DQフリ ドラクエファンサイト

『ドラゴンクエスト』が好きだという全ての人へ送る、「ドラクエファンによるドラクエファンのための」フリーコンテンツです。毎日更新!

【ドラクエ3】愛し合う恋人たちに呪いをかけるバラモスさん

ドラクエ3のポルトガには不思議な馬がいる。

話しかけるとどこか悲しげに鳴き、こちらに何かを訴えかけているようだ。

 

そして町には、愛しい恋人カルロスを思って泣くサブリナという女性もいる。夜を異常に怖がる彼女に夜会いに行くと、そこにサブリナはおらず悲しげに鳴く猫が一匹いるだけ。

そしてそのまま馬に会いに行くとそこに馬はおらず、一人の男が。名前はカルロス。サブリナに愛を伝えて欲しいと彼はお願いしてくる。

そう、この二人は呪いによって、カルロスは昼は馬に、サブリナは夜は猫になってしまい、人間の姿で愛を語らい合うことができなくなってしまったのだ。

 

この二人に呪いをかけたのは、魔王バラモス。直接手を下すことなく恋人たちの仲を引き裂いた、極悪非道な手口である。

なんてひどいやつなんだバラモス!ひどい!ひどすぎるぞ!

なんでこんなことができるんだ!

というか……

 

なんでわざわざそんなことしたんだ?

 

たかだか一組の恋人に呪いをかけたくらいで、何をしたいんだバラモスは。

気に食わないことがあるのなら直接手にかけるでもしたらいいのに、呪いて。

しかも昼夜交代で動物に変身させるとかいういやに手の込んだ呪い。

ぶっちゃけただのいやがらせだろうこれは。

こんなことをして何になるというのか。

たしかに当のサブリナとカルロスにとってはこの上ない悲劇だろう。私も、昼夜どちらかを何かしら別の生き物として過ごさなければいけないとなれば辛いことこの上ない。平日の昼間だけ猫だったら別にいいかもしれないが。

しかし世界が魔王に支配されるかもしれない!大変だ!という状況で、一組の恋人たちがかわいそうなことになっている程度のことは正直大したことではない。

 

一応なぜこの二人が呪いの対象になったかの理由として、カルロスは剣の腕に自信があったため魔物と戦っていたが、バラモスに目をつけられ恋人もろとも呪いにかけられた、ということである。

目障りだったということだろうが、それでなぜあんな中途半端な呪いをかけるのか。バラモスにも認知されるほどの活躍をしたと思われるが、それほどの脅威なら半日馬にするとかではなく一思いに手にかけてやればいいのに。しかもサブリナまで巻き込んで、下手したらカルロスの憎悪が増してますますバラモスに戦いを挑みに行くかもしれないのに。神経を逆なでするような呪いを選択した意味が分からない。しかも馬て。人間体でいるときよりもはるかに移動能力がアップするぞ?バラモスへの居城へ高速で移動する足を与えてどうする。ラーミアが必要とはいえ、オーブ探しに馬の脚力があったらさぞかし便利なのには違いない。むしろこの呪いはパワーアップまである。勇者一人旅の際にはぜひ欲しい呪い。

結局、カルロスは呪いによって戦意喪失してしまう程度のメンタルでしかなかったため事なきを得ているが、ぶっちゃけ悪手じゃろバラモス。

 

これがゾーマがやったのであれば、

た、戯れに二人の人生をもてあそびやがって……!別に放っておいてもいいくせに、わざわざ呪いを、しかも半日ごとに動物にするという陰湿な呪いをかけるなんてな。さすが絶望と憎しみと悲しみがお食事のラインナップだけあるぜ大魔王……おそろしい……。

となるのだが、いかんせんバラモスである。

バラモスがやったというだけで、なんなら恋人がいることへのひがみではないかとすら思ってしまう。じゃなきゃあんな陰湿な呪いかけない、バラモスの場合は。別にあいつの主食、絶望とか悲しみとかじゃないし。はらわただし。

 

ところで二人が呪われていることについて、ポルトガのほとんどの人たちが無関心なのも謎だ。一応言及してくれる人もいるが、一番不自然なのはサブリナの家族。彼女にはどうやら父親と弟がいるようなのだが、日中は姿を見せず夜になるとベッドでぐうぐうと寝ている。娘が、姉が夜には猫になっているというのになぜなのか。サブリナが必死にこの事実を隠しているのだろうか。

カルロスにしても、馬のときはそれっぽい柵の中にいる。なんだその柵。元々何の動物がいたんだそこには。そして彼は夜人間の姿になった時も柵の中にいる。ゲーム的に同じ場所にいたほうが同一人物だとわかりやすくするためだと思うが、それでもお前んちはどこだ、と言いたくなる。あとグラフィックの都合上、全然腕の立つ剣士に見えないのもアンバランス。

 

交互に動物になってしまう恋人たち、という設定自体はすごく悲劇的でロマンチックなのだが、いかんせんバラモスの器がちっちぇーく思えてしまう。

このあたりのイベントはHD-2Dの際には何か変化が加えられるのだろうか。ちょっと楽しみである。

 

(文・やなぎアキ)

 

関連記事

www.dq-free.com

www.dq-free.com