパルナ。この村の名前は、かつて魔物の襲撃から村を守った英雄パルナから来ている。
魔物の討伐のため村人たちは全員で戦うことを決意し、先んじて村の青年パルナが魔物の元へ向かった。しかし村人たちは魔物と戦うことに怯え、一緒に戦うという約束を破ってしまう。来るはずだった村人たちは来ず、たった一人で戦うパルナ。とうとう魔物と相打ちになりパルナは命を落としてしまう。
この青年には一人の幼い妹がいた。
ただ一人、兄を追った少女は魔王に囚われてしまう。
村人の裏切りによって兄を奪われた妹は村を憎み、いつしかその心の闇に飲み込まれてしまった。こうして再び村は襲われる。
しかし彼女の心が完全に闇に飲まれたわけではない。ある一人の少年との出会い、そして突如現れた不可思議な一行、それによりかつてはあった人間の心を、少しだけ取り戻していく。
その先にあるのは抗いようのない悲劇ではあったが。
性能
非常に短い期間だが、NPCとして仲間になってくれる。
ウッドパルナ周辺は物語の最初なだけあって出現モンスターも弱いが、それにしたってなかなかの強さ。当然あのあたりのモンスターは一撃で倒すし、手負いとはいえチョッキンガーにも一太刀でとどめを刺す。
通常攻撃の他いなずま斬り、ドラゴン斬りが使える見た目通りの戦士タイプ。
かと思えば、主人公たちが傷つけばホイミを使い、死んでしまった時にはなんとザオリクまで使ってくれる。マチルダさんを連れた状態で主人公一行の誰かを死なせるのはなかなか至難の業のため、見る機会はほとんどないだろうが。私もむか~しちょっとした縛りプレイをしようとしたときに、たまたま知った。
ウッドパルナ一の戦士であるハンクですら彼女には歯が立たなかったようで、主人公たちなどまず勝てるはずがないだろう。本来であればウッドパルナの時点で彼らの冒険は終わっていたはず。彼らが勝てたのは、人としての優しさでもって彼女と接したからである。力ではなく心、彼女にとって苦々しい人間の優しさによって、戦いを制したわけだ。う~ん、ドラクエ7深いぜ。
その他の活躍
ソシャゲ以外ではこれといって活躍はない。
が、そのあまりにも強烈なストーリーによって、大体のドラクエ7プレイヤーは彼女のことを覚えているし、ナイトリッチ系の敵を見ればマチルダさんのことを否が応にも思い出してしまう。
あとマチルダ「さん」って言いたくなる。さん付けがめちゃくちゃ似合う。
総評
ドラクエ7のストーリーは暗いとよく言われるが、大体がこの初っ端のマチルダさんのせい、というかおかげである。
彼女の存在により、今回のドラクエはそういう感じなのね……とわからせてくるんだから、彼女はドラクエ7を語る上で欠かせない存在だ。
墓に咲いた花って、やっぱりマチルダさんなのかなぁ……。
(文・やなぎアキ)
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