前回までのあらすじ
全てが凍ってしまった国には、ただ一人無事だった女性がいた。
彼女はこの国の女王であり、国を凍らせたのは魔女の仕業だと語った。
これは、放っておくわけにはいかないだろう。
前回
第二十七話 魔獣あらわるぞ!
まさか魔女なんてものが本当にいたとはな……。いやいるか、魔王とかエルフとかもいるんだからそりゃいるか。
でもこんな、国ごと凍らせるなんて。一体何のうらみがあって?
本当だよ。うっかり別の星からやってきたと思ったらこんな事件に遭遇するなんて、君たちも大変だねぇ。
でも勇者を探さなきゃいけないしなぁ。
そうだな!たしかに!いや、勇者を見つけるのはすごく大事なんだけど、だからといって目の前で起きていることを無視するわけにもいかない!
そうしよう!乗り掛かった舟だ!通りかかりに魔女を退治することくらいなんてことないわな!モガマルがいればサクーっと倒せるからたいしたタイムロスにもならないぜ。
そうだそうだ。大体魔法っていうのは術者が死ねば解けるものさ!氷が溶けるようにな!
でも、もし死後強まる念とかだったら困るなぁ。そういう世界観じゃないから大丈夫かなぁ。
まったくもってそう!もしここに勇者がいたとしたって同じことをしたと思うぜ!魔王を倒すことも大事だが、目の前にいる人を助けられなくて何が勇者だ!
な!モガマル!
ほらな!ベロニカが言わなくたって、モガマルが申し出てたと思うぜ!
よーしやったるかぁ!
まかせとけ女王さん!あと、袖がある服着たほうがいいぜ!いくら雪国出身だからって、その恰好はさすがに攻めすぎだと思うぜ!とても人間とは思えねぇな!
なるほどな!そこまで情報をつかんでくれて助かるぜ!
たった一人でよく頑張ったな女王さん!
じゃあサクッと倒してくるぜ!
え?まだなんか情報があるのか?
魔獣?魔女のペットの魔獣?さすが魔女、とんでもないものを飼っているんだな……。ということは、そいつを倒して魔女を倒すってことになりそうだな。
とりあえず、襲い掛かってくるもの全てを倒せばいいんだよな!
お、ロウ。なんかめちゃくちゃ久しぶりだな。
旅の同行者が多いから、一々発言が久しぶりなんだよな。マルティナとかもっと存在を示してくれ。
急に仕切り出したな。
じゃあ行ってくるからな女王さ~ん。魔女を倒す前にしっかりと、なんで女王さんだけ凍らせなかったか聞き出すからな~、任せておいてくれ~。
さぁて、ここが例の森か。魔女と魔獣はどこかな?
おっ!あそこにいるのは!
うおおおおおお、さっそく現れた~~~!!
こ、こいつが魔女か!こいつがすべてを凍らせた魔女か!思っていたのと違うなぁ。
で、魔獣はどこだ!
…………。
もしかしてこっちが魔獣か?
オレ、魔女とか見たことないからよくわからないんだよ。こっちが魔獣?あってる?
まぁどっちでもいいか!倒しちまえ!
次回予告
魔女の魔獣を倒し、あとは魔女を倒すだけ!
しかし魔女を倒すにはどうしたら?
そのとき、衝撃の事実が!
次回、「エッケハルトさん登場だぞ!」!
モガいてばかりじゃ、真の勇者にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
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