ドラクエの温泉の歴史は古い。
なんせ一策目から登場しているのである。
そしてナンバリングの11作目まで実にたくさんの温泉が登場した。
今回は、ドラクエの那波リング作品に登場する温泉を紹介していこう。
マイラ(ドラクエ1)
記念すべき一個目の温泉。
森の中の小さな村というロケーションは抜群。リメイク版なら近くにぱふぱふ娘もいるというなかなか攻めたシチュエーションである。
効能として、リウマチに効くらしい。が、入ったから何か起こるということはない、そもそもFC版などは温泉に入れすらしない。鎧着てるからね、しょうがないね。ただし、この温泉から下へ数歩歩いたところに妖精の笛があるため、存在意義は大きい。
もちろん下の世界としてアレフガルドを冒険することになるドラクエ3でも、マイラの温泉は存在する。なんとリメイク版では井戸の中にも温泉が!ゾーマの影響でぬるくなってしまっているらしい。許せない。
アネイル(ドラクエ4)
英雄リバストの墓がある小さな町の名物温泉。特にストーリー上寄る必要のない町ではある。
温泉には女性の先客がおり、先頭が男性の場合に話しかけると「えっちねぇ」と言われ、女性が先頭の時に話しかけると「意外と胸が小さいのね」と言われる。意外ってなんだ?ドラクエ4の女性メンバーは女勇者も含めてそんなに胸は小さくないと思うのだが……。リメイク版でもセリフはそのままだが、今の時代だったら別のセリフに差し替えられているかもしれない……。
リメイクの仲間会話によると、ミネアはここの温泉の匂いが苦手らしい。
せっかく温泉があるのにこれといってそれにまつわるイベント等はない。
山奥の村(ドラクエ5)
ビアンカの住む山奥の村には立派な温泉施設がある。
体調を崩したダンカンのためにビアンカ一家はこの温泉のある山奥の村に引っ越してきており、湯治として有名だったのかもしれない。
温泉は宿屋と併設しており、地下には酒場もあるため温泉旅館として申し分ない。混浴なのがちょっとなぁという感じで、まさかビアンカも日常的に利用しているのか?と不安になったり。
温泉に入っているNPCは、タオルを体に巻いた独自のグラフィックになっている。細かい。その中を衣服を着たままじゃぶじゃぶと入っていく主人公たち。豪快~。
リメイク版では、温泉があることに由来してか名産品としてひとうのはなが存在する。湯の花というやつだろう。
ヘルハーブ温泉(ドラクエ6)
はざまの世界に存在する流れるプールタイプの温泉で、現実世界へ戻るための井戸が隠されている。現実世界に帰ろうと温泉に入っても、並の精神力では体の力が抜けてしまい、流れに身を任せることしかできなくなってしまう。流れる温水プールで、浮き輪に捕まってぷかぷかと流されているような状態だろうか。
この流れに強引に逆らうことができるのは主人公たちのみ。十字キーを温泉の中央の方に向けると、少しずつだが流れに抗ってくれる。これが彼らのただならぬ精神力を感じさせて、とてもいい仕掛けだと思う。
リメイク版のドランゴの仲間会話によると、硫黄の香がするらしい。温泉を再現するためにデスタムーアがディティールに凝ったのかなと思うとなんだかちょっと面白い。
エンゴウ(ドラクエ7)
現代のエンゴウの井戸の中にある。恐らくは火山由来の温泉のため、硫黄の匂いがすごそうなのだが、特に言及はされない。マリベルとかめっちゃ文句言いそうなのに。火の精霊が封印された状態だとぬるくなってしまっているらしい。
エンゴウの村長は商売っ気がかなり強く、この温泉を使ってエンゴウを観光地にしている。火の精霊への信仰心もほとんどなくなってしまっており、こんなことでいいのかと不安になる。
ところで、井戸の中の温泉というのは一体どのような感じなのだろうか。温泉と言えば露天風呂も捨てがたいが、その方向性で作ってみたりはしないのだろうか。
フィールド(ドラクエ9)
ドミール火山の近くに温泉が湧いている。多分ここも硫黄臭い。
普通にドミールの里にあってもよさそうなのだがなぜないのだろうか。
ドラクエ9はフィールド上に様々な錬金素材が落ちている関係で、町などの施設ではないが何か意味深なスポットが多かったりする。
ちなみにこの温泉にはさとりそうが生えている。
アズラン(ドラクエ10)
アズランの町にあり、クエストをクリアすることで施設が利用できるようになる。
これまでの温泉は、入っても何か効果があるわけではなかったが、こちらでは湯船に浸かることでリホイミの効果がつく。
ようやく、ようやく意味のある温泉が!
男湯と女湯で分かれているのも特徴的。これまでは混浴しかなかったため、これは大きな快挙。もちろん自身の性別と違う温泉には入ることができないし、服を脱ぐわけでもない。
ホムラの里(ドラクエ11)
お湯につかるのではなく、蒸し風呂というサウナのような形で存在する。温泉自体も湧いているのだが、入るとやけどをするほど温度が高いためこのような形式になっているものと思われる。また本作がCERO Aであることも関係しているだろう。さすがにこれまでのように衣服を着たままじゃぶじゃぶと温泉に入る姿は違和感しかなくなってしまう。
こちらも男湯と女湯に分かれている。表から女湯に入ろうとするとおかみさんに止められてしまうが、なぜか裏手側のは男湯と女湯がつながっており出入り自由。蒸し風呂中はそれ用の服を着用しているので問題ないかもしれないが、脱衣所も通れてしまうのはいかがなものか。
温泉つながりでか、ここに登場するぱふぱふ娘はマイラのぱふぱふ娘を意識していると思われる。つまり、本当のぱふぱふってこと!?
一部温泉が存在しない作品もあったが、初期のころからコンスタントに登場している。
しかもそのほとんどが、シナリオに直接は関係がない。「お~、この町には温泉があるんだ~」という感動だけである。それでも温泉があるとなんだかうれしい。
皆さんはどの温泉に入りたいだろうか?
私はエンゴウの井戸の中にある温泉が気になるかなぁ。
(文・やなぎアキ)
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