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【ドラクエ11】立派な街並みなのにスラム街があるってけっこう闇深いよな

ならずもの、荒くれものたちが住まうスラム街。

ドラクエにもそういう場所はある。

が、基本的には町そのものがならずものの町であることが多い。ロンガデセオやパルミドなど。

自分たちが訪れるときは緊張するが、そこに住む人たちにとってはそれが当たり前なのだから特に問題はないだろう。

 

が、普通に暮らしているところのすぐそばにこういった場所が存在するとなかなか気が気じゃないと思う。

 

ドラクエ11に登場するデルカダール城。

この町は全部で三つの層にわかれている。

そしてそれぞれ住んでいる人達の身分、階級が違う。上層には上流階級の金持ちが、中層には中流階級の平民が、そして下層はスラム。

上層は噴水や花壇が整備されており、立派な建物が多い。中層は店や住宅が立ち並びにぎやかだ。下層はというとスラムなだけあって建物も貧層で、そこに住む人々もどこか薄汚い。

 

これが村を初めて出た主人公が目の当たりにする初めての国である。

正確には初めて訪れた際には中層と上層にしかいけない。

なぜなら下層への道には門があり兵士も立っており、おいそれと通してはくれないからだ。そのため、スラムに行くのは主人公がカミュと共に脱獄したあと。ただでさえデルカダールに心象が悪くなったところで行くことになる。

 

最初に訪れた時点で、ゲ、下層ってなんだよ……と思ってしまうというのに、さらにそこには簡単に行かせてくれないから始末が悪い。町を訪れた時点では上層と下層では特に行き来を制限されていないため、より際立ってくる。誰も行かせたくないし、誰も来させたくないわけだ。

治安対策としては真っ当なのだが、ドラクエの世界では少々違和感がある。これがもっとリアリティのあるRPGだったらいいのだが、いかんせんドラクエ。そんな、門を作って兵士を立たせて封鎖するほどか?と思ってしまう。

いや、そりゃスラム街の連中が皆が暮らす区間に来るのは確かに危ないんだけど、そういうあからさまなやり方をしているといつか暴動が起きるのではないか、という謎の心配までしてしまう。上層と中層で感じたものよりも明らかに階級による差別を感じてしまう。

大体、あんなふうに封鎖されていると、国にとって何か都合の悪いものを隠しているのではないかと邪推してしまう。まぁスラムなんてそのものが外から来た人間から隠したいものだろうし、デルカダールに関していえば本当に隠したいものはスラムなんかではなく城の中にある、いやいるのだが。

 

村の人たちは家族同然!という田舎から出てきた主人公にはさぞかしショックだったことだろう。これが、都会か、と。ライフコッドからレイドックに来たドラクエ6の主人公よりもよっぽど鮮烈な都会デビューである。

 

そして脱獄後に訪れるデルカダール下層。確かに汚い。場所も人も汚い。しょうもない情報を教えて金を巻き上げる人や、占いなんだかなんだかわからないもので商売をする老婆などがおり、これまた純真無垢な主人公にはカルチャーショックである。上の層からのゴミが積み上げられ、働きたくても働けない人々が空腹に耐えながら暮らしているのがこのスラムの現実だ。

この下層については、なんとデルカダールの王女であるマルティナも知らなかったというのだ。彼女の場合幼少の頃にこの国を離れざるを得なかったため、下層のことを教えるには幼すぎると王は判断したのかもしれないが、どちらにせよ隠すべきものである、忌むべきものであると思われていたことには変わりない。

中層からは絶対に下層に行けないようにしており、さらには下層側にも中層への道をふさぐ兵士がいる。徹底している。

 

が、そこはスラム。下層側にいる兵士は勤務態度があまりよろしくない。下層から出ていく人を阻む役割を担っているはずなのに、賄賂を渡されれば通す。色恋にうつつを抜かし職務を放棄する。兵士のくせに犬にビビって持ち場を離れる。居眠りをする。などと、城にバレたらただでは済まないほどの失態を犯す。主人公たちはこれらいずれかの方法(まだ他にもあるが)を使って中層にあがるが、この分だと主人公たち以外もいくらでもこの兵士の警備を潜り抜けてきただろう。

スラムでたった一人で警備を任されてしまうというあまりにもブラックな環境のため、恐らくはこの兵士は元々大した働きをしていなかったのだろう。しかし、だからといってこんな待遇のままではそりゃ兵士も職務を放棄する。

そういう統治をしていたらいずれほころびから暴動などが起きていたであろうことは想像に難くない。

 

中層の門でうまく治安を制御で来ていたつもりかもしれないが、甘い。甘すぎる。そんなんだからスラムが生まれるのだ。

 

が、こういった現状も致し方ない。

なぜなら16年もの間デルカダールは魔王ウルノーガがおさめていたのだから。

表向きは立派に統治しているように見せて、その実スラムなどは放置しゆっくりと国を腐らせていた。

本物のデルカダール王がおさめていた頃は、下層という存在はあったとしても今ほどではなかったのかもしれない。だからマルティナは存在を知らなかったのでは。

そう考えれば、世界に平和が戻り元のデルカダール王が戻れば、あのスラムもなんとかなるのかもしれない。

 

どちらにせよ、世界が崩壊した世界線では上も真ん中も下もない。生き残った人々は力を合わせて、皆が同じ高さに住む国づくりをしていったであろうことを期待したい。

 

(文・リモート侍)

 

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